2017年の音楽ベスト Vol.2

続いて、次点のアルバム10枚(順不同/アルファベット順)をご紹介。

◆Best 20◆

11. Awich / 8
沖縄出身のラッパー/シンガーによる10年ぶりのフル。プロデュースは Chaki Zulu。インディーR&B的な音を中心に、ダンスホール、ハウスなど様々なビートの上で、自身のパーソナリティをオープンに力強く表現している。色々な意味でシームレスな傑作。

12. Blue Note All-Stars / Our Point Of View
レーベル75周年イベントの為に結成されたグループ。メンバーは Robert Glasper 中心とした界隈から。Witch Hunt(Wayne Shorter)等がカバーされているが、マイルスの黄金クインテットをアップデートしたような、ストレート・アヘッドなジャズの熱演が聞ける。

13. CBS / Classic Brown Sounds
3人組ヒップホップグループによる初のフィジカル。J Dilla 系譜のよれたリズムとビート、緩くて心地良いメロディ、そこに日常系のラップが紡がれる。このサウンドには郷愁を感じるひとも多いはず。夜、飲んだあとの帰り道なんかに聞きたい作品。

14. G. Rina / Live & Learn
前作を踏襲した5th。80年代のディスコ、90年代のR&Bやヒップホップを昇華したアーバン・ポップなのは変わらず、本作では4つ打ちなどクラブミュージック・テイストも新たに。フライデーラヴ、ヴァンパイア・ハンティングなど、刹那の愛情を歌った曲が特に良い。

15. Garrett / Private Life
ブギーの伝道師Dam-Funkによる別名義。リリース元のレーベル・カラーに合わせ、バレアリックに寄せた内容となっており、その中でもビートを廃し、波の音をサンプリングした13分の大曲”Angel Reflections”は体の芯までとろけるアンビエントに仕上がっている。

16. Maciej Obara Quartet / Unloved
ポーランドのサックス奏者、マチェイ・オバラによるECM初作。夜、雨に打たれた車のフロントガラス越しに見ている風景のようなジャケットだが、艶のあるサックスを静謐なリズムの中で堪能できる。ラスト2曲の静謐を破るフリーキーな演奏もまた良い。

17. Nicholas Payton / Afro-Caribbean Mixtape
92年デビューのトランペッターながら近年はMadlibのYNQを想起させる作品もあり本作はその路線。カリブといってもリゾート感はなく、ジャングルの入り口付近を彷徨っているような怪しげな妖気がうっすら漂う、ロウな質感のフュージョンに仕上がっている。

18. Richard Spaven / The Self
UKのジャズ・ドラマーによる作品。ドラムンベース~ブロークンビーツに焦点を当てたドラミングで、Photek の名曲 ”The Hidden Camera” もカヴァー。クラブジャズの亡霊が叩いているかのようにダークで透徹とした空気感が全編を覆っている。

19. Slawek Jaskulke / Senne
ポーランド出身のスワヴェク・ヤスクウケによるピアノソロ作。眠るときの音楽を聴かせてと娘に頼まれたのが制作のきっかけ。432Hzにチューニングされたピアノにより得られた、くぐもった音色と淡いリバーブの重なりの連続が麗しいひと時をくれる。

20. 水曜日のカンパネラ / SUPERMAN
前作「ジパング」と同じく全ての曲をケンモチヒデフミが担当。フューチャーベースを極限までポップに昇華した曲が揃っており、その中でも ”一休さん” と ”オードリー” はお茶の間までも射程距離に入れた名曲。歌詞はコムアイが担当しても良いのではと思ったり。

Vol.3 へ続く・・・
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# by bigflag | 2018-01-14 17:29 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2017年の音楽ベスト Vol.1

もはや年間ベストを投稿するだけのブログとなってしまいましたが、昨年と同じく、合計20枚+αを紹介します。では、今年もよろしくお願いします!まずは2017年ベストのアルバム10枚(順不同/アルファベット順)から。

◆Best 10◆
1. Christian Scott / Diaspora
気鋭のトランペッターによるジャズ100周年を記念した3部作の2作目。11曲のうち6曲で、Elena Pinderhughesのフルートがフィーチャーされ主役級の扱い。3部作の中では穏やかな曲が揃っているが、それゆえにリズムや楽器ソロの旨味をもっとも堪能できる。

2. Cornelius / Mellow Waves
10年ぶり6th。Point 以降の作風ながら音色は揺らぎを意識したものへ緩やかに変化。音と音の間白の設計、立体的な音作りも相変わらず精緻だが、音のエッジはより滑らかに。The Smiths や Prefab Sprout も取り入れながらコーネリアス印のサウンドをアップデート。

3. Gerald Clayton / Tributary Tales
気鋭のピアニストによる4th。先人から継承されてきたジャズを川の流れに例えて表現したとのことで、基本はLogan Richardson (as) を加えたカルテットに何人かのゲストを招き、荘厳ながらタイトかつクールな演奏を繰り広げており、シビれさせられる。

4. KASHIF / Bluesogns
横浜を拠点とするクルー PanPacificPlaya のギタリストによる初作。作詞は鴨田潤、マスタリングは砂原良徳。テクノ的なスクエアさの中、セルフポートレイト的で内省的なサウンドを作ったとは本人の言で、これ以上の説明は不要。くたびれた大人の色気を感じる作品ですね。笑

5. Mura Masa / Mura Masa
UKのプロデューサーのメジャー初作。ベースミュージック、ラテン、ラガ、ニューウェーヴファンクまで、様々な要素を軽々と折衷し、ポップなサウンドで表現するスキルは驚異的。ボーカル、ラップ、ボイスなどの使い方もセンスの塊。楽天的なムードも心地良い。

6. PUNPEE / Modern Times
待望のファースト。PSGの初作から8年後と考えると、本当に待たれていた作品で、その期待に違わぬ傑作。このひとは生来のキャラクターがポップだから、どんなにナードなことやってもアウトプットはポップになる。お茶の間まで射程距離のヒップホップ。

7. 鶴岡龍とマグネティックス / LUVRAW
トークボクサーのLUVRAWが名義を改めリリースした初作は、ヨコハマ発・正体不明の南国に着陸してしまった怪作だった。祭りのあとといった感じの少し鬱屈としたムード漂うラテン歌謡といった風情で、紡がれる音が濃厚な旅情を運んでくれる。

8. フィロソフィーのダンス / The Founder
4人組アイドル。プロデュースはナンバーガールや氣志團を手掛けた加茂啓太郎。Funky But Chicをキーワードに、ファンク・ソウル・ディスコが落とし込まれた高いクオリティの楽曲が揃い、4人のマイクリレーも個性が光る。Especiaロスを救ってくれたグループ。

9. 細野晴臣 / Vu Jà Dé
ブギー、ロカビリーなど1940~50年代の楽曲のカバー集と、オリジナルを編んだ2枚組。細野さんの軽妙なバリトンボイスを愛する身としてはリリースだけで嬉しいのだけれど、懐かしく淡い情景と郷愁を運んでくれる曲郡は心から楽しい時間を約束してくれる。

10. ゆるふわギャング / Mars Ice House
男女2人組ヒップホップユニットによる1st。Automaticのトラックはドリーミーかつドラッギーで、それがリリックと相俟つとエスケーピズムでは終わらない、現実のそこかしこに潜む呪いからリスナーを解き放ってくれるような力強さへと変わる。しかも Free Your Soul をサンプリングしてるなんてスーパーカーと地続きで最高すぎる。


Vol.2 へ続く・・・
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# by bigflag | 2018-01-13 17:50 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2016年の音楽ベスト Vol.4

最後に印象的だったライブを羅列して、音楽ベストを終わりたいと思います。

◆Live◆
・02/07 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 @梅田クラブクアトロ
・03/02 Bon Iver @Zepp Namba
・03/21 Negicco @umeda AKASO
・03/29 D’Angelo @大阪国際会議場
・04/28 Ogre You Asshole @Shangli-La
・05/21 岡村靖幸 @Zepp Namba
・05/31 MOCKY @Shangli-La
・06/05 小沢健二 @Zepp Namba
・10/05 Caetano Veloso @NHK大阪ホール
・11/22 KANDYTOWN @サンホール
・11/23 水曜日のカンパネラ @なんばHatch
・12/05 Kamasi Washington @ビルボードライブ大阪
・12/11 cero @なんばHatch・12/17 リリカルスクール @OSAKA MUSE
・12/19 黒田卓也 @梅田クラブクアトロ

ベストアクトはカエターノ・ヴェローゾですね。本当に素晴らしい歌い手であり、ギタリストでした。カエターノもディアンジェロもチケット高かったけど、レジェンドと呼ばれるような音楽家は本当に桁外れなので、行ける機会があるなら絶対に見に行ったほうが良いと心底思った一年だったなあ。

・Caetano Veloso - Terra
念仏唱えて内宇宙へダイブ。

・D'Angelo & The Vanguard - Betray My Heart | Spanish Joint
実物は想像以上に背が低くて分厚かったD。


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# by bigflag | 2017-02-01 02:09 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2016年の音楽ベスト Vol.3

第3弾は、ミックスCDと、2015年以前の作品のベストを紹介。

◆Mix CD◆
・Dam-Funk / DJ Kicks
ブギーの伝道師デイム・ファンクによるミックスCD。新曲や、Nite JewelとのユニットNite-Funkの”Can U Read Me?” など、彼の新作としても聞けるほど、らしさの詰まったミックスとなっている。

・EVISBEATS / Special Special
音の涅槃を追求するエビスビーツによるミックスCD。ジャズ、ジャズボーカル、ソウル、ヒップホップ、ダブなどに加えて、自身の新曲も2曲収録。休日の午後ぼんやりしているときに聞きたくなる緩いやつ。

・Moodyman / DJ-Kicks
デトロイト・ハウスのレジェンド、ムーディーマンによるミックスCD。スローな立ち上がりから色香が漂い立ち込める。延々と焦らしたあと、ビートダウンハウスで徐々に上げていく展開など、まあこのひとのセックス感なんだろうなと(笑)

◆Re Issue◆
・Fishmans / LONG SEASON: Live at 赤坂BLITZ 96.12.26
結成25周年を記念してリリースされた、フィッシュマンズのライブ盤。新たに施されたミックスの関係なのか不明だが、「男達の別れ」と比べるとゴツゴツとしてビート感が強く、勢いを感じるライブ。このリリースには感謝しかない。

・hyukoh / 22 (2015)
ホンデを拠点に活動する韓国のバンド、ヒョゴの2nd。「20」よりもロック色が強い。ボーカル、演奏とともに力強くなり成長を感じる(が音の好みは「20」の方だった)。フルアルバム・リリースを楽しみに待機中。

Get Down with James Brown : Live at the Apollo vol. IV
ファンクの帝王、ジェイムズ・ブラウンのライブ盤。1972年9月13・14日のNYはアポロ・シアターでの収録。前半のほとんどはThe J.B.’s、後半は Lyn Collins と Bobby Byrd のソロで、ほぼJBファミリーのライブなんだけど良い。

◆Song◆
・Chance The Rapper - All We Got
オープニングでこれ聞いた瞬間に名盤と確信。


・Chance The Rapper - Finish Line / Drown
そして多幸感はここで極まった。最後の歓声を聞くだけでも、チャンスさんアメリカではもう相当なスターなんだと分かる。動くチャンスさんがとてもかわいい。途中で入ってくるラッパーはNoName。


Vol.4 へ続く・・・
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# by bigflag | 2017-01-30 00:52 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2016年の音楽ベスト Vol.2

続いて、次点のアルバム10枚(順不同/アルファベット順)をご紹介。

◆Best 20◆
11. Bartosz Kruczyński / Baltic Beat
The Phanom名義でも活動するポーランドのバルトシュ・クルシェンスキによる自身名義での初作。森林浴感のあるニューエイジ・アンビエント。マリンバが鳴り始めたらお休みの合図で、2016年の眠りのお供の一枚だった。

12. Bruno Mars / 24K Music
ブルーノ・マーズの4th。”Uptown Funk” でBruno Mars知ったくらいなんだけど、あの流れを組む作品。24K Magicをはじめ、Chunky、Pem、Finessといったパーティミュージックは問答無用でブチ上がる。バラードはけっこう安っぽいw

13. C.O.S.A. x KID FRESINO / Somewhere
2人のラッパーによるコラボ作。C.O.S.A.の影響か、KID FRESINOのラップも言葉がはっきりと聞き取れるものが多く、キレもさらに鋭利に。スイングジャズを低速回転させたような "Swing at Somewhere ft.コトリンゴ" は秀逸で jjj の新境地。

14. Jamila Woods / Heaven
シカゴの女性シンガー、ジャミラ・ウッズのフリー作。セイブマネー周辺のアーティスト。アンニュイな声を生かした少し気怠い雰囲気の作風。ドニー・トランペット絡みの ”LSD”、”Holy” あたりが琴線に触れ過ぎる。

15. KANDYTOWN / KANDYTOWN
世田谷に拠点を置く総勢16名のヒップホップ・クルーによるメジャー・デビュー作。90sヒップホップのサンプリングマナーを継承した作風。イケイケでスタイリッシュなメンズたちによるアーバン・ミュージックでもあり、とても華がある。

16. Logan Richardson / Shift
Next Collective の「Cover Art」 にも参加していたアルト・サックス奏者による2013年録音作。Pat Metheny や Jason Moran などが参加。雄大でクールな空気感ながら演奏はタイトで熱い。”In Your Next Life” と “Slow” は特にすごい。

17. Mndsgn / Body Wash
サンディエゴ出身のプロデューサー、マインドデザインによる Stones Throw からの2作目。80年代ブギーと90年代R&Bを混ぜたらどんなものになるか想像しながら作ったとのことで、中毒性のある夢見心地なサウンドとなっている。

18. NoName / Telefon
シカゴの女性ラッパー、ノーネームのフリー作。セイブマネー周辺のアーティストで、プロデュースはCam O'bi。肩の力の抜けた平熱なラップでシカゴでの軽くて重い日常をフローしている。エレクトロニカ調のかわいいトラックが多い。

19. 宇多田ヒカル / Fantome
8年ぶりの6th。あなたとともにいるよ。という意志が通底している作品。あなたというのは母親の藤圭子だったり、自分の家族だったり、仲の良い友人だったり。リスナーにとっても、様々なひとの顔が思い浮かんでは消える。忘却すげえ。

20. 岡村靖幸 / 幸福
11年ぶりの7th。”彼氏になって優しくなって” で完全復活を確信。オープニングを飾るヘビーなファンク ”できるだけ純情でいたい” は、セルフカバーを続けていたような復活初期の姿とは比較にならない。新しい幕が開けた記念碑的な曲。

Vol.3 へ続く・・・
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# by bigflag | 2017-01-29 17:57 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)