Tim Buckley 「Happy Sad」 ('68)

Tim Buckley の 3rd アルバム。本作収録の "Buzzin' Fly" が、Everything But The Girl の Ben Watt 主催のレーベル名に採用されていたり、橋本徹のカフェ・アプレミディに選曲されていたり、あるいは、Pizzicato Five が "Happy Sad" という曲を作っていたりと、日本のクラブ・ミュージック・ファンとの接点も高い作品。

本作からジャズへの傾倒が始まり、前作 「Goodbye And Hello」 のようなサイケデリック・ロック色はほとんど消えている。メンバーの基本構成は、ティム・バックリィの他、ギター、ベース、ヴィブラフォンとなり、サウンドも静謐で室内楽的な雰囲気へと変化している。それに伴って、楽曲はシンプルなものへと回帰している (8分前後と尺こそ長くなっているが)。最高傑作というにはメロディが少し地味だが、諸作の中で最も音が古びていないのは本作ではないかと思う。特にレア・グルーヴの文脈で再評価された "Buzzin' Fly" や "Strange Feelin'" で聞ける穏やかで清涼感のあるジャズ・グルーヴはとても心地良く、現在でも十分に通用するものだ。

収録曲中、唯一の例外は "Gypsy Woman" で、怪しげに踊るマリンバやコンガ、ファンキーなベースやギターに乗せられて歌う、ティムの呪術的でフリーなヴォーカリゼーションには圧倒されてしまう。この時期の Tim Buckley は、Ornette Coleman にも強く影響を受けているそうなんだけど、それがすごくよく分かる。ただ、その影響はサウンド面よりも、むしろティムのヴォーカルに表れているのではないかと思う。(試聴



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by bigflag | 2009-02-01 22:03 | ・Rock / Folk | Comments(0)  

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