Evisbeats 「Amida」 ('08)
日本の音楽シーンにおいて、このようなエキゾ風味の強いごった煮の楽曲は、細野晴臣の3部作以来 (かどうかは分からないけど多分)、細々ながら根付いているサウンド。そして、エビスビーツの楽曲がその影響下にあることは容易に想像がつき、本人もまた細野晴臣からの影響を公言している。
ただ、そうしたエキゾ風味の強い楽曲の魅力もさることながら、柔らかな喜怒哀楽で表現された歌詞が素晴らしい。全てをエビスビーツが作詞していないとはいえ、肩肘の張らないスタンスで統一された歌詞をラップし歌う、エビスビーツやゲスト達の声はとても自然体だ。だからこそ彼らの言いたいことも、こちらへ淀みなく自然と伝わってくる。それはまた、エビスビーツの声のトーンが、日本人に聞き慣れたものだということも大いに関係していると思う。こういうヒップホップを僕はもっと聞きたい。ヒップホップが苦手という人にこそ聞いて欲しい作品だ。
by bigflag | 2009-10-04 23:10 | ・Hip Hop