2009年の漫画ベスト10

順不同で、作者の名前順です。

1. いくえみ綾 「潔く柔く」 (集英社 / Coockie / 11巻)

主人公・カンナを中心とした人間関係の輪に、いくつもの人間関係の輪が緩く重なり合う、オムニバス形式の群像劇。複数の人間による複数の視点によって、各登場人物の抱える悩みが優しく紐解かれていくさまは、もはやコミュニケーション曼荼羅。

2. 衿沢世衣子 「シンプルノットローファー」 (太田出版 / クイックジャパン / 全1巻)
女子高を舞台にした何気ない日常をユーモラスに描いた作品。この人の女性キャラは、作者の小ざっぱりした性格がすごく出ていて好き(つまり、そういうひとが好みなのですw)。女子高出身者って、けっこうそういう性格のひと、多い気がするなあ。

3. きらたかし 「ケッチン」 (講談社 / ヤングマガジン / 1巻)

中学卒業をきっかけに別々の進路をいくことになる、幼馴染3人を中心とした青春物語。きらたかしは内気なD.T.男子を描くのが本当に上手い。1巻にして早くも 「赤灯えれじぃ」 を凌ぐ傑作になりそうな予感。
4. 末次由紀 「ちはやふる」 (講談社 / BE LOVE / 7巻)

競技かるたを題材にした部活マンガ。各登場人物たちが競技かるたに魅せられるきっかけから、徐々にのめり込み努力していく過程がとても丁寧に、そして熱く描かれている。羽海野チカの 「3月のライオン」 とともに、いま読者を最も熱くさせるマンガ。

5. 東村アキコ 「ママはテンパリスト」 (集英社 / コーラス / 2巻)

作者の子育てマンガ。作者の父・健一に負けず劣らず、息子・ごっちゃんも強烈なキャラクターの持ち主。お気に入りは鬼の話。青山の青鬼に、赤坂の赤鬼にと最高すぎる(笑)。それはそうと、「ひまわりっ」 の最終回へ向かう暴走っぷりはすごかったなぁ。あと、「海月姫」 も期待通りの面白さ。

6. 細野不二彦 「電波の城」 (小学館 / スピリッツ / 9巻)

謎多きフリーのアナウンサー・天宮詩織がテレビ業界で成り上がっていく話。博識な作者らしい大小さまざまなネタを織り交ぜた、ケレン味のあるセリフ回しが楽しい。ヒロインの謎が少しずつ明かされるにつれ、ストーリーも加速中。

7. 堀尾省太 「刻刻」 (講談社 / モーニングツー / 2巻)

佑河家と宗教団体・真純実愛会に代々伝わる”止界術”を巡るサイキック・サスペンス。普通に過ごしていた家族が突如として、超能力バトルに飲み込まれてしまう怒涛の展開からは目を話せない。超能力は瞬間移動のようなオーソドックスなものから、スタンドのようなものまで幅広そうな感じでスリリング。

8. 柳沼行 「ふたつのスピカ」 (メディアファクトリー / フラッパー / 全16巻)

祝完結! 宇宙飛行士を目指す5人の高校生たちの成長を描くSFファンタジー。登場人物たちのとりとめのない気遣いから、時に過ぎるお節介まで、ひとコマひとコマに優しさと暖かさが溢れている作品で、もう絵を見るだけで涙腺が緩んでしまうほど(笑)。この作品でそれだけ涙しました。

9. 幸村誠 「ヴィンランド・サガ」 (講談社 / アフタヌーン / 8巻)

11世紀初頭のヴァイキングを描いた叙事詩。連載当初から楽しんで読んでいたが、クヌート覚醒以後のアシェラッドの生き様にはヤラれた。あれぞ漢(オトコ)ですよ。

10. 羅川真里茂 「しゃにむにGO」 (白泉社 / 花とゆめ / 全32巻)

祝完結! テニスを題材にした部活マンガ。主要な登場人物の中でも、とりわけ内面が丁寧に描かれていた留宇衣、ひなこ、駿の3人の造形は見事。途中何度もヤキモキさせられたけど(笑)。テニス漫画の金字塔!!


2009年に完結した作品といえば、やはり二ノ宮知子の 「のだめカンタービレ」 でしょうね。画面から音楽が聞こえてくるってことも大切だろうけど、この作品を読むと音楽を聞きたくなるってことが何よりも素晴らしいと思います。食わず嫌いだったクラシックも少しずつ手を出してる最中。あとは、惣本蒼の 「呪街」 も完結。最後のひとコマまで緊張が途絶えない傑作だった。

あと、不定期連載(イブニング)のため遅々として話が進まないが、松本剛 / 愛英史による 「しずかの山 -真実の山・アンナプルナ-」 も楽しみにしている作品のひとつ。
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by bigflag | 2010-02-02 00:51 | ・マンガ | Comments(2)  

Commented by cassavetes69 at 2010-02-02 01:27
いくえみ綾という名前を久々に目にしました。姉の別冊マーガレットを熱心に読み込んでいた'80年代前半を鮮明に思い出しました。
Commented by bigflag at 2010-02-03 01:09
>cassavetes69さん
80年代前半ですか。いくえみ綾も相当なベテランですもんね。僕は90年代後半以降の作品しか読んだことないんですけど、このひとの描く男子にはどことなく親近感を覚えて好きなんです。

マーガレットでベテランといえば、最近のくらもちふさこも凄いですよ。大ベテランながら実験を繰り返している 「駅から5分」 は一読の価値ありです。20年振りに手に取ってみてはいかがでしょう?(笑)

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