Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.4

特集の一回目に、久保田利伸は現在進行形で流行っているブラック・ミュージックが好きと書きましたが、1988年当時、最も流行っていたブラック・ミュージックとは何だったのか。それは、Teddy Riley によって生み出された、ニュー・ジャック・スウィング(NJS)と呼ばれる音楽です。NJS を端的に説明すると、シンセサイザーやリズムマシンが導入されたブラック・ミュージック、いわゆるブラック・コンテンポラリー(ブラコン)に、ヒップホップのビート(らしきもの)を取り入れたサウンドのことを言います。つまり、NJS の登場によって、ソウルやファンクとヒップホップの邂逅の先鞭がつけられ、現在、R&B と呼ばれる音楽の下地が用意されたわけです。

NJS を一躍メジャーに押し上げた作品といえば、全世界で1000万枚以上を売り上げたという Bobby Brown の 「Don't Be Cruel」('88) です。Bobby Brown の作品で、Teddy Riley のプロデュース曲といえば "My Progressive" になりますが、テディ・ライリーが全面プロデュースしていた Guy の "Groove Me" の方が、ヒップホップのビート感が出ていて格好良いと思います。また、Bobby Brown の曲だと、Baby Face プロデュースによる "Every Little Step" のナンパな感じが好きです(笑)。それにしても、この頃のブラック・ミュージックは軽いですねえ。

   

こうした NJS のムーブメントに、久保田利伸も当然のごとく乗っかっていました。前回散々紹介した 「Such A Funky Thang!」('88) に収録されている "Drunkerd Terry" という曲と、"Give You My Love"('90/「The Baddest II」 収録)が、久保田流のNJS です。前者は NJS そのままのビートを拝借していますが、後者では久保田がリスペクトする、ZAPP のようなトーキング・モジュレーター使いを取り入れるなど、NJS を自身の音楽として消化した、よりファンキーな楽曲へ変貌しています。ただ、本家とは違って、ヒップホップのビートはあまり意識されていないとも感じます。とはいえ、最新のビートを軽々と、しかも日本語で歌いこなす卓越したリズム感には驚かされます。

   

[PR]

by bigflag | 2010-05-02 16:39 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

<< Such A Funky Th... Such A Funky Th... >>