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スペイン vs オランダ (1-0)

決勝トーナメントが進むにつれて放送時間も遅くなり、けっこうフラフラでしたけど(笑)、サッカー・ファンにとっては至福のひと月でした。最後の決勝戦は両チームともに初優勝をかけた試合であり、また、気候条件もさほど厳しくなかったため、ここ数大会では一番白熱した試合だったように感じました。では、試合を振り返りたいと思います。

試合序盤はスペインのボール回しが軽快で、準決勝までのように試合を支配するのかと思いきや、試合が進むにつれて、ファウルも厭わないオランダのフィジカル・コンタクトを伴なう守備が効果を発揮し始め、スペインも簡単にボールを繋げなくなります。「美しく勝利せよ」 というクライフの格言など完全に無視して(笑)、オランダはただ愚直に勝利を渇望しているようでした。前半は、削るオランダとボールを前へ運べないスペイン、といったプレーが繰り返される、やや膠着気味の展開でした。

後半に入ると、膠着状態を打破すべく、スペインはペドロに替えて、ヘスス・ナバスを投入しました。この投入が当たり、ナバスが右サイドでドリブルをしている間に、ラインを押し上げられるようになり、シャビ・アロンソなど中盤の選手が前線へランニングする時間を作ることができるようになりました。スペインは高い位置で起点を作れるようになり、高い位置でのパス交換など、スペインらしさが出始めました。

ただ、スペインのラインが高くなると、当然、オランダからカウンター・アタックを受けるリスクも増加します。この日のオランダは、ロッベンがキレの良い動きを見せており、スペインの脅威となっていました。試合を通じて、2度の決定機を迎えたロッベンが一度でもゴールを決めていれば、オランダが90分のうちに勝利していたと思います。スペインもナバスが決定機を作りましたが、そのチャンスをビジャが決めきれず、試合は延長戦に持ち越されます。

延長に入ると、運動量が目立って落ち始めたオランダに対して、逆にスペインは後半終了直前に投入されたセスクを中心にボールが回り始めます。さらに、バイタル・エリアを抑えていたデ・ヨンクが交替し、ハイティンハが退場したことでファン・ボメルが最終ラインに下がると、オランダは守備が機能しなくなりました。これらの要因が重なって、延長後半終了直前の、あのイニエスタのゴールに繋がったと言えます。しかし、ユーロ2006以上にタフさを身につけていたスペインには驚きました。代表やバルサで頂上を経験したことは、やはり選手にとっては非常に大きな財産となっているんでしょうね。

by bigflag | 2010-07-14 19:16 | ・サッカー / 国際試合  

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