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2011年の漫画ベスト10

順不同で、作者の名前順です。

1. アダチケイジ 「グラゼニ」(講談社 / モーニング / 3巻)

原作は森高夕次。プロ野球におけるシビアなヒエラルキーについて、年俸の格差をダシにして描いた野球マンガ。連載当初こそ年俸格差というフックに頼っていたが、週間連載に移行する前後くらいからは、年俸の格差の裏に潜む悲喜こもごもを濃密に描写するようになり、見事にテイクオフ!!

2. 新川直司 「四月は君の嘘」(講談社 / 月刊少年マガジン / 2巻)

元・神童ピアニストの男子中学生が主人公。同い年のヴァイオリニストのヒロインとの出会いがきっかけで、再びピアノと向き合い始める音楽もの。前作「さよならフットボール」でもそうだったけど、内気な男子が元気な女の子にフックアップされるという構図。つまり、アゲマンの話です(笑)。「3月のライオン」が好きなひとは是非。

3. 荒川弘 「銀の匙」(小学館 / 週刊少年サンデー / 2巻)

農業高校を舞台にした酪農青春もの。作者の実家が酪農してるだけあって、日々の労働の描写がとてもリアルで、「鋼の錬金術師」のオートメール整備のシーンなんかがデジャヴする。働くひとを描くのが好きなんでしょうね。日々よく悩みよく働く。とても豊かなことだと思います。

4. 荒木飛呂彦 「スティール・ボール・ラン」(集英社 / ウルトラジャンプ / 全24巻)
祝完結! 凡人には何が起こっているのか理解できないシーンもあるけれど、登場人物たち全員が自分に課せられた運命/宿命を乗り越えていこうとする姿に相変わらずブレはない。青年が大人の男になるという点では、第一部以来の成長っぷりだったと思う。第8部「ジョジョリオン」も楽しみ。

5. 今井哲也 「ぼくらのよあけ」(講談社 / アフタヌーン / 全2巻)

西暦2038年の日本が舞台。28年前に地球に落下した人工知能を宇宙へ返そうとする少年少女たちの話。未来の話なんだけど、"あの日あの夏"というノスタルジーを喚起させる仕掛け(団地とか)も十分で、オトナ向けのジュブナイルですね。こういう話やっぱ好きです。

6. 太田モアレ 「鉄風」(講談社 / good! アフタヌーン / 4巻)

主人公は身体能力抜群の女子高生・石堂夏央。帰国子女・馬渡ゆず子との出会いがきっかけで、総合格闘技の世界に足を踏み入れる。凡人の気持ちが分からない天才というスタンスで主人公が描かれてるんだけど、ゆず子の方がよっぽど天才だろってな内容に(笑)。ここからの展開が楽しみ。

7. 平野耕太 「ドリフターズ」(少年画報社 / ヤングキングアワーズ / 2巻)

歴史上の人物がベルセルク的な異世界に迷い込み、そこで合戦を始めるという国盗り物語。主人公(当主)は島津豊久。参謀は織田信長。禍々しい世界観と加速感のある戦闘シーンが非常にスリリング。いま一番面白いマンガのひとつ。

8. 安彦良和 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(角川書店 / ガンダムエース / 全23巻)
祝完結! 個人的には、「シャア・セイラ編」に始まる一年戦争開戦前史など政治背景を丹念に描いたところが嬉しい驚き。一方、ア・バオア・クーでのアルテイシアの反乱は不必要だったのではなど複雑な思いもあったり。ではありますが(笑)、十年余もう十二分に堪能させていただきました。

9. 山口貴由 「エクゾスカル零」(秋田書店 / チャンピオンRED / 1巻)

「覚悟のススメ」の続編。主人公は前作と同じ葉隠覚悟。とはいえ、物語の価値観は、「シグルイ」で見せたものと地続きの空気感。山口貴由という漫画家の集大成となるのか。

10. 山田穣 「がらくたストリート」(幻冬舎 / 月刊BIRZ / 2巻)

3年ぶりの新刊。小学生を中心とした登場人物たちによる日常系コメディ。なんだけど、宇宙人やら精霊などフツーでないものが、登場人物たちと普通に絡んで(会話して)いる、なんとも不思議で緩い世界観が楽しい。主人公であるリントの無敵っぷりも乙。マニアックなネタが放り込まれているが、マニアックな知識がなくても問題なし。


◆復刊◆

・藤子・F・不二雄 「チンプイ」(小学館 / 全2巻)

祝復刊! マール星の王子・ルルロフ殿下のお妃候補・春日エリちゃんとマール星人・チンプイによる、ちょっと不思議な日常コメディ。F先生の黄金パターンに外れなし。チンプイの造形のかわいさは、数あるF作品の中でも屈指!!


以前、ベストにあげたもので加速しているのは、細野不二彦の「電波の城」。聖レムリア教団事件がいよいよ解明されようとしていて非常にスリリングな展開。完結といえば、東村アキコの「ママはテンパリスト」。さよなら、ごっちゃん、楽しかったよ(笑)。最悪の出来事は、木村紺「からん」の打ち切り。もう本当に残念極まりない。思い出すだけで腹が立つ。

by bigflag | 2012-01-30 01:14 | ・マンガ  

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