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パリ、テキサス / Paris, Texas ('84 西ドイツ/フランス)

監督 : ヴィム・ヴェンダース
出演 : ハリー・ディーン・スタントン (トラヴィス)、 ナスターシャ・キンスキー (ジェーン)、
     ディーン・ストックウェル (ウォルト)、 オーロール・クレマン (アン)、
     ハンター・カーソン (ハンター)

ある日、ウォルトの元に一本の電話が来る。それは4年間、行方不明になっていた兄トラヴィスの
居場所を知らせる電話だった。4年間の失踪の間に心身を喪失していたトラヴィスだが、
失ったものを取り戻すため、弟夫婦に育てられていた息子とともに妻を探す旅に出る。

集中力のない僕にとって、2時間を越える映画はかなり辛いものがある。なので、この映画も
途中で少しダレながら見ていたんですけど、マジックミラー越しにトラヴィスがジェーンに
語りかけるところは、ダレてくの字に曲がっていた背筋がスッと伸びる印象的なシーンでした。

ジェーンを好きになり過ぎて、片時も離れたくないと思い、仕事を辞めてしまう。が、金に困る。
そうなれば仕事はするけど、自分がいない間に浮気をされていると思い込む、果ては暴力を振るう
という悪循環に陥ってしまい、夫婦生活は破綻する。これが失踪の原因なんだけど、
好きな相手と過剰に一体化しようとすることが間違いであると、昔のトラヴィスは
気付けなかったんですねえ。要は相手を独立した人間として認めることが出来なかった。
だから相手に対する深い愛情が逆に仇となって、相手を深く傷つける結果となり、
相手を傷つけていることに気付くと、自分も傷ついてしまった。

ラストでトラヴィスは妻と子を再会させながらも、自分は何処かへと去ってしまいますが、
まだ自分の「あるべき姿」というものを確信できていないからでしょう。(*)
まあ、また戻ってきて上手くいくとも思えないが。。。

*弟夫婦が雇っているメイドに「どうすれば父親らしく見えるか」と聞いてたのが象徴的です。

同じ車に拘ったり、飛行機に乗ることを嫌がったり、靴と靴の裏を合わせるシーンの意味が
もうひとつよく分からなかったんですけど、ここを見て納得しました。あとテキサス州にパリが
あることを、この映画を見て初めて知りました。
 長い黒髪の時の方が好きかな。ナスターシャ・キンスキーのことです。

by bigflag | 2005-05-05 23:14 | ・映画 - ヨーロッパ  

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