A Certain Ratio 「To Each...」 ('81)
サウンドの骨子は、激しくダブ処理されたパンク+ファンクという組み合わせ。リズミカルに叩いているドラムやパーカッション、跳ねまくるチョッパーベースが作り出している前のめりなグルーヴを台無しにするかのようなイアン・カーティスそっくりの暗いボーカル、波形に歪んだギターノイズ、エコーを効かせまくったトランペット。しかし、それがいわゆる普通のノリの良さとはまた少し違った、聞いているとクラクラするような独特のグルーヴを生んでいる。また、天才プロデューサー、マーティン・ハネット特有の霞みがかかった音処理が仄暗さ漂う雰囲気を作り出していて、妖しくて最高に格好良いサウンドになっている。
以前に紹介した 23 Skidoo もそうなんだけど、このニュー・ウェイヴ期のファンクってのは、もうハッタリやら毒がてんこ盛りで、最後にアウトプットされる音がメチャクチャ格好良い。全体的には不器用なのに、音の折衷感覚だけは異様に研ぎ澄まされているってところが、あの時期に先鋭的だったバンド皆が持つ特徴ですね。(試聴)
by bigflag | 2006-01-11 01:35 | ・Experimental