Linton Kwesi Johnson 「Forces Of Victory」 ('79)

LKJ こと リントン・クウェシ・ジョンソンは、ジャマイカ生まれ・ロンドン育ちというジャマイカ移民で、ダブ・ポエトリーという音楽表現を武器に、サッチャー政権の移民に対する政治的抑圧に対抗した第一人者である。感情を押し殺すかのように抑揚なく朗読する LKJ のヴォーカル・スタイルは、虚飾のない怜悧な現状報告書といった趣きで、感情を剥き出しにしてがなり立てられるよりも、よほど耳に重く響く。音もまた当時の世相を反映した重く暗いサウンド。

LKJ の親友でもあり、相棒でもある Dennis Bovell(デニス・ボーヴェル) が、ディレイを控えめにかけながら、音に奥行きと渇きを与えるダブ・ミックスしている。次作 「Bass Culture」 も必聴の名盤だが、より音数の少ない本作の方が、音の醸し出す緊張感は上。悲哀の漂う John Kpaiye のギターと Rico のトロンボーンが奏でるメロディは、イギリスの鬱屈とした曇り空を想像させる名演。「Reality Poem」 は、抑圧された人々の負の感情すべてを引き受けるようなギターのフレーズが切ない。まさに永遠の名曲。アルバムを通して聞ける異常に渇いたパーカッションの音も非常に印象的。(試聴
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by bigflag | 2006-03-12 21:36 | ・Reggae / Dub | Comments(0)  

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