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Ian O'Brien 「Gigantic Days」 ('99)

奇病 「マッド・マイク病」 を超克したイアン・オブライアンの記念すべきセカンド・アルバム。デトロイト・テクノのフォロワーらしい浮遊感のあるシンセ音は健在で、そこへ大胆にファンクやジャズを取り入れて作り上げた傑作。

宇宙空間を音で表現したというよりは、宇宙飛行士が持っていそうなロマンティックな感性や力強い冒険心をイメージさせる音で、ポジティブな宇宙観が特徴である。コズミックな音楽というと、トリップ・ミュージック的な要素の強いものが多いんだけど、このアルバムはそういった要素はあんまりなくて、聴後にスカッとするような気持ち良さがある。そして、この気持ち良さは、作るのに一体どれだけの時間をかけたんだ!?、というキレの良いブレイクビーツ群が導いてくれるもので、至高の職人芸。

サウンド・ビジョンは、As One の 「Planetary Folklore」 と Weather Report 、ファンク・ビートは Stevie Wonder の 「Black Man」 あたりからの影響を感じさせる。シンセ音はデトロイト・テクノ。本作はこれらの要素を軸にして、独自の宇宙観で再構築した一大宇宙抒情詩である。M4 「Natural Knowledge」 がお気に入り。(試聴

by bigflag | 2006-04-13 00:35 | ・Club Music  

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