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Hermeto Pascoal 「Slaves Mass」 ('77)

エルメート・パスコアルはブラジル人の音楽家。ジャンルで言うと、ジャズ。しかし真っ当なジャズ・ミュージシャンというよりも、頭に奇才だとか変態だとかの形容詞がつくミュージシャンだ。それは盲目かつアルビノという本人の出自も何らかの関係があるのかもしれない。また、その音楽に限らず、見た目も凄い。歩く時間帯を間違えれば、職務質問されてもおかしくない。毎晩、職務質問されてもおかしくない。それくらい強い印象を受ける。マルチ・インストゥルメンタリストである彼は、本アルバムで鍵盤だけでもピアノ、エレピ、クラヴィネット、メロディカ(ピアニカのこと)を弾いている。他にソプラノ・サックスにフルートなど。

77年という時代がそうさせたのか、このアルバムはフュージョン色が強い。中にはロック色の強い曲もある。参加ミュージシャンも Weather Report に参加していたアルフォンソ・ジョンソン、Return To Forever に参加していたフローラ・プリン、その両方に参加していたアイアート・モレイラらの名が連なっている。しかし、割と真っ当なブラジリアン・フュージョンでもエルメートがやると何処か妖しくなる(笑)。

お経のようなコーラスがグルーヴする M2 「Slaves Mass」 やフルートと何か動物か虫の鳴き声のようなものが絡みあう M4 「Cannon」 は、パスコアルならではの唯一無二の音楽。鳴き声が効果音として使われているのではなく、ちゃんと楽器になっているのが凄い。そこが凡百の音楽家とは違う。何の音なんでしょう、これ? しかし、お倉入りしていたという M8~10 も驚きのクオリティ。(試聴

by bigflag | 2004-10-20 19:13 | ・Brasil / Africa  

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