Gerardo Frisina 「Hi Note」 ('03)
サンプリングをせずに作ったということなんだけど、それが信じられないくらい全てサンプリングで作られていそうなラテン・ジャズ風の nu jazz。悪い意味で取られるかもしれないけど、何処かで聞いたことのあるラテン・ジャズのフレーズが多用されていている。そのため、スムースで耳馴染みが良く、非常にフロア映えする音に仕上がっている。このサンプリング風味のジャズ、軽く腰に来る分かり易いビート感覚は、ミュージシャンとしてよりもレコード・ディーラー兼DJとしての活動の方が長いという、その経歴ならではと感じさせる。
しかし、これだけラテン・ジャズのクリシェを使っても、全く黒くならないんだよな~。ラテン・ジャズ趣味が目立っても、やっぱり根っこはユーロ・ジャズってことなんだろうな。反復するベースラインに乗って、テナーサックスとトランペットがキザにブロウする M1 "Inviolatin" の格好良さや M3 "Bluesanova" で聞けるようなエレガントさは、まさにヨーロッパならではのもの。3rd 「The Latin Kick」 への序章とも言える M7 "Cubana" はラテン趣味全開の名曲。(試聴)
by bigflag | 2007-05-08 23:56 | ・Jazz / Latin