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Ricardo Villalobos 「Fabric 36」 ('07)

リカルド・ヴィラロボスは、チリ生まれ・ドイツ育ち(3歳の時に移住)のクリック/ミニマル・クリエイター。本作は人気の DJ Mix シリーズで、全曲がミキサー本人の曲というのはシリーズ初だそう。

ミニマル・テクノにある強い機能性、それが損なわれていたり、歪んでいたりするのが、Villalobos の曲の特徴。また、そのことが Villalobos の曲に感じられる妙な色気や毒気の源泉となってもいる。気の抜けたポコポコとした音で淡々とリズムを刻み、その上にひと癖あるメロディやボーカルなどが乗る。そういう曲が多い。フレームは全く異なるが、音数が少なく、音と音の隙間の鳴りまでをも計算した音作りは、ルーツ・ダブと通ずる魅力がある。

和太鼓と女性の声がサンプリングされた M9 「Andruic & Japan」 の飛びっぷりがスゴい。和ものを使うと、どうしてもエキゾ趣味のようなものが出てしまうんだけど(それが良い場合もあればそうでない時もある)、この曲ではそういったものが全く感じられない。どうも和太鼓を鑑賞する女性のお喋り、というのがこの曲の設定らしい(?)。つまり、曲を構成する要素そのものに、エキゾ趣味を持たせている、という構図。チリのロックバンド Los Jaivas のカバー曲(M14)も呪術的グルーヴがあり、この2曲の存在感が際立っている。(試聴

by bigflag | 2007-12-02 01:04 | ・Mix CD  

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