一十三十一 「Synchronized Singing」 ('05)
一十三十一の曲は、彼女のボーカルが個性的ということもあり、風変わりに聞こえるかもしれないけど、意外とそんなことはなくて、正しくポップスしてる。ロック、ソウル、レゲエ、タンゴ、ジャズ、テクノなど様々な音を自身のポップ・ソングの中に消化し、そして各々のグルーヴ感を損なうことなく再構築する手腕は、将来のポップス職人を予感させるほど。歌詞は言葉遊びも多くて、ナンセンスな感じだけど (彼女の中では意味のあることかもしれないが)、フワフワとした軽やかさがあり、その個性的な声と相まって、曲のみならず歌そのものにグルーヴが宿っている。
M2 「キラメキ movin' on」 から M5 まで、テクノ、AOR、歌謡曲ソウル、ロックと 手を変え品を変えながら良曲を連発。ワンコードのベースが走る M5 「ドキュンと胸騒ぎ」 は特に格好良い。あとは、カバー曲もすごく良い。吉田美奈子の 「時よ(山下達郎バージョン)」 は御大二人と比べると、さすがにボーカルは落ちるんだけど、Cicada のエレクトロ・トラックが地味ながら変態的で秀逸。もう一つは、スマパンの 「Beautiful」。選曲は意外ながら、原曲の繊細なグルーヴ感を最大限に生かした好カバー。不思議なトリップ感のあるポップス集。sakusaku 出演時の映像も視聴可。(試聴)
by bigflag | 2008-04-20 22:37 | ・歌謡曲 / J-POP