久保田麻琴 「Bali Dream」 ('08)
バリ島ということなので、音の中心となるのは、やはりガムランの奏でる幻想的なメロディ。そして、ケチャや伝統歌、フィールド・レコーディングされた自然音など、バリ島と言われて思い浮かぶ音も当然のごとく収録されている。そして、本作が面白いのはここから先のこと。バリ島の伝統音楽の旨味をさらに引き出すために、ブレイクビーツなどのエレクトロニクス、お隣はジャワ島のガムランからベトナムのダン・バウ(一弦琴)、ブラジルのパンデイロ、果てはハワイの波音まで、ごく自然に取り入れている。
収録曲のほとんどがアンビエント、チルアウト的なんだけど、例外が一曲。I Wayana Balawan(イ・ワヤン・バラワン)というインドネシア人ギタリストをフィーチャーしたアルバムのタイトル・ソング。これがまた格好良い。ガムランとは対照的な土臭くブルージーな演奏であるにも関わらず、違和感が皆無。ガムランの音をファンキーに変容させるギターのグルーヴが凄い。バラワンは、ジャズとバリの伝統音楽をミックスした音楽をずっとやっている人だそうで、これだけの曲に仕上がったのも肯ける。この二人でコラボして、アルバム一枚作ってくれないかなー。
by bigflag | 2008-08-28 22:37 | ・Exotic / Ethnic