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K-1 WORLD MAX 2008 決勝戦

<ユーリ・メスvs 小比類巻太信>
一年ぶりの試合ということもあって、小比類巻は試合勘が鈍っており、相手との距離を上手く取ることができなかった。詰めてインファイトしてくるメスに対して、前蹴りや膝で距離を取りたいところだったが、逆にカウンターを膝に合わされて、タコ殴り状態になってしまい、最後はKO負け。収穫は以前のように簡単に心が折れることなく、最後まで戦えていたことくらいか。これも改名の効果?笑

<アルバート・クラウス vs 城戸康裕>
城戸はハードパンチャーのクラウスと果敢に打ち合っていたが、打ち合いが続くと下がらされるような感じだったので、カットによるTKO負けとはいえ、結果は妥当なものだった。ベスト8の壁を破るには、まだ時間が必要か。

<魔裟斗 vs 佐藤嘉洋>
最近の格闘技では珍しく点と点が線になっている注目の一戦。こういう試合は見る方の緊張感が違う。1Rは魔裟斗が攻勢をかけるが、佐藤も冷静に対処するという互角の立ち上がり。2Rに入ると、佐藤も前へ出始める。それに合わせて魔裟斗も打ち合いに応じて、左ジャブや右アッパーをヒットさせ、流れを持ってくる。3Rはさらに打ち合いが激しくなる。すると序盤に佐藤の右フックが4回ほど魔裟斗を捉えダウンを奪い、一気に形勢を変える。ところが、魔裟斗はラウンド終盤で起死回生の攻勢をかける。ここで3Rが終了。佐藤の奪ったダウンは、魔裟斗の左のガードが下がる癖を狙ってのもの。明らかに研究してましたね。

個人的には魔裟斗の終盤における攻勢が、ポイントを 「8-10」 から 「8-9」 へ変えるほどではなかったと思ったものの、ドロー判定になるのは目に見えていた(笑)。おそらく佐藤陣営もそれは分かっていたはず。で、案の定、延長戦に入る。その延長戦の勝敗を分けるのは、心と体のスタミナ。それをともに持っていたのは、やはり魔裟斗だった。

<アルトゥール・キシェンコ vs アンディ・サワー>
地上波観戦なので、3R以降の感想。3Rから見る限りでは、サワーの打撃にキレや力をあまり感じない。どこか淡白。試合そのものは互角だったけれど、そのことがジャッジの判定に影響を与えたのではないかと思う。

<魔裟斗 vs アルトゥール・キシェンコ>
立ち上がりから、お互いにかなり消耗しているのが見て取れる。魔裟斗は体そのものがボロボロという感じで、キシェンコは左足が特に傷んでいるようだった。1年前の決勝戦と同じように、魔裟斗は1Rから攻勢をかける。今回はあの時ほど消耗は酷くなかったので、何とかなるだろうと思って見ていたら、2R目でこの日2度目のダウンを喫する。佐藤戦と同じく左のガードが下がったところを狙われた。しかも腰から崩れるようなダウンで、佐藤戦のダウンよりも遥かにヤバい倒れ方。正直、もうこれはダメかと思った。しかし、またしても魔裟斗はここから起死回生の攻勢をかける。打たれ強いというよりも、回復力が凄い。そして、ジャッジも再びポイントを 「8-10」 から 「8-9」 へ修正。魔裟斗でなければこの採点はありえないが、佐藤戦よりはまだ納得のいく反撃だったことは確か。

3Rは互角の展開で、両者ともにこの日2度目の延長戦。ここからは佐藤戦の繰り返しになるが、延長戦における勝利への鍵を持っていたのは、この試合でもやはり魔裟斗だった。しかし、ホントに魔裟斗の戦い方は連戦には向いてないよなー。他の選手と比べると、身長が低く手足も短いから、インファイトをせざるをえない。しかも相手を倒しに行っているから、かなりリスクの高い戦法。観客を魅せた上で勝つ。これを本気でやっている選手ってのは、やっぱり凄い。

疑惑と言えなくもない判定が2つありましたけど、MAXを背負っていると言うだけのことはある試合を見せてくれたんじゃないでしょうか。八百長とかそういう文句はないです(笑)。そもそも日本の格闘技興行って、だいたいがそういう感じですからね。主催者に贔屓をしてもらえる立場になったこと、またその立場が揺らぐことのないよう研鑽を日々積んでいること。この日の優勝はその集積だと思います。

<K-1甲子園>
日下部竜也、この子はHIROYAより才能あるんじゃないでしょうか。素早いフットワークから、右フック、右ロシアン・フック、左ハイと繋げてKOを奪ったシーンは凄かった。全部これ狙ってやってましたからね。HIROYAに比べると、まだ体は全然できていないから、現時点では厳しいかもしれないけど、将来的にかなり期待できそうな逸材。そんな兄貴に向かって、「年が同じなら絶対に勝てる」 と自信満々に言い切っていた妹も印象的。何かツンデレっぽい子だった(笑)

by bigflag | 2008-10-02 18:49 | ・格闘技 - 打撃系  

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