カテゴリ:・音楽 - 年間ベスト( 57 )

 

2009年の音楽ベスト Vol.6

第6弾は、リイシューされた作品のベスト。これで最後です(笑)。長いこと付き合ってくれた方、ありがとうございました~。

◆Reissue◆
 ・B12 / B12 Records Archive Volume 6 ('93-'94)
93年に400本限定のカセットでリリースされ、その後500枚限定でCD化された幻の作品 「Prelude Part 1」 に、93~94に制作された未発表音源を加えたアルバム。Warp の Artificial Intelligence シリーズが好きな人はマスト。クリスタルのような輝くを持つ、美しいピュア・テクノの数々に涙。

 ・Durutti Column / Four Factory Records ('80-'84)
Factory Records からリリースされた初期4作に、未発表ライブ/スタジオ音源を加えた6枚組のボックスセット。Vini Reilly の抱える喪失感をもっとも美しく、そして幽玄に表現していた時期の作品群だけに、そのどれもが素晴らしい。繊細なガラス細工のようなメロディに胸を鷲掴みにされる。

 ・Kraftwerk / Der Katalog ('74-'03)
いつかリマスター盤が出ると思って、これまで彼らの作品を買わずにいた自分を褒めたい(笑)。長いこと待っただけのことはある非常に豪華な (高価でもあるw) 8枚組のボックスセット。実はドイツ語版を聴くのは初めてで新鮮に聞けております。LPサイズで堪能できるアートワーク含め絶品!!!

 ・Milva & Astor Piazzolla / Live In Tokyo 1988
ピアソラ最後の来日ツアーの記録の完全盤。ピアソラは元よりアルゼンチン・タンゴに関しては初心者の域を出ないため、ピアソラの経歴の中で本作がどのような位置づけにあるのか分からないけれど、Fela Kuti 晩年の名盤 「Underground System」 と同種の凄みある円熟の芸を感じる。

 ・Mr. Scruff / Keep It Unreal ('97)
Ninja Tuneからリリースされた 2nd アルバムに、発売当時の未発表曲をボーナス・ディスクとして加えたもの。クールなジャジー・ブレイクビーツが次々と流れていく中、ときおり挟まれる愛嬌のある楽曲の存在が愛しい。自作のポテト・キャラクターを使って、装いを新たにしたジャケットがとてもキュート。

 ・Tera Melos / Drugs + Complex ('07)
2007年にリリースされていたEP2枚をカップリングしたもの。「Drugs To The Death Youth」 に収録されていた、爆走する変態マスロック調の楽曲がやはり彼らの魅力。今年の春にリリースされるらしい 2nd アルバムが非常に楽しみ。

 ・菊地雅章 / Re-confirmation : 再確認そして発展 ('70)
昨年、SHM-CDとして再発された中の一枚。新主流派的ジャズとエレクトリック・ジャズが攻めぎ合うようなサウンドが聞ける。この時期のジャズが持つただならぬ空気感は本当に刺激に満ちている。今回の再発盤は全部集めたいくらいだけど、お金が…

 ・日野皓正 / May Dance ('77)
Tony Williams と Ron Carter をリズム・セクションに、そして新人ギタリスト、John Scofield を迎えた日野のワンホーン・カルテット。演者4人がひたすらガチンコ勝負したストレート・アヘッドなジャズ。ジャズが生来持つ躍動感に溢れた作品。

 ・細野晴臣 / Omni Sight Seeing ('89)
細野さん得意の世界各国のごった煮サウンドを楽しめる作品。作中に ”夢の淵の扉開き” という歌詞が出てくるんだけど、夢の中で夢を見ているような、多層的でシュールなトリップ・ミュージックに仕上がっている。中でも Duke Ellington の "Caravan" のカバーは秀逸。思わず唸った。

 ・松田聖子 / Pineapple ('82)
昨年、Blue-Spec CDとして再発された作品を色々聞いてみたけど、さすが最強のアイドルと言われるだけのことはある。集まってくる楽曲の質の高さに驚き。数あるアルバムの中から一枚を選ぶとすれば本作。これが最高傑作でしょう。


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by bigflag | 2010-01-27 00:41 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(2)  

2009年の音楽ベスト Vol.5

第5弾は、ミックスCD とコンピレーションのベスト。

◆Mix CD◆
 ・DJ Nobu / Last Call Mix Vol.3 -Sweet After Hours-
序盤、スピリチュアル・ジャズやブレイクビーツ、ソウル、カリプソなど雑多な音を黒一色でまとめつつ、ディープ・ハウスを中心に深く潜る中盤以降の展開がかなり気持ち良い。2009年のベスト・ミックスCD!


 ・Hiroshi Watanabe / Mi Mix (レビュー

 ・Joris Voorn / Balance 014
最近の音源も使っているんだろうけど、クラブ・ミュージック史におけるベタな名曲を多用していることもあり、とても懐かしい感触。それがまた心地良くもある。

 ・Sebo K / Watergate 04
2007年作の 「Back Up Vol.1」 と同様、クリック通過後のディープ・ハウスが主にミックスされているんだけど、この人の選曲は肌に合う。徐々にエロスをまとっていくような構成も好き。


 ・やけのはら / Summer Gift For You (レビュー



◆Compilation◆
 ・Ian O'Brien / Kokoro
イアン・オブライアンが新曲を携えて戻ってきた!! ただ、残念なことに本作は、新曲とリミックス・ワークをコンパイルしたアルバム。とはいえ、違和感なく一つの作品として聞ける素晴らしいテクノ集。

 ・Nicola Conte / The Modern Sound Of Nicola Conte
ニコラ・コンテのリミックス&未発表曲集。native のリミックスを収録していないのが不満なんだけど、こういうお仕事ものをまとめてくれたアルバムはお手頃で嬉しい。ニコラ印のジャズで満腹。

 ・Pepe Bradock / Confiote De Bits A Remix Collection
ペペ・ブラドックのリミックス集。クリック・ハウスから最近のミニマル以後のディープ・ハウスまで、ここ数年のハウスを俯瞰できるようになっているのが面白い。2枚組仕様なんだけど、1枚目のクオリティには目を見張るものがある。カットアップしまくりの Iz & Diz "Mouth" が格好良すぎる!!!

 ・V.A. / 4hero Presents Extensions
4Hero 自身による監修の下、12のミュージシャンが 4hero の楽曲を生演奏でジャズ・カバーするという企画。4hero で好きなのは 「Parallel Universe」 と 「Two Pages」 の2枚だけなので不安はあったが、これがどうして素晴らしい出来。

 ・V.A. / Jazz & Milk Breaks
ドイツのレーベル Jazz & Milk Recordings によるコンピ。リリースは2008年。まず、レーベル名からして素敵すぎるんだけど、やたら格好良いジャジーなブレイクビーツが満載。Free The Robots、Blank Zulu、Mogean Worker、Romanowski の名前は要記憶。

 ・V.A. / 7x7 Beat
2009年のデビュー作が絶賛された Hudson Mohawke などの楽曲を収録した、All City Records のコンピ。Flying Lotus の 「Los Angels」 の衝撃の余波を感じさせるインスト・ヒップホップの数々。お気に入りは LE N?KO と Mike Slott と Mweslee あたり。Madlib が匂う Snowman も楽しみ。


Vol.6 に続く・・・
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by bigflag | 2010-01-24 00:29 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2009年の音楽ベスト Vol.4

◆Song : 日本編◆
第四弾は、楽曲単位で良かったものの日本編。

・サイプレス上野とロベルト吉野 / Wonder Wheel (from "Wonder Wheel")
サ上とロ吉のこういうキュートでソウルフルな路線の曲はホント好きだなあ。前作でいうところの "Baydream" みたいなやつです。親しみやすい郷愁にグッとくる。サイプレス上野のチャラめの人を喰ったような声もけっこう好き。


・椎名林檎 / 流行 feat. Mummy-D (from "三文ゴシップ")
本人名義のアルバムはやっぱり気合いが違う。斉藤ネコとの 「平成風俗」 を経た、林檎流ジャズ歌謡。世界観やキャラクターが過剰なのは別に良いんだけど、サウンドが過剰すぎるのが難点なんだよな。1st の頃のシンプルなサウンドが懐かしい。そろそろ亀田さんから離れて欲しいんだけど。


・相対性理論 / さわやか会社員 (from "ハイファイ新書")
昨年もっとも話題になったバンドのひとつ。前にも書いたけど、朝の通勤のときによく聞いてた。ちなみにワタクシ、残念ながら爽やかではございません(笑)。ところで、このバンドがオッサン受けするのは、80-90年代の成分が多分に感じられるからでしょうね。そうした古さを含ませたサウンド/世界観がその辺の世代に受けている理由だと思います。


・七尾旅人 & やけのはら / Rollin' Rollin' (from "Rollin' Rollin'")
2009年のアンセム。


・Perfume / Night Flight (from "Triangle")
"Dream Fighter"、"ワンルームディスコ" と続いて、中田ヤスタカもそろそろ終わりかなーと思っていたら、ピノのCM でこの曲を聞いて即反省(笑)。アルバムもテクノポップにより回帰した曲を含ませて新境地を少しだけ開いた。なんだかんだで今年も期待。


・ポチョムキン / Brand New Love feat. 向井秀徳 (from "赤マスク")
日本にもこんな曲があるんだぜってことを Dam-Funk さんに教えてやりたい。ベスト及び次点からは漏れたが、Olive Oil をはじめとした個性的な楽曲が多数収録されているアルバムも力作だった。


Vol.5 に続く・・・
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by bigflag | 2010-01-19 07:00 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2009年の音楽ベスト Vol.3

◆Song◆
第三弾は、アルバムとしては物足りなさがあったものの、曲単位で良かったものをピックアップ。

・DJ Mitsu The Beats / Promise In Love feat. Jose James (from "A Word To The Wise")
ホセ・ジェイムズの歌声が持つ色気を上手く引き出した、ソウルフルで感動的な楽曲。結婚する友人に紹介してあげたら、結婚式でちゃんと使ってくれました(笑)。2009年のベスト・ラブソング!

・Kid Cudi / Make Her Say feat. Kanye West & Common
        (from "Man On The Moon : The End Of Day")
カニエ・ウェスト主催のレーベルGood の新人MC。これだけ音数が少なくてソウルを感じさせるとは、蟹江さんのことかなり見直した。しかも、ネタ元が Lady Gaga というのだから驚き。YouTube で確認したら、”Poker Face” という曲のボーカルを使っているみたい。しかし、平凡なポップソングが名曲に再生されるとはなんて素晴らしい(笑)。なかなか粋な遊び心。Lou Rawls の名曲 “Early Morning Love” をサンプリングした “Hyyerr” の濃厚なソウルもツボ。
   

・The Pains Of Being Pure At Heart / A Teenager In Love
                          (from "The Pains Of Being Pure At Heart")
タイトル通り、赤面するほど青春してるギターポップ。2009年のベスト・胸キュンソング!

・Passion Pit / Little Secrets (from "Manners")
チャイルド・ボーカルものの素晴らしいエレクトロ・ポップ。子供の声を使った楽曲には魔法が宿る!!!

・Quantic And His Combo Barbaro / I Just Fell In Love Again (from "Tradition In Transition") 歌詞の内容は分からないんだけど、ラテン系のオッサンが突如、恋に再び目覚めてしてしまったようなコメディチックでファンキーなラブソング。こういうの大好きだなあ。YouTubeにはなかったので、こちらでどうぞ。

Vol.4 に続く・・・
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by bigflag | 2010-01-17 11:53 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2009年の音楽ベスト Vol.2

第二弾は、ベストには及ばなかった次点の作品10枚(順不同)を紹介。

◆次点◆
 11. Build An Ark / Love
フォーキー・ソウル色の強かった前作の要素も織り混ぜつつ、オーセンティックなスピリチュアル・ジャズ回帰した2年ぶりの 3rd アルバム。デビュー時から変わらぬ祝祭的で柔らかいサウンドが幸せな気分を運んでくれる。

 12. 8th Wonder / ヴァルハラ
日本人トリオによる、ヒップホップとメタル/ハードコアを異種交配させたアングラ・ヒップホップ。仄暗いゴシックな世界観の中に微かなロマンティシズムが潜んでいる。ヘビーなため聞く時を選ぶが力作だ。2009年のベスト・ヒップホップ!


 13. The Fields / Yesterday & Today (レビュー


 14. Kaito / Trust (レビュー
2009年の日本のテクノ・ベスト!


 15. Lindstrom & Prins Thomas / II (レビュー

 16. Madlib / Beat Konducta Vol.5-6 : A Tribute To Dilla
2006年に早逝した J Dilla に捧げた作品。ディラの 「Donuts」 を愛するひとは必聴。2009年のベスト・ブレイクビーツ!

 
 17. Meanderthals / Desire Lines (レビュー
2009年のベスト・チルアウト!

 18. Nicolay / City Lights Vol. 2 : Shibuya
オランダ出身である Nicolay のサウンドには、Delsin レーベルのようなデトロイトテクノ・フォロワーの影響があると思っていたが、本作ではそれがより顕著に表れている。透明感のある美しいシンセ・サウンドで、渋谷を瑞々しく描いた。テックハウス風のブルーアイドソウル。

 19. Trus'me / In The Red
Amp Fiddler や Paul Randolph、Pirahnahead らデトロイトに馴染みのある面子を起用し、黒さをさらに追求。タイトなリズムがサウンドの骨子となり、独自性をものにしつつある。Was (Not Was) ネタは、共犯者 Dam-Funk のアイデアか。


 20. 2562 / Unbalance (レビュー
2009年のベスト・ダブステップ!



Vol.3 に続く・・・
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by bigflag | 2010-01-14 00:21 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(2)  

2009年の音楽ベスト Vol.1

そろそろ正月気分も抜けて、更新する気力も出てきましたので、年始恒例の音楽ベストから始めたいと思います。まず、第一弾は、ベストのアルバム10枚(順不同)を紹介。とその前に、いまの音楽シーンから感じることを少しだけ。

音楽に限らず、様々なものがタコツボ化していると言われて久しいが、網の目のように並んだタコツボに小さな抜け穴のようなものが出現しはじめているように感じるのが、昨年というかここ数年の音楽を通じて得ている印象。そうした音楽は例えば 6,7,8,9 のように、ミュージシャン個々によるコラボレーションなどを通じて、国境を易々と超える音楽のクロスオーバー化が見られ、また、そのサウンドが無国籍ながらも均質化していないところに特徴がある。エスニックなメロディを面白がるという態度はもはや過去のもので、無国籍なグルーヴが血肉化している。ボーダレス/ジャンルレスでこうした潮流が生まれるところに、現在の音楽の面白さがある。

◆Best 10◆
 1. Andres / Andres II
デビュー作から6年ぶりとなった 2nd アルバム。Moodymann プロデュースによる、虚と実の狭間を彷徨う官能的なビートとメロディは健在。年末に滑り込みでランクイン。これぞブラック・ミュージックの坩堝。2009年のベスト・ソウル!

 2. Animal Collective / Merriweather Post Pavilion
Panda Bear の 「Person Pitch」 をバンドでやった感じで、「Strawberry Jam」 の行き過ぎた躁状態が中和されたのが個人的には良。"God Only Knows" のような曲を作りえない(作ろうとしない?)バンドの作品に対して、「Pet Sounds」 を引き合いにする評価はちょっと違うだろうという思いもある。

 3. Atlas Sound / Logos
Deerhunter のヴォーカリスト、Bradford Cox による 2nd アルバム。ローファイでパーソナルな楽曲に挟まれた、Noah Lennox や Laetitia Sadler との共作曲が素晴らしい。2009年のベスト・ロック!

 4. Dam-Funk / Toeachizown
プリンスの初期作や Zapp 周辺の80sエレクトロ・ファンクをアップデートしたデビュー作。オブラートに包んではいるが、これぞファンクというエロティシズムがサウンドに滲む快作。ジャケットの強面に似合わず、キラキラとしたキーボード主体のサウンドもロマンティック。2009年のベスト・ファンク!


 5. Gaby Hernandez / When Love (レビュー
2009年のベスト・フォーク!

 6. Jimi Tenor + Tony Allen / Inspiration Information Vol. 4
近作でアフロ・ミュージックに接近してきたジミ・テナーが、アフロビート本家のドラマーであるトニー・アレンと遂に邂逅を果たしたコラボ作。Kabu Kabu との 「4th Dimension」 も良作だった。2009年のベスト・グルーヴ!

 7. Luciano / Tribute To The Sun
2008年にリリースしたミックスCD 「Fabric 41」 でみせた、あの開いていくような感覚を自身のオリジナル作でも披露。トライバル色の強い冒頭の3曲がインパクト大。2009年のベスト・テクノ!

 8. Major Lazer / Guns Don't Kill People : Lazers Do
気鋭のプロデューサーDiplo と Switch による、ダンスホール主体のマッシブなエレクトロ・レゲエ。ここまでジャンクだと笑うしかない。ジャケット通りのマンガ的世界。ハマるとメチャ楽しい。2009年のベスト・レゲエ!

 9. Mulatu Astatke + The Heliocentrics / Inspiration Information Vol. 3
サイケデリック・ロックとヒップホップ通過後のジャズをかけ合わせたような音楽を作っていた Heliocentrics と、エチオピアのジャズ・ミュージシャンであるムラトゥ・アスタトゥケによるコラボ作。ムラトゥによるエキゾなメロディが、バンドのグルーヴをより濃厚で雄大なものへと進化させた。2009年のベスト・ジャズ!

 10. Prefab Sprout / Let's Change The World With Music
名作 「Jordan: The Comeback」 の翌年93年に録音したものを再構築した、8年ぶりの新作。時空を超えた珠玉のポップス、であることが引き裂かれるように悲しい作品。2009年のベスト・ポップス!


Vol.2 に続く・・・
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by bigflag | 2010-01-11 23:01 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)  

2008年の音楽ベスト Vol.5

◆J-POP その2◆

 ・中島美嘉 / Orion
ドラマ 「流星の絆」 のエンディング・テーマだった曲。ドラマは、兄弟が戸神パパを犯人だと思ってからオチまでが驚くほど酷い内容だったけど(笑)、それまではクドカンらしい悪ノリもあってけっこう楽しめた。東野圭吾の本は読んだことないんだけど、あんなオチでもミステリー作家と名乗ることができるのか。。。しかし、あの程度で人気があるなんて、ちょっと信じられない。まあ、この本がたまたま駄作だったのかもしれないけれど。

東野圭吾のことはさておき、この曲を聞くと、彼女がデビューした頃のことを思い出す(デビュー曲もタイトルが星、”Stars” だった)。彼女がデビューした2001年は、浜崎あゆみが全盛を極めていた頃で、中島美嘉は和製ディーバの流行に乗りつつも、浜崎あゆみ、すなわちエイベックス的なるものへのアンチとして出てきたようなイメージがあった。少し言い換えるのであれば、J-POP に歌謡曲的なものを復古させようという動きみたいなものを、彼女のデビューの背景に感じたことを覚えている。



エイベックス的なるもの、その確立を用意した(素地を作った)のは、昨年に逮捕された小室哲哉が手掛けた一連の tk プロデュース群だろう(エイベックス以前に、ビーイングが既に確立していたのかもしれないが)。僕が普段読んでいるブロガーさんたちの多くは、ほぼ一様に彼の逮捕を悲しんでいたんだけれど、僕にはその気持ちがあまり理解できなかった。皆さんが評価する TM Network を通っていたら、その気持ちを僕も理解できたかもしれないが、TM Network で聞いたことがあるのは、「シティハンター」 や 「逆襲のシャア」 といったアニメで使用されていた曲くらいだ。"Beyond The Time" は、ガンダムのテーマ曲らしいスケール感や曲の終盤で入ってくるサックスとキーボードの絡みが好きでよく聞いていた。



しかし、僕が音楽を積極的に聞き始めたころ、テレビやラジオで流れていたのは、「ディスコ+カラオケ÷2」 というゴミクズのような方程式で作られた曲だった。まあ、実際にそんな方程式を元に楽曲を作っていたわけではないだろうけど、ヒットの秘訣はと聞かれて、こんなことをポロっと言ってしまえる tk の薄っぺらい感性そのものが嫌いだった。テレビで流れるサビの部分だけはそれなりに形を整えて、あとは適当に作っているとしか思えない曲を量産するミリオンセラーの奴隷、小室哲哉にはそんなイメージをずっと抱いていたので、金の絡んだ詐欺容疑での逮捕は、僕にとっては至極納得のいく罪状だった。

浜崎あゆみに話を戻すと、彼女はその後、自己プロデュース力を強めていき、エイベックス的な楽曲からは少しずつ離れて、独自の世界を追求していくんだけど、オリジナリティを獲得しようとすればするほど、反対に音楽の質そのものは劣化していくという、当人に自覚があるのかはさておき、はたから見ると恐ろしい状態が進行し、現在に至っている(実際に売り上げも下降していると聞く)。そのため、その存在は未だにエイベックスの看板であるものの、現在の彼女の音楽がエイベックス的なるものの象徴かというと、やはりズレが生じているのは事実だろう。

そして、この状況を理解していると思しきエイベックスは、ここにきて戦略を原点回帰へと舵を切った(ここでいう原点とは、tk プロデュース全盛期ではなく、tk が落ち目になり出したころ、つまり tk 以後のことだ)。そのことは、昨年にエイベックスが大々的にデビューさせた Girl Next Door を見れば、誰の目にも明らかだろう。このグループには、エイベックス的なるもののパーツがこれでもかというほど張り合わせられている。



その浜崎と同じように自己プロデュース力を高め、エイベックス的なるものを突破したミュージシャンがもう一人いる。安室奈美恵のことだ。彼女はここ数年、アメリカのR&Bの模倣を徹底して重ねることで、USメジャーのリアリティをJ-POPシーンに持ち込み、独自の地位を築くことに成功していた。そして、昨年のヴィダルサスーンとのコラボレーションで、自身の再ブレイクを決定的なものにした。ただ、浜崎あゆみの場合、安室奈美恵とは違って、エイベックス的なるものを突破したというよりは、エイベックス内に自治領を築いている、と言った方がより正確な状況かもしれない。

安室奈美恵の再浮上は、上記のような理由もあるのだが、もうひとつ重要なことがある。それは、女性が女性芸能人を評価するにあたっての評価軸に変化が起こっているということ。単純に言ってしまうと、ある程度以上 「カワイイ」 ことが前提で、浜崎あゆみを評価するキーワードを 「キレイ」 とするなら、安室奈美恵を評価するのは 「カッコイイ」 というキーワード。前者のキーワードは、今も生きているし今後も残るのは間違いないけれど、それと同時に、同性からの評価を獲得する上では、後者のキーワードもまた女性芸能人にとって、今後さらに重要な要素となってくるはず。また、浜崎あゆみの人気下降の原因は、音楽性の変化以上に 「キレイ」 でなくなってきていることかもしれない。そういえば、エイベックスには "エロかっこいい姉" と "エロみっともない妹" がいるな(笑)



中島美嘉のことを書こうとしたら、小室哲哉や浜崎あゆみ、安室奈美恵のことも書けるなーということで、話がやたらと脱線してしまった(笑)。上に書いた自分の認識が正確かどうかはさておき、僕にとって中島美嘉は、宇多田ヒカルのように圧倒的な才能をもって出現したという人ではないんだけれど、なんとなく期待を感じさせてくれたシンガーなんですよね(結局、僕の期待した流れは生まれなかったけれど)。どこか陰を感じさせる声も好きです。

しかし、こういう交通整理的なことって、書いてる時は気持ち良いんだけど(射精だw)、後で読むと寒いよなー。。。記事ごと消そうかとも思ったけど、今後の戒めとして残しておきます(笑)

漫画ベストに続く・・・
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by bigflag | 2009-01-12 10:57 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(10)  

2008年の音楽ベスト Vol.4

◆J-POP その1◆

 ・Perfume / マカロニ、 セラミックガール、 Love The World
「Game」 は次点に入れても良いかなってくらいは聞いたんだけど、Perfume をベストに入れる人は他にいくらでもいるだろうから、2008年にリリースされたもので、特に好きだった曲を紹介。ところで、なんで自分は Perfume 以外の中田ヤスタカ・プロデュース作があまり好きではないんだろうかと考えたんですけど、それはもう単純に Perfume がJ-POPリスナーのド真ん中にまで届くように、中田ヤスタカが計算して作っているからなんだと思う。Capusule はクラブ・ミュージック (ニューエレクトロ) よりだし、meg は (産業)サブカル・リスナーが目に入っているだろうし、鈴木亜美については・・・あんまり考えてないんじゃないかと(笑)

そもそも、中田ヤスタカが作る音楽は、ジャンル各々における王道で勝負できるほどではない、という印象がある。例えば、ニューエレクトロというジャンルにおいて、そのシーンを代表する Justice なんかと Capusule を比べると、曲の持つ強さというかインパクトが足りないように感じる。何というか軽いんですよね。まあ、この手の音に自分は疎いので、聞く人が聞けば違う感想を持つのかもしれないけれど。

つまり、何を言いたいかっていうと、中田ヤスタカって人は、ニッチ市場における職人のような音楽家ではないか、ということ(そこを掘り起こした人でもあるので、単なる職人ではないけれど)。ニューエレクトロを J-POP に落とし込むなんてのはまさにそうで、とても巧みに J-POP を衣替えさせることに成功している。ベストにあげた、"セラミックガール" はパーカッシブなエレクトロ・ポップとして、"Love The World" はキッチュなガールズ・ポップとして、ものすごく完成度が高い。この2曲は、良い意味でも悪い意味でも、自身の作る楽曲の軽さ (のようなもの) を逆手にとっているようで、中田ヤスタカの可能性を感じさせる名曲だと思う。"マカロニ" に至ってはアイドル歌謡だもんなー。

  

 ・いきものがかり / 帰りたくなったよ
友達に誘われて行った10月の関西学院大学でのフリーライブで、いきものがかりの曲を初めてちゃんと聞いたんだけど、正直なところ、そんなに才能のある人たちではないと思う。いきなりそんなことを言っておいてなんだけど(笑)、ライブで彼らの MC を聞いていると、彼らって全然スレてないことが伝わってくるんですよね。それで、この曲にはそんな彼らのスレてなさというか、地方出身者的な純朴さが良い感じに出ていて、ちょっと弱っている時に聞くとすごく染みる。というか染みました(笑)。しかし、J-POPのシングルって、安っぽいストリングスを重ねたオーバー・プロデュースが多くてホントにウンザリする。これはミスチルのプロデューサーでお馴染みの小林武史の悪影響なんじゃないかと勝手に思っているんだけど(笑)、もっと昔からなんでしょうか。



 ・小谷美紗子 / WHO -08-
ドラマ 「ゴンゾウ」 のエンディング・テーマだった曲。小谷美紗子というと、ピアノの弾き語りで暗い歌を歌っている人なんてイメージだったんだけど (この曲も別に明るくないですけどねw)、これはドラマの内容とピッタリ合った曲で、薄暗い格好良さがある。名曲です。



 ・中川翔子 / 綺麗ア・ラ・モード
作詞が松本隆、作曲が筒美京平、という黄金コンビで話題になった曲。昔ながらのアイドル歌謡の秀作。ただ、ひとつ難点は、ショコタンは声質が普通すぎて、歌声にあまり魅力を感じないことでしょうか。



Vol.5 に続く・・・
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by bigflag | 2009-01-10 18:54 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(4)  

2008年の音楽ベスト Vol.3

第三弾は、ミックスCDとリイシューものを紹介。

◆Mix CD◆

 ・Funk D'Void / Sci-Fi-Hi-Fi 04 (レビュー
2008年のベスト・ミックスCD!

 ・Goodings RINA / Nightbird : Goodings Rina Nonstop Covers
米米CLUBや電気グルーヴなど、80~90年代の歌謡曲/J-POPを中心にセレクトした曲をジャズやレゲエ調でソフトにカバー&ミックスした作品。2007年の岡村ちゃんカバーが傑作だったように、本作でもカバーのセンスが光る。


 ・Luciano / Fabric 41 (レビュー


 ・Simian Mobile Disco / Fabriclive 41 (レビュー


 ・やけのはら / Brilliant Empty Hours (レビュー


◆Reissue◆
 ・美空ひばり / ひばりとシャープ : 虹の彼方 ('61)
ジャズのスタンダードを歌っている作品だが、美空ひばりの歌としか言いようのない音楽。ジャズ・グルーヴは全くないんだけど、交響曲のようなゴージャス感が作品を包んでいる。作品として聞いたのは本作が初めてだったが、とんでもない存在感に度肝。これは一種のトリップ・ミュージック!!

 ・Fripp & Eno / No Pussyfooting ('73)
いわゆるアンビエント/ドローンの元祖的な作品だが、ロバート・フリップのギターがイノベイティブ過ぎる。ノイズを垂れ流してるだけの凡百のギタリストとは次元が違う。この人はやっぱり天才だな。クリムゾン的な凄みもある。

 ・Lula Cortes e Ze Ramalho / Raebiru ('75)
ブラジリアン・サイケの秘宝。ルーラ・コルテスとゼー・ハマーリョによるギター・アンサンブルの振れ幅がすごい。シンプルなアンサンブルほど、耳を奪われる美しさがある。アシッド・フォーク/サイケデリック・ロックの傑作。

 ・Schema Sextet / Look Out ('00)
Schemaが2000年にリリースしていたイタリアを代表するジャズ楽団、Basso=Valdambrini のトリビュート盤。High Five の新作よりずっと良い。

 ・Sun Ra / Sleeping Beauty ('79)
数あるサン・ラの作品の中で最も美しく静かなサウンド。たゆたうようなエレピが心地良い、メロウなアンビエント・ジャズ。Build An Ark がカバーした "Door Of The Cosmos" も収録されている。

 ・23 Skidoo / Urban Gamelan ('84)
前回の再発では買い逃してしまったが、今回はきっちりゲット。ニューウェーヴ期に先端を走っていた音楽が持つグルーヴの格好良さは永遠だな。

 ・Valdambrini = Piana Quintet / Afrodite ('77)
こちらも Schema から再発されたイタリアン・ジャズ。オープニングの "Arabian Mood" なんか、今の nu jazz そのものという曲。Dina Piana というトロンボーン奏者は、2008年の発見のひとつ。年末に再発された "Basso Valdambrini Quintet plus Dino Piana" と Gino Marinacci の"...idea" でも彼の名演が聞ける。

 ・X-102 / ReDiscovers: The Rings Of Saturn ('92)
Jeff Mills、Mike Banks、Robert Hood という(当時の)URメンバー三人によるプロジェクトが、未発表曲を追加して再発。未発表曲の追加の評判はあまり良くないが、ハードコア・テクノの傑作である"Ground Zero"、この一曲を聞くためだけにでも買う価値がある。

Vol.4 に続く・・・
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by bigflag | 2009-01-08 00:12 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(4)  

2008年の音楽ベスト Vol.2

第二弾は、ベストには及ばなかった次点の作品10枚(順不同)とコンピを紹介。

◆次点◆

 11. Fleet Foxes / Fleet Foxes (レビュー
2008年のベスト・ニューカマーのひとつ。

 12. Harry Beckett / The Modern Sound Of Harry Beckett (レビュー
2008年のベスト・ダブ・ミュージック!

 13. Kidda / Going Up (レビュー

 14. Lindstrom / Where You Go I Go Too (レビュー
2008年のベスト・プログレッシブ・ミュージック!

 15. Medeski Martin & Wood / Zaebos : Book Of Angels Vol.11 (レビュー
2008年のベスト・ジャズは惜しくも逃したが、カバーアルバムではベスト!

 16. Morgan Geist / Double Night Time (レビュー
2008年のベスト・シンセポップ!

 17. Native / Just Four
日本人ジャズ・カルテットの4作目。グルーヴの線はやや細めだが、透き通るようなメロディと演奏が心地良い。2008年のベスト・和ジャズ!

 18. Nicolay & Kay / Time:Line (レビュー
The Foreign Exchange の新譜も出すなど、Nicolay にとっては充実の年。

 19. Osborne / Osborne (レビュー
2008年のベスト・ハウス!

 20. Theo Parrish / Sound Sculptures Volume 1 (レビュー
2008年のベスト・ディープハウス!

◆Compilation◆
 ・V.A. / On The Spot vol.2
Ricky Tick による北欧ジャズ・コンピ・シリーズの第2弾。今回は、60年代のデンマーク産ジャズからのセレクトで、選曲を担当したのは Povo の Andres-Peter Andreasen。外れなし。

 ・V.A. / Sleepwalk A Selection By Optimo
Optimo はぶっ飛んだミックスCDを作る人たちだけど、コンピを作ってもやっぱり凄かった。セレクトされたメンツを見ると、とんがっていそうな音を想像してしまうかもしれないが、タイトル通りのチルアウト・ミュージック。寝るときによく聞いた一枚。Fripp & Eno の再発盤にやられた人にもお勧め。2008年のベスト・コンピ!

Vol.3 に続く・・・
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by bigflag | 2009-01-06 22:26 | ・音楽 - 年間ベスト | Comments(0)