Prins Thomas とのコラボ作 「
II」 のリリースから約半年と、矢継ぎ早にドロップアウトされた Lindstrom の新作。こちらも 「II」 と同様にコラボ作で、同郷の女性シンガーである Christabelle (クリスタベル) をフィーチャーしている。
女性ボーカルをフィーチャーしたポップな作品と紹介されていたので、多重録音された Christabelle の呪術的なボーカルがいきなり聞こえてきたときは一瞬ギョッとしてしまったが(笑)、ポップな曲もたしかに収録されているので、決してポップな作品という看板に嘘偽りがあるわけではない。とはいえ、"Looking For What" のようなサイケなポップ・ソングをオープニングに据えるあたりが Lindstrom らしいといえば、らしい。
Lindstrom がこれまでにリリースした作品を振り返ったとき、どの作品にも Lindstrom らしさがくっきりと刻印されていたように、本作においてもその刻印、すなわち、コズミックなディスコをベースにしたサウンドを聞くことができる。インタビューによると、本作はソロ作や Prins Thomas とのコラボ作の合間にコツコツと制作していった楽曲の積み重ねらしく、その影響もあってか、コンセプチュアルな作品が多い彼の作品の中では、極めてバラエティ豊かな作品に仕上がっている。アルバムを通して聞くと、Lindstrom がこれまでに影響を受けてきた音楽、例えば、60年代のサイケデリック・ロック、70年代のプログレッシブ・ロック、80年代のMTV的なポップス(ブラック・ミュージック含む)といったような音楽的バックグラウンドが透けて見える。

Lindstrom がプログレやサイケなどの素養を持っていることは、これまでにリリースされた作品で知っていたのだが、実は80年代のMTV的なポップスにも愛着がこれほどあるとは意外であり、とても楽しい発見だった。そして、M3 "Keep It Up"、M5 "Baby Can't Stop"、M10 "High & Low" のような、Prince や Michael Jackson といったポップスターに影響を受けた楽曲こそが、Lindstrom がまたも開いた新境地と言える。こうした明るいポップソングを並べて一枚のアルバムを制作して欲しいなぁ。(
試聴)