カテゴリ:・Club Music( 65 )

 

Trentemøller 「Into The Great Wide Yonder」 ('10)

デンマークはコペンハーゲンを拠点に活動するDJ/プロデューサー、Anders Trentemoller の 2nd。ナイーヴなロックを Trentemoller が好んで聞いているだろうってことは、1st アルバムの 「The Last Resort」 からも伺えたが、本作ではそうした趣味嗜好が全面に出たものとなってます。もうね、ジメジメしまくってます(笑)

本作の前年にリリースされていたミックスCD 「Harbour Boat Trips : 01 Copenhagen」 において使用された楽曲群の影響下にあるような作品で、正直なところ、新しいというよりは、Dot Allison の 「Afterglow」 なんかを想起させる懐かしいタッチのサウンド。もの哀しく幻想的な空気が流れているのは 1st と共通しているんですけど、ロック色が強い分、より物語的な感じがあります。下に貼った動画を見ると、ライブでは完全にロックバンドですね、観客のノリ含め(笑)(試聴

   

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by bigflag | 2011-02-27 22:39 | ・Club Music | Comments(2)  

Trentemøller 「Trentemøller Chronicles」 ('07)

ほぼ自身のトラックのみを使用したミックスCDと、自身のリミックスを集めたコンピレーション、というベストアルバム的な2枚組。ベスト盤といっても、この時点で、このひとフルアルバムは先に紹介した 「The Last Resort」 しかまだ出していないでんすよね。なので、自身のトラックを集めたミックスCDには、CDではリリースしていない曲や自身の曲にリミックスを施したものを集めて、少し気を利かせてくれてます(笑)。クリック/ミニマル・ダブ系のミックスCDらしく、静かな立ち上がりから、徐々にリズムを効かせていく展開。自身の曲ばかりなので、当然ながら Trentmoller の耽美で美しい灰色の世界に耽けることができます。

2枚目のリミックス集は、「The Last Resort」 しか聞いたことがないひとならば驚きのエレクトロ・ハウス。このひとのリミックスは、クラブ仕様という意味合いが強いようで、Disc.1 に収録されている "Moan (Trentmoller Remix)" もかなりリズムがバキっとした曲に変貌しています。こっちのが好きってひとも多いんじゃないでしょうか。これを節操がないとは言いたくないですね。ジメっとした曲も僕は好きですけど、バキっとした曲が聞きたいときもある。多かれ少なかれ皆、気分屋ですから(笑)

   

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by bigflag | 2011-02-20 23:26 | ・Club Music | Comments(0)  

Trentemøller 「The Last Resort」 ('06)

デンマークはコペンハーゲンを拠点に活動するDJ/プロデューサー、Anders Trentemoller のデビュー作。Trentmoller の楽曲は、クリック/ミニマル・ダブと呼ばれるようなフォーマットに則っているものが多いんだけど、アウトプットされる音楽はロックそのものというのが一番の特徴。溢れんばかりのロック魂があります。それも暗くウジウジとしたナイーヴなロック魂(笑)。葉の散った木を写したアルバム・ジャケットを見たら、内容の暗さは想像できると思います。

なので、クラブ・サイドからリリースされた作品ではありますが、ナイーヴなロックを好んで聞くリスナーにこそ聞いて欲しい音楽。とはいえ、ミニマル・ダブを通過しているだけあって、トリップホップにも通じるようなグルーヴ感も備えており、クラブ・サイドのリスナーをも満足させるサウンド。メランコリックで透徹としたメロディが、巧みなエコーによって作られた奥行きのある空間をデラシネのように漂流している。(試聴

   

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by bigflag | 2011-02-20 23:22 | ・Club Music | Comments(0)  

Burial 「Untrue」 ('07)

JAGATARA の曲に "都市生活者の夜"(「ニセ預言者ども」 収録) という、孤独な都市生活者に向けて作られた曲があるけれど、Burial の作る曲はそのどれもが都市で孤独に暮らす人々に向けて作られているかのようだ。デビュー作である 「Burial」 と同様、この 2nd アルバムでもそうした世界観は変わらずにある。

ただ、前作に顕著だった硬質なサウンドは、鋭利で金属的なビートやザラついた音響などに留められている。一方、前作の底流にあったUKソウル的なサウンドやヴォーカルが表出してきており、ある種、マターナルな包容力さえ感じる作品となっている。とはいえ、その母性的なものが深いメランコリーを備えているため、本作を聞いたリスナーが、凍てついた Burial のソウルと対面することに変わりはないのだが。10年後であってさえ、10代の根暗な青少年に聞かれるべき傑作。(試聴

   

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by bigflag | 2010-04-14 23:44 | ・Club Music | Comments(0)  

Burial 「Burial」 ('06)

ダブステップというジャンル・イメージを決定づけた、Burial のデビュー作。ダブステップは、ドラムンベースやトリップホップ、2ステップなどから派生したものと言われているのだが、これらのジャンル名を見れば、ダブステップがUKのクラブミュージックの伝統的なラインのひとつに乗った音楽であることが分かる。

それではなぜ、本作がジャンル・イメージを決定づけるほどの力を持っていたのか。それは、他ジャンルとのクロスオーバー化が進みつつある現在のダブステップとは違い、本作のリリース当時、ダブステップとはUKのローカル・ミュージックだったことにある。すなわち、UKミュージックが一般的に持たれているイメージ(の一側面)と、Burial の音楽性の親和性が非常に高かったということ。その一側面とは、UKロックを聞く人にはイメージしやすいと思うが、イギリスには憂鬱で湿気のある音を鳴らすロックバンドが定期的に出てくる。UKロックの持つ大きな側面、つまりは、イギリスらしい憂鬱が Burial のデビュー作には凝縮されていたのだ。リリース当時、本作を絶賛していたのは誰か。Radiohead の Thom York である。

イギリスのクラブミュージックの伝統的なラインに乗りながら、UKロックとUKソウルを交差させた優れた音楽性もさることながら、本作 (次作 「Untrue」 も!!) が00年代の最重要アルバムの一枚たらしめているのは、聞き手を否応なしに引きずり込む Burial の暗い世界観にある。ひとつひとつの音やビートに深く刻まれた、思春期のような鬱屈とした記憶や感情はとても痛みを伴うものだが、暗い現実と向き合った凍てつく音のひとつひとつは誠実そのものだ。(試聴

   

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by bigflag | 2010-04-11 01:10 | ・Club Music | Comments(0)  

Lindstrom & Christabelle 「Real Life Is No Cool」 ('09)

Prins Thomas とのコラボ作 「II」 のリリースから約半年と、矢継ぎ早にドロップアウトされた Lindstrom の新作。こちらも 「II」 と同様にコラボ作で、同郷の女性シンガーである Christabelle (クリスタベル) をフィーチャーしている。

女性ボーカルをフィーチャーしたポップな作品と紹介されていたので、多重録音された Christabelle の呪術的なボーカルがいきなり聞こえてきたときは一瞬ギョッとしてしまったが(笑)、ポップな曲もたしかに収録されているので、決してポップな作品という看板に嘘偽りがあるわけではない。とはいえ、"Looking For What" のようなサイケなポップ・ソングをオープニングに据えるあたりが Lindstrom らしいといえば、らしい。

Lindstrom がこれまでにリリースした作品を振り返ったとき、どの作品にも Lindstrom らしさがくっきりと刻印されていたように、本作においてもその刻印、すなわち、コズミックなディスコをベースにしたサウンドを聞くことができる。インタビューによると、本作はソロ作や Prins Thomas とのコラボ作の合間にコツコツと制作していった楽曲の積み重ねらしく、その影響もあってか、コンセプチュアルな作品が多い彼の作品の中では、極めてバラエティ豊かな作品に仕上がっている。アルバムを通して聞くと、Lindstrom がこれまでに影響を受けてきた音楽、例えば、60年代のサイケデリック・ロック、70年代のプログレッシブ・ロック、80年代のMTV的なポップス(ブラック・ミュージック含む)といったような音楽的バックグラウンドが透けて見える。

Lindstrom がプログレやサイケなどの素養を持っていることは、これまでにリリースされた作品で知っていたのだが、実は80年代のMTV的なポップスにも愛着がこれほどあるとは意外であり、とても楽しい発見だった。そして、M3 "Keep It Up"、M5 "Baby Can't Stop"、M10 "High & Low" のような、Prince や Michael Jackson といったポップスターに影響を受けた楽曲こそが、Lindstrom がまたも開いた新境地と言える。こうした明るいポップソングを並べて一枚のアルバムを制作して欲しいなぁ。(試聴

   

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by bigflag | 2010-03-22 01:11 | ・Club Music | Comments(0)  

Lindstrom & Prins Thomas 「II」 ('09)

ノルウェーの Hans-Peter Lindstrom と Prins Thomas によるユニット、Lindstrom & Prins Thomas による 2nd アルバム。前作 「Lindstrom & Prins Thomas」 と比べると、より大作志向で、プログレッシブなサウンドへと変化している。こうした傾向は、Lindstrom が2008年にリリースしたソロ作 「Where You Go I Go Too」 で既に聞くことができていたので、大きな驚きではない。

とはいえ、本作は驚くほど本気のサイケデリック・ミュージックに仕上がっている。以前と同じくスペイシーであるし、ディスコ的な音使いも聞けるのだが、ここまで本気でサイケなのもいまどき珍しい。しかし、過去の12" で聞けたダンス・ミュージックや、北欧らしい清涼感を好きで聞いていた連中は、この作品に果たして付いてきているのだろうか。他人事ながら心配になる(笑)。最もドープなトリップ感を味わえる M4 "Rett Pa" と M7 "Note I Love You + 100" の2曲がお勧め。(試聴



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by bigflag | 2010-03-14 13:00 | ・Club Music | Comments(0)  

The Field 「Yesterday And Today」 ('09)

The Field の2nd アルバム。前作 「From Here We Go Sublime」 と同じく、ドイツの Kompakt からのリリース。Battles のドラマーを招聘するなど、生楽器をさり気なくも大胆に取り入れている。

奥行きのある音響で、白色に発光するメロディを包む。こうした前作と同じ路線を踏襲しながらも、ヴィブラフォンを加えることで、楽曲の透明感をさらに引き出してた M3 "Leave It" は名曲。そして、Battles のドラマーが参加したタイトル曲は、まるで Conny Plank が関わっているかのような、ジャーマン・プログレッシブな楽曲に仕上がっている。生ドラムの作り出す開放感のあるグルーヴが、The Field の楽曲を一段上の高みに押し上げている。これぞコラボレーションの醍醐味と言える。

ところで、本作にはカバー曲があったり(The Korgis の "Everybody's Got To Learn Sometime")、前述のようなコラボ曲があったりするのだが、前作で聞けた個性からブレがまるでない。おそらく、この Axel Willner という人の場合、ループ狂であるがゆえに、テクノというフォーマットを選んだに過ぎないので、本作のように生楽器を導入したり、他のミュージシャンとのコラボをしたとしても、個性がブレないのだと思う。今後も着実な進化を期待できそうだ。(試聴

   

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by bigflag | 2010-02-27 12:50 | ・Club Music | Comments(0)  

The Field 「Sound Of Light」 ('07)

地元スウェーデンのストックホルムにある "Nordic Light Hotel" のために手掛けた作品。"光の音" なるコンセプトを、"Morning - Day - Evening - Night" に分けた4部構成で表現している。


The Field の作る音と "Day" の相性はあまり良くなさそうだと思っていたら、案の定もうひとつだったんだけど(笑)、それ以外の曲は The Field 節の効いた佳曲が揃っている。"Evening" 以降、徐々に雪深くなっていくような構成が秀逸。"Night" の鋭角的なシンセ・サウンドは、まるで狂おしくも美しい闇夜のよう。(試聴
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by bigflag | 2010-02-25 00:16 | ・Club Music | Comments(2)  

The Field 「From Here We Go Sublime」 ('07)

いまやドイツのテクノ・レーベル Kompakt の顔のひとりと言っていいほどに存在感を放つ、The Filed の 1st アルバム。スウェーデン出身の Axel Willner による一人プロジェクト。パッと聞いた感じでは、淡々としたミニマルなテクノ/ハウスなのだが、よくよく聞いてみると、異常なほどのループ狂であることがすぐに分かる(笑)

ループ狂、すなわちトランス狂であるわけで、リスナーをあっち側へとかっ飛ばすために、尋常ならざる作り込みがなされている。シンセで作られた様々なパターンのフレーズやサンプリングされた声が、重厚でダビーな音響に包まれ、そして、微細に変化しながら、繰り返し繰り返し何度もリスナーへと届けられる。白色に発光するメロディは、うっすらと雪の舞う風光明媚な光景を想起させるほどに美しい。また、サイケデリックですらある幽玄なボイス・サンプリングが非常に個性的だ。(試聴

   

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by bigflag | 2010-02-21 00:57 | ・Club Music | Comments(4)