カテゴリ:・Exotic / Ethnic( 12 )

 

DJ Quietstorm 「Jigajisan」 ('06)

ヒップホップ・グループ Living Legends のメンバーで、東京在住の DJ Quietstorm による 3rd アルバム。本作は MC なしのインスト・アルバムで、テーマはサイケデリック。制作にあたり、Audio Active のドラマーである七尾茂大をはじめとして、シタール奏者やジャンベ奏者など、様々なリズム職人を迎えている。

テーマはサイケデリックということだが(往年のサイケロックなギターも少々)、幻覚作用を起こすようなものではなくて、チルアウトやアンビエント、インドやブラジルなどエスニックな要素を内包しているサウンド。そして、こうした音楽の例外になく、郷愁を誘う緩めのウワモノが心地良い。特徴は生の打楽器にこだわっていることで、緩いウワモノとは対照的にタイトなリズム。また、ミニマルなビートは極めてヒップホップ的。日本在住が長いためか、日本人好みのエキゾ音楽の風味もある。自画自賛というタイトルはともかくw、残暑にうってつけの逸品!!!(試聴
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by bigflag | 2008-09-02 23:31 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

久保田麻琴 「Bali Dream」 ('08)

裸のラリーズや夕焼け楽団での活動でお馴染みのワールドミュージック・マエストロ、久保田麻琴のエキゾ・シリーズ最新作。本作は、もはや彼のライフワーク的な場所となっているバリ島にフォーカスを当てた作品。(試聴本人解説

バリ島ということなので、音の中心となるのは、やはりガムランの奏でる幻想的なメロディ。そして、ケチャや伝統歌、フィールド・レコーディングされた自然音など、バリ島と言われて思い浮かぶ音も当然のごとく収録されている。そして、本作が面白いのはここから先のこと。バリ島の伝統音楽の旨味をさらに引き出すために、ブレイクビーツなどのエレクトロニクス、お隣はジャワ島のガムランからベトナムのダン・バウ(一弦琴)、ブラジルのパンデイロ、果てはハワイの波音まで、ごく自然に取り入れている。

収録曲のほとんどがアンビエント、チルアウト的なんだけど、例外が一曲。I Wayana Balawan(イ・ワヤン・バラワン)というインドネシア人ギタリストをフィーチャーしたアルバムのタイトル・ソング。これがまた格好良い。ガムランとは対照的な土臭くブルージーな演奏であるにも関わらず、違和感が皆無。ガムランの音をファンキーに変容させるギターのグルーヴが凄い。バラワンは、ジャズとバリの伝統音楽をミックスした音楽をずっとやっている人だそうで、これだけの曲に仕上がったのも肯ける。この二人でコラボして、アルバム一枚作ってくれないかなー。
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by bigflag | 2008-08-28 22:37 | ・Exotic / Ethnic | Comments(2)  

Evisbeats 「World Tour」 ('07)

元・韻踏合組合のMC/トラックメイカー、エビスビーツによるエキゾチック・ブレイクビーツ集。

自身で立ち上げた Amida Records からの第一弾、ということで気合いが入っているのかと思いきや、良い意味で肩から力の抜けた作品。日本を含む東アジアからトルコあたりまでの民族音楽を中心にサンプリングしているので、オリエンタル臭は濃厚。ただ、そのサンプリングされた音源は、あくまでもファンキーな音楽を作るためのネタとして使われているので、スピリチュアル志向の強い音楽のような重さはない。うだるような暑さの中、扇風機しか置いてない部屋で、頭をクラクラさせながら聞けば、トリップ間違いなし!?(試聴
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by bigflag | 2008-08-27 22:31 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

Daedelus 「Denies The Day's Demise」 ('06)

前作 「Exquisite Corpse」 の延長線上にあるモンド系ブレイクビーツということに変わりはないが、サンプル素材をブラジルを中心とした南米音楽に求めたのが本作。

サンバのリズムに、デーデラス印のムーディーでノスタルジックなウワモノが乗ると、やっぱり随分とキテレツな音になる。そのため前作ほど優雅ではないが、リズムのアッパーさが妙なテンションを生んでいて、躁状態がずっと続いているような感じがなんだか気持ち悪くも心地良い。これぞフラッシュバック・ミュージック。ブラジル音楽の持つサウダージもしっかりとサンプリング。前作に続き傑作。(試聴
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by bigflag | 2007-06-17 22:23 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

Daedelus 「Exquisite Corpse」 ('05)

デーデラス(デイデラス?)は Prefuse 73 こと Scott Herren (スコット・ヘレン) との仕事でも知られているエレクトロニカ以降のヒップホップを代表するミュージシャン。サンプリングに関しては魔術師的と言えるほど。

映画音楽やジャズ、50~60年代のポップスなどをサンプリングして作るコラージュ色の強いサウンドで、モンド系ブレイクビーツなんて言われたりもする。そのムーディーでノスタルジックな音を聞くと、遠い記憶をくすぐられているような不思議な気持ちになる。これは、デーデラスの音楽に通底する過去への強い憧憬がそうさせるのだと思う。また、極めてポストモダン的なスタイルの中に、エキゾチックな音を忍ばせるところなんかは、SF映画・マンガで見られるような世界観と通じるものがある。具体的に言うと 「エキゾチックな意匠を施された無機的な都市」 のような、少し奇妙でなぜか心地良い混沌がデーデラスの音楽にもあって、それがすごく魅力的。ちなみにタイトルは 「優雅な死体」 という意味。

ジャンルで言うと、エレクトロニカやヒップホップになるんだけど、ローファイなブレイクビーツ(ビート)、コラージュにまみれたサウンドが引き起こすサイケデリックな感覚など、ある意味で非常にロック的で、むしろサイケデリックなソフトロックやローファイな脱力系ロックが好きな人に勧めたい。ドリーミーでチルアウトなメロディは、これからの暑い季節にもオススメ。日本語のセリフが引用されている曲(M4 「Move On」)があるんだけど、ゴレンジャー・ネタらしい。しかし、デーデラスは一体どこでゴレンジャーのことを知ったんでしょうね?笑(試聴
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by bigflag | 2007-06-12 01:41 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

Calexico 「The Black Light」 ('98)

"California" と "Mexico" を掛け合わせて "Calexico"。その名前通り、キャレキシコはメキシコ国境近くのアリゾナ州トゥーソンを拠点に活動しており、アメリカとメキシコのルーツ・ミュージックをポストロック的な解釈で表現する、少し風変わりなユニット。メンバーは Joey Burns (ジョーイ・バーンズ) と John Convertino (ジョン・コンヴェルティーノ) の二人で、彼らは Giant Sand と Friends Of Dean Martinez の元メンバーとしても知られている。これは彼らの 2nd アルバム。

「キャレキシコを始めるにあたり、それまでの音楽活動とは違うスタイル、表現方法、例えば色々な楽器を盛り込んだ映画のサウンド・トラックのようなアプローチで映像的な音楽をやろうと思ったんだ。"The Black Light" は昔の西部劇ではない現代の西部を舞台にして、バー、モーテル、ロー・ライダー、翳りのある人物が登場するような映像をイメージした」(by ジョーイ・バーンズ)

ジョーイの言葉通り、キャレキシコの音楽はイメージ喚起力がとても強い。聞けば誰でもすぐにアメリカの西部や南部、あるいはメキシコへひとっ飛び出来る。渇いた空気、舞う砂埃、強い日差し、日干しレンガで作られた家、このような感覚や情景が頭の中で立体的に再生されるのだ。ほとんどの曲を手掛けるジョーイ・バーンズは、おそらく映像記憶がとんでもなく高い人なんだと思う。映像を具現化するための演奏・プロデュース能力もまた素晴らしい。中でも、ホーン・アレンジはシビれるほど格好良い。全編を通して哀愁たっぷりの傑作。(試聴
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by bigflag | 2006-09-16 22:24 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

Kaoru Inoue presents Chari Chari 「In Time」 ('02)

chari chari (チャリチャリ) こと井上薫の2ndアルバム。井上薫はニュー・ウェイヴやハウス、ワールド・ミュージックなどに精通しているライター/DJとしても知られており、その豊富な音楽知識とDJ的な視点を生かした音作りをする職人的ミュージシャンである。

このアルバムを構成する重要な要素は、クラブ・ミュージックと相性の良いブラジル、アフリカ、インドのパーカッション群。これらの楽器が本来持つ生々しさは、快楽性とスピリチュアル性が追求された結果、良い意味で失われている。また、徹底的にソフィスティケイトされた音は、とてもたおやかに響く。美しいパーカッション群の響きに呼応するのは、Everton Nelson (エヴァートン・ネルソン) による雄大なストリングス。そして、それらの音を下支えするのが、井上薫のプログラミングとキーボードで、全ての素材のミッシング・リンクとして機能している。

Joe Claussell (ジョー・クラウゼル) の影響大である M9 「Aurora」 は、本曲参加の小島大介 (Port Of Notes) と後に結成するユニット名にそのまま採用された名曲。気持ち良過ぎる。これまた良質なトリップ・ミュージックの一つ。それにしても方向性は色々あれど、日本人てのはこういうゴッタ煮のエキゾ音楽が好きだよなー笑。
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by bigflag | 2006-08-27 23:58 | ・Exotic / Ethnic | Comments(2)  

GOMA 「Endless Wonderer」 ('04)

GOMA (ゴマ) はオーストラリア先住民アボリジニの木管楽器ディジュリドゥの可能性を追及する日本人ミュージシャン。GOMA とディジュリドゥの運命的な出会いは1994年。しかし、日本におけるディジュリドゥの情報量の少なさ、 そして、ディジュリドゥを演奏することで生まれる沢山の疑問や解釈を自分自身で確認する為、オーストラリアに渡ることを決意。まず、ディジュリドゥの本場ダ-ウィンを拠点に活動を開始。ディジュリドゥ・ショップ “INDIGENIOUS CREATION” にて働くかたわら、導かれるように聖地アーネムランドヘ。そこでアボリジニーと共に暮らし多くを学ぶ。(オフィシャル参照)

バリ音楽との邂逅を果たした前々作 「Jungle Champlu」、前作 「In A Jungle」 に引き続き、ガムランやケチャ、レインスティック、スリンなどといったバリの民族楽器をフィーチャーしつつも、本作ではアフリカン・パーカッション、チベットのベルなどを取り入れ、さらに色彩豊かなエキゾティック・サウンドに仕上げている。

基本的にはそれぞれの楽器が持つ 「トランス性」 を引き出すことを重視しており、それらを巧みにアンサンブルさせることで、その 「トランス性」 を増幅させる音作りをしている。神秘的、あるいは原始的な音を感じさせる楽器のみがセレクトされているのは、いかにもレイヴ通過後という正しきトリップ・ミュージックの一つの姿。しかし、唯一ノイジーなディジュリドゥの音が、一番気持ち良かったりするもんだから不思議だ。熱帯夜にうってつけの一枚。トベます。ところで、タイトルの 「Wonderer」 は 「Wanderer(放浪者)」 の間違い?(試聴
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by bigflag | 2006-08-24 23:54 | ・Exotic / Ethnic | Comments(2)  

細野晴臣 & 横尾忠則 「Cochin Moon」 ('78)

「コチンの月」 制作のキッカケは以下の3つの出来事だそう。横尾忠則にそそのかされて行ったインド旅行。同じく横尾忠則に聞かされたクラフトワーク。そして、YMOの4人目のメンバーと言われたコンピューター・プログラマー松武秀樹との出会い。いずれも衝撃的な体験だったらしく、このアルバムはそれらの体験の副産物として生まれたものらしい。ちなみに、横尾忠則はアドバイザー的な役回りでの参加 (もちろんアルバム・ジャケットは横尾)、そして、コチンとはインドの最南端に近いところにある都市のこと。

シンセサイザーを多重録音して作り上げた音は、エキゾ三部作ともYMOとも違い、インド風のサイケデリックでミニマルなメディテーション・ミュージックに仕上がっており、クラフトワーク的なテクノポップというよりは、タンジェリン・ドリームのようなジャーマン・エレクトロニクスに近い (インタビューを読むと、タンジェリン・ドリームなどからの影響は無かったらしいけど)。が、ジャーマン・エレクトロニクス的な暗さはなくて、明るいとは言えないまでもドリーミーで、掴みどころのないポップな酩酊感がとても心地良い。

A面 (M1~3) いっぱいに展開される組曲 「ホテル・マラバル」 が上記のようなジャーマン・エレクトロニクスっぽい音で、B面 (M4~6) 収録の曲には現地で録音してきた様々な音が電子的に変形させて使われており、インドへと誘う最高のトリップ・ミュージックとなっている。収録曲の中で頭抜けてポップな 「肝炎」 は、細野印のユーモラスでファンキーな名曲。
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by bigflag | 2006-08-14 22:32 | ・Exotic / Ethnic | Comments(0)  

細野晴臣&イエロー・マジック・バンド 「はらいそ」 ('78)

エキゾチック三部作の三作目。「はらいそ」 とはポルトガル語の 「Paraiso(パライーソ)」 が訛ったもので、隠れ切支丹の間で 「天国 (パラダイス)」 の意味で使われた言葉らしく、過去の二作と比べると現実感が後退して、リゾート感や神秘的だったり幻想的な雰囲気が強まっている。また、この作品ではシンセサイザーが多用されており、その浮遊感溢れる音使いがこうした空気感を演出している。

スティール・パンの音に導かれるように楽園への旅路の始まりを告げる 「四面道歌」。 沖縄民謡をレゲエで味付けした 「安里屋ユンタ」。 YMO結成のキッカケになった 「ファム・ファタール ~妊婦」 は三部作では珍しく妖艶で神秘的な曲。オモチャの鉄琴をガムラン風に叩いてみせた 「シャンバラ通信」 は、チープなリズム・ボックスとの組み合わせが不思議なエキゾティシズムを醸し出しており、リピートして聞いたら現実感を喪失してしまいそう。 「ウォーリー・ビーズ」 は同時期に坂本龍一が作った 「The End Of Asia」 とシンクロニシティを起こした奇跡的な曲で、これも控えめなレゲエ使いが良い。もちろん雰囲気はオリエンタル。そして、滝が流れ落ちるようなシンセサイザーの音使いが心地良すぎる名曲 「はらいそ」 は、エキゾ三部作の締めに相応しい名曲。

前作 「泰安洋行」 のようなファンキー路線の曲も良いけれど、本作では上で紹介したようなチル・アウトできる曲に素晴らしいものが多く、三部作の中では最も涼を得られる作品。YMOの序章的なサウンドという評価も理解できなくはないが、そういう捉え方をするには余りにも惜しい楽園音楽の大傑作。ちなみにこれは完全なソロ作で、バンド名がつけられていることに特別な意味はないらしい (YMOの構想はあったようだけど)。あと、20年の時を経て、森高千里との共作 「今年の夏はモア・ベター」 も生まれることに。
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by bigflag | 2006-08-01 23:04 | ・Exotic / Ethnic | Comments(2)