「ほっ」と。キャンペーン

カテゴリ:・Pop( 12 )

 

Kidda 「Going Up」 ('08)

Fatboy Slim こと Norman Cook の主催する Skint Records からリリースされた、Kidda のデビュー作。「失われていた The Avaranches の 2nd アルバム(かも)」 という mats3003 さん の誘い文句に釣られて手にしたんだけど、こちらの期待に違わぬキャッチーな曲が揃った傑作だった。

ただ、「 Since I Left You 」 にあった郷愁を誘うムードはないので、それは違うだろうと思う人もいるかもしれないが、本作で聞ける柔らかでハッピーなフィーリングには 「Since I Left You」 と通じるものが確かにある。サウンドは Fatboy Slim 系のブレイクビーツ・ポップで、"Gangster Tripping" や "Soul Surfing" (いずれも 「You've Come A Long Way, Baby」 収録の名曲!!) を少しクールダウンして、そこに柔らかでハッピーなフィーリングを加えたような感じだ。

本作に通底する、こうしたフィーリングを感じさせる大きな要因になっているのは、キュートな声使いのセンス。ヴォーカル/ラップ/子供声などが、サウンドに合わせてワイワイとしている感じがとても楽しい。「Since I Left You」 は晩夏に聞きたくなるが、こちらは初夏に聞きたい作品だ。ただ、ひとつ悲しいのは、Herve がリミックスしたバージョンの "Under The Sun" しか話題になっていないこと。あんなリミックスよりも、オリジナルの方が遥かに良いのに!!!(試聴
[PR]

by bigflag | 2009-05-25 22:30 | ・Pop | Comments(0)  

Lily Allen 「It's Not Me, It's You」 ('09)

リリー・アレンの 2nd アルバム。複数のプロデューサーを起用していた前作 「Alright Still」 からは一転して、本作は Greg Kurstin ひとりに任せている (前作では3曲をプロデュース)。リリー・アレンの意向なのか、Future Cut がプロデューサーから外れたためか、そのどちらが要因か分からないけれど、前作にあったレゲエなどのカリブ音楽色は一掃されて、ちょっとレトロなシンセ・ポップで統一されている。僕としては、前作の方がずっと好みなんだけど、こちらも好きであることには変わりない。

まず、印象に残るのは、歌の表現力がすごく豊かになったこと。それは、Carpenters に乗せて放送禁止用語を連呼する(笑)"Fuck You" やキレの良い "Go Back To The Start" を聞くとよく分かる。あと、驚いたのは "Not Fair" で、これがなんとカントリー!!! こんなにもキュートなカントリーは聞いたことがない。しかも、ちゃんと彼女のイメージ通りのガールズ・ポップになってるんですよね。ロマンティックで切ない曲調の "I Could Say" や "Chinese" もすごく良いし、リリーの容姿ふくめて前作よりもずっと女の子してる作品。

   

[PR]

by bigflag | 2009-05-10 00:01 | ・Pop | Comments(0)  

Lily Allen 「Alright, Still」 ('06)

リリー・アレンのデビュー作。ただのバカドルかと思って(笑)、リアルタイムでは聞いてなかったんだけど、Duke Reid 作のカリプソをサンプリングしている曲があると友人に教えられたので、聞いてみたらこれがすごく良かった。お気に入りの曲のほとんどが、Future Cut という人のプロデュース。Future Cut の手掛けた曲は、レゲエなどのカリブ音楽を引用した、とてもイギリスらしいポップ・ミュージックで、そのどれもがポップスとして非常によく出来ている。鼻先で歌うような、Lily Allen の軽やかでキュートなヴォーカルとの相性も良い。

一番のお気に入りは、前述のカリプソ風味のブレイクビーツ・ポップである "LDN"。オリジナルは、Tommy McCook & The Supersonics の "Reggae Merengue" という曲。「Trojan Calypso Box Set」 でオリジナルを聞いていたせいか、"LDN" を初めて聞いた時は妙にテンションが上がってしまった。 しかし、センスの良い音楽に乗せて、かわいい女の子が男の性を嗤った歌詞を力みなくサラリと歌うなんて、そりゃティーンの女の子にバカ受けするってのも当たり前だよなぁ(笑)

   

[PR]

by bigflag | 2009-05-06 23:47 | ・Pop | Comments(0)  

Prefab Sprout 「Andromeda Heights」 ('97)

前作 「Jordan : The Comeback」 からは7年ぶりのリリースとなった、プリファブ・スプラウトの 6th アルバムで、Paddy McAloon によるセルフ・プロデュースで制作された。"Andromeda Heights" という幻想的なアルバム・タイトルは、彼らのスタジオ名をそのまま採用したのだそう。

細部まで作り込まれていた前作とは違って、とてもシンプルなサウンド。ジャジーなサックスやフルートの演奏が前面に出ているため、AOR 色の強い作品に仕上がっている。また、物語性の強いサウンドであり、Paddy McAloon がトシを取ったせいなのか、自分の子供に古い物語を読んで聞かせてあげているような印象だ。その語り口調は、これまでになく穏やかで落ちついたもの。アルバム・ジャケットに写る星型に模られた夜空のように美しい作品なのだが、そのロマンティックなサウンドの裏側には、どこか諦めに似た哀しみのようなものが作中を漂流している。


   

[PR]

by bigflag | 2009-04-29 09:25 | ・Pop | Comments(0)  

Prefab Sprout 「Jordan : The Comeback」 ('90)

プリファブ・スプラウトの 5th アルバム。「Steve McQueen」 以来、久しぶりに全編のプロデュースをThomas Dolbyに任せている。Prefab Sprout のバンド・サウンドは、「From Langley Park To Memphis」 で既に完成しているのだが、それを孤高の地位にまで至らしめたのが本作。また、Paddy McAloon は、Steely Dan に強く影響を受けているらしいのだが、そのことが最もよく分かる作品かもしれない。それほど精緻に作り込まれている。それでいて、甘いメロディも変わらずに溢れているんだから素晴らしい。Prefab Sprout の楽曲は、あくまでもポップ・ミュージックであることを外さない。ポップ・ミュージックであることに迷いがないのだ。

全19曲の大作ながら、過去の作品と似たような曲がないということに驚く。もちろん彼ららしさはあるのだけれど、いずれも創意工夫にあふれた完璧なポップ・ミュージックが並ぶ。たとえば、"Carnival 2000" はサンバを取り入れた楽曲なのだが、「サンバが取り入れられている」 と言われれば、確かにそのことに気付く。だが、これみよがしにブラジル色の強いポップスでは決してない。あくまでも Prefab Sprout によるポップ・ミュージックなのだ。それは、つまり、彼らの音楽が借り物ではないことの証でもある。

それにしても、"All The World Loves Lovers" はその語感の良さにうっとりしてしまうし、極悪非道のならず者として有名な Jesse James をテーマにした組曲はその物語性の高い構成に思わず聞き惚れてしまう。もちろんメロディの美しさは言うまでもない。これまでに紹介したアルバムと少し異なるのは、楽曲をかなり作り込んでいるためか、彼らの作品の中では珍しくクールな空気感が漂っていることだろうか。本作を Prefab Sprout の最高傑作とするファンが多いとのことだが、一番好きな作品かどうかはさておき、それについては異論を挟む余地のない名盤だ。


   

[PR]

by bigflag | 2009-04-27 23:37 | ・Pop | Comments(0)  

Prefab Sprout 「From Langley Park To Memphis」 ('88)

プリファブ・スプラウトの 3rd アルバム。前作 「Steve McQueen」 と同じく、Thomas Dolby をプロデューサーに迎えているが、今回は4曲だけのプロデュースにとどまっており、セルフ・プロデュースによる楽曲も多い。Stevie Wonder や Pete Townshend など、ゲストも豪華。

Prefab Sprout の音楽性が完成された作品。が、しかし、完成すると同時に失ったものもある。それは、前作にあった "青春の影" のようなものだ。また、そうした影というものは、得てして成長と同時に失われてしまうものでもある。そして、失った影と反発するように、Prefab Sprout 史上、最も明るい雰囲気の作品となっており、"Cars And Girls" や "King of Rock 'n' Roll" など、Paddy McAloon のポップ・センスが花開いている。80's らしいシンセサイザーのキラキラとした音がとてもドリーミーで素敵。

あと、作曲家としてのパディ・マクアルーンの素晴らしいところは、手癖で曲を作らないところ。ミドル・テンポの曲やバラードを聞けばよく分かるんだけど、同じような似た曲が全然ない。曲の一つ一つに手間がかけられているので、何回聞いても飽きることがない。たとえば、3曲目の "I Remember That" から "Nightingales" までのように、バラードが並んでいても食傷しないのだ。ケチをつけるとすれば、アルバムのジャケットくらいだが(笑)、音楽そのものは前作に何ら劣ることのない傑作。


   

[PR]

by bigflag | 2009-04-25 23:19 | ・Pop | Comments(0)  

Prefab Sprout 「Steve McQueen」 ('85)

プリファブ・スプラウトは、稀代のソングライターである Paddy McAloon (パディ・マクアルーン) を中心に結成されたロック/ポップ・バンド。本作は、プロデューサーに Thomas Dolby (トーマス・ドルビー) を迎えて制作された 2nd アルバム。

凝り性で気難しそうな Paddy McAloon の性格がそのまま出ている、デビュー作 「Swoon」 も好きなんだけど、Thomas Dolby にプロデュースされたポップな作品がやはり良い。Prefab Sprout の最高傑作といえば、一般的に 「Jordan : The Comeback」 とされることが多いようなのだが、僕が一番好きなのはこの作品。それはひとえに本作から強く香る "青さ" ゆえだ。とりわけ2曲目の "Bonny" 以降で聞けるエバーグリーンな楽曲の数々には、キュッと胸が締めつけられっぱなしになる。また、紅一点である Wendy Smith による透明感のあるコーラスの甘酸っぱさも、本作では際立っているように感じる。霧が立ち込める中、一台のバイクに集う、アルバム・ジャケットに写る若者たち (メンバー) の姿を見れば、この作品の持つ特別な "青さ" が自ずと分かるはずだ。

ネオアコの名盤として取り上げられることも多い作品なんだけど、彼らの音楽がそんな狭いフィールドに止まらないものであることは明白だろう。そもそも Prefab Sprout をネオアコという狭いフィールドで語ろうとすることに無理がある。Paddy McAloon という少し偏屈だが、普遍的なメロディ・センスを持ったソングライターによる、極めて個性的な楽曲は、ひとつのジャンルに寄りかかったような脆弱な音楽とは程遠いからだ。いつだって Prefab Sprout は、彼ら自身にしか作りえない美しいポップ・ミュージックをリスナーへ提供してくれるバンドなんだ。(試聴

   

[PR]

by bigflag | 2009-04-19 12:29 | ・Pop | Comments(4)  

Everything But The Girl 「Love Not Money」 ('85)

前作 「Eden」 に引き続き、Robin Millar プロデュースによる 2nd アルバム。

アコースティックなサウンド、ネオアコであることに変わりはないが、ジャズやラテン/ボサノヴァからフォークロックへと、サウンドの核となる音が変化。ジャズの風味も僅かに残されているが、ロックの疾走感、フォークやカントリーの素朴さを味わえる非常にシンプルなサウンド。こうした変化で浮かび上がってくるのは、フロントマンである Tracey Thorn のパーソナリティ。その凛とした態度や女性らしい柔らかさが、よりサウンドへと反映されている。白眉はオープニングの 「When All's Well」(PV) で、爽やかな風を呼びこんでくれる名曲。ただ、アルバム一番の出来は何かというと、ジャケ写の小便小僧ふたりかもw(試聴
[PR]

by bigflag | 2008-07-15 22:32 | ・Pop | Comments(0)  

Everything But The Girl 「Eden」 ('84)

Everything But The Girl は、Tracey Thorn(トレイシー・ソーン)とBen Watt(ベン・ワット)によるユニット。最近はクラブ・ミュージック寄りの曲を作っているようだけど、このデビュー作では 「ネオアコ」 と呼ばれるアコースティックな音作りをしていた。プロデュースは、Pale Fountains などを手掛けた Robin Millar (ロビン・ミラー)が担当。

控えめで美しいアコースティック・ギターによるシンプルな演奏がサウンドのコア。そして、ヨーロッパらしく極めてスタイリッシュにカスタマイズしたジャズやボッサノヴァなど洒落た演奏で、そのコアを彩る。ジャズ色の強い M1 「Each And Everyone」(PV)、M3 「Tender Blue」、M7 「Crabwalk」、M10 「Fascination」、M11 「I Must Confess」 は、いま聞いても全く古さを感じさせないグルーヴを静かに発している。また、M2 「Bittersweet」 は、ネオアコというジャンルを代表する珠玉の名曲。EBTGの最高傑作。
試聴
[PR]

by bigflag | 2008-07-13 13:19 | ・Pop | Comments(2)  

Pacific! 「Reveries」 ('08)

スウェーデンの二人組による 1st アルバム。2007年のデビュー。スタイルとしては、よくあるエレクトロなインディ・ロックなんだけど、30歳(二人とも)でのデビュー作だからか、他とは一味違う丸みのあるサウンドで、全く尖ってない(笑)。(MySpace

Beach Boys を連想させるハーモニーポップス。スウェディッシュ・ポップ的な日差し弱めの清涼感あふれるメロディ。ホワイト・ファンク経由のミュータントなディスコっぽいノリ。ドン詰まりのインディロック・シーンの中にあって、Pacific! のキラめきあるメロディと再構築の鋭いセンスは、一歩以上抜きん出ている。ジャケ含めて全部良いんだけど、「Sunset Blvd」(YouTube) と 「Number One」(YouTube) はアンセムと呼ぶに相応しい名曲。アルバムで唯一、土臭さが香る 「Silent Running」 を聴くと、彼らにはまだ引き出しがあるように思えるので、次作も期待できそう。(試聴
[PR]

by bigflag | 2008-05-31 14:00 | ・Pop | Comments(2)