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カテゴリ:・久保田利伸を語る( 20 )

 

Such A Funky Thang! -ディスクガイド編- Vol.3

ディスクガイド編・第3弾は、久保田利伸が影響を受けなかった(であろう)と指摘した楽曲をピックアップしました。Kanye West と Andre 3000 によるプロデュース曲は、久保田ファンにも馴染みやすいサウンドだと思いますので、聞いたことのない人は是非聞いてみて下さい!!

◆Timbaland プロデュース◆
 Aaliyah 「One In A Million」('96)
・If Your Girl Only Knew

 Ginuwine 「The Bachelor」('96)
・Pony

 Missy Elliott 「Miss E... So Addictive」('01)
・Get Ur Freak On

 Aaliyah 「Aaliyah」('01)
・Try Again
・Rock The Boat

 Timbaland & Magoo 「Under Construction Part II」('03)
・Naughty Eye


◆The Neptunes プロデュース◆
 Noreaga 「N.O.R.E.」('98)
・Superthug

 Jay-Z 「The Dynasty : Roc La Familia 2000」('00)
・I Just Wanna Love U (feat. Pharrell Williams)

 Kelis 「Wanderland」('01)
・Popular Thug

 Mystikal 「Tarantula」('01)
・Bouncin' Back (Bumpin' Me Against the Wall)

 Clipse 「Lord Willin'」('02)
・Grindin'

 V.A. 「The Neptunes Present... Clones」('03)
・Pharrell Williams (Feat. Jay-Z) / Frontin'


◆Kanye West プロデュース◆
 Jay-Z 「The Blueprint」('01)
・Izzo (H.O.V.A.)

 Alicia Keys 「The Diary of Alicia Keys」('03)
・You Don't Know My Name

 John Legend 「Get Lifted」('04)
・Live It Up

 Kanye Wets 「The College Dropout」('04)
・Through The Wire


◆Andre 3000 (Outkast) プロデュース◆
 Outkast 「The Love Below」('03)
・Hey Ya!

 Kelis 「Tasty」('03)
・Millionaire


◆その他◆
 Afrika Bambaataa 「Planet Rock : The Album」('82)
・Planet Rock

 Gucci Mane 「The State vs. Radric Davis」('09)
・Worst Enemy
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by bigflag | 2010-06-13 21:49 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -ディスクガイド編- Vol.2

ディスクガイド編・第2弾は、久保田利伸が影響を受けた(であろう)と指摘した楽曲をピックアップしました。こうやって並べてみると、名盤ばかりで壮観ですね(笑)

◆ソウル / ファンク◆
 Michael Jackson 「Off The Wall」('79)
・Don't Stop 'Til You Get Enough

 Prince 「Dirty Mind」('80)
・Head

 Curtis Mayfield 「Something To Believe In」('80)
・Tripping Out

 Roger 「The Many Facets Of Roger」('81)
・Do It Roger

 Roger 「Unlimited!」('87)
・I Want To Be Your Man


◆ニュー・ジャック・スウィング◆
 Guy 「Guy」('88)
・Groove Me

 Bobby Brown 「Don't Be Cruel」('88)
・Every Little Step


◆ヒップホップ・ソウル◆
 Mary J. Blige 「What's the 411?」('92)
・What's the 411?

 Mary J. Blige 「My Life」('94)
・Mary Jane (All Night Long)
・I'm The Only Woman / ・Be Happy

 TLC 「Crazy Sexy Cool」('94)
・Creep / ・Diggin' On You
・Waterfalls / ・Red Light Special

 Monica 「Miss Thang」('95)
・Before You Walk Out Of My Life


◆ギャングスタ・ラップ◆
 The Notorious B.I.G. 「Ready To Die」('94)
・Juicy

 2Pac 「Me Against The Wolrd」('95)
・Dear Mama


◆ヒップホップ / ニュー・クラシック・ソウル◆
 A Tribe Called Quest 「The Low End Theory」('91)
・Jazz (We've Got)

 The Roots 「Do You Want More?!!!??!」('94)
・Silent Treatment

 D'Angelo 「Brown Sugar」('95)
・Brown Sugar
・Shit, Damn, Motherfucker
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by bigflag | 2010-06-13 20:00 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -ディスクガイド編- Vol.1

これまでに取り上げた久保田利伸やその他ミュージシャンの楽曲を羅列しておきますので、参考にして下さい。まずは、久保田利伸のオリジナル作品から。

 「Groovin'」('89)
・ダイヤモンドの犬たち

 「The Baddest」('89)
・TIMEシャワーに射たれて / ・Missing
・You Were Mine / ・TAWAWA ヒットパレード

 「Such A Funky Thang!」('90)
・Dance If You Want It / ・Boxer
・Drunkerd Terry

 「The Baddest II」('93)
・Give You My Love / ・Indigo Waltz '93
・ふたりのオルケスタ

 「Bumpin' Voyage」('95)
・女D.J. “FONK”
・6 To 8

 「LA LA LA Love Thang」('96)
・LA LA LA Love Song (feat. Naomi Campbell)
・シルクの愛が欲しくって / ・What's The Wonder?

 「As One」('00)
・As One / ・Bossa Groove / ・My Heart, Homeless Heart
・His Sugar / ・The Sound Of Carnival

 「United Flow」('02)
・My Bad / ・Heaven?
・Because Of U

 「The Baddest III」('02)
・Cymbals

 「Time To Share」('04)
・Beating Of My Heart / ・Living For Today (feat. Mos Def)
・Breaking Through / ・Hold Me Down (feat. Angie Stone)

 「For Real?」('06)
・It's Time To Smile
・君にあうまでは

 「Timelss Fly」('10)
・Star Light
・Is It Over? (feat. Juju) / ・M☆A☆G☆I☆C (feat. Kreva)
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by bigflag | 2010-06-13 17:08 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.17

今年(2010年)、約4年ぶりに新作がリリースされました。前作からこれだけ時間が空いたのは久しぶりのことでした。考えられる理由は2つ。1つは、久保田利伸が好む、ソウルやファンクに端を発する伝統的なブラック・ミュージックが停滞していること。もう1つは、メジャー化/クロスオーバー化が進むと同時に漂白化している流行のR&Bと、バウンスやクランクと呼ばれる Afrika Bambaataa の "Planet Rock" に端を発するエレクトロ・ヒップホップに対して、共感を持てないことにあるのではないかと思います(右下は、サウス・ヒップホップの先端を行く Gucci Mane の "Worst Enemy")。つまり、現在、真似をしたくなるような模範がないということでしょう。そのことは、「Timeless Fly」 というタイトルにも直結しています。

   

前作も肩肘の張らない良作でしたが、今作も同様の雰囲気で非常にポップな内容です。刺激的な内容ではないですが、Juju や Kreva など若手を迎えて、自身の創作の刺激としているように思えます。どれも久保田に余裕のあり過ぎるコラボにはなっていますが、完成度は高く、コラボしたそれぞれのファンにも届くクオリティになっていますので、古参のファンとしては、新規のファンがついてくれればなと思ったりしました(笑)

   

W杯開幕までにはこの連載も終わるだろうとノンビリしていたら、結局、開幕までに間に合いませんでした(笑)。当初の予定よりもアチラコチラと手を伸ばしているうちに、久保田利伸のことを全く書いてない回もあったりしましたが(笑)、書きものは今回で最後です。最後は、マイケル・ジャクソンへのオマージュ曲 "Star Light" でお別れにしようと思います。往年の Quincy Jones のサウンドをトレースした仕上がりです。こんな素敵すぎるオッサンに自分もなりたいもんですねえ。構想3年(ウソですw)、書き始めて約2ヶ月。最後まで懲りずに読んで下さった方々、途中でコメントくれた方々、長々とお付き合いありがとうございました!!!

   

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by bigflag | 2010-06-13 16:32 | ・久保田利伸を語る | Comments(2)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.16

2000年代にリリースされた久保田利伸の作品を聞く限り、サウンド面で影響を受けているとはあまり思いませんが、Kanye West は 00年代における重要なプロデューサーの一人です。サンプリングを利用したサウンド・メイキングと、元ネタを速回しするのがカニエ・プロデュースの特徴です。ソウル回帰したそのサウンドは、Vol.11-12で紹介した Timbaland や The Neptunes に対する反動だったのかもしれません。

左下が、Jay-Z の "Izzo (H.O.V.A.)"('01) で、この曲が Kanye West の出世作です。Jackson 5 の "I Want You Back" が元ネタですが、キッズ・ヴォーカルが無くても愛らしい雰囲気は失われていないことに唸らされます。そして、カニエの代名詞である元ネタの速回しが最もハマったのが、Chaka Khan の "Through The Fire" を使った "Through The Wire"('04)です。これはカニエの大ヒットしたデビュー作に収録されていたもので、聞いたことのあるひとも多いと思います。

   

R&Bのトラックもヒップホップ・プロデューサーが制作する。こうした状況が現在は常態化しているのですが、Kanye West もまたR&Bシンガーに素晴らしい楽曲を提供しています。The Main Ingredient の "Let Me Prove My Love To You" をネタ使いした Alicia Keys による "You Don't Know My Name"('03) や、The Dells の "Love Is Missing From Our Lives" をネタ使いした John Legend による "Live It Up"('04) が個人的なお気に入りです。久保田好きのひとにも気に入ってもらえるのではないかと思います。

   

あと、00年代のブラック・ミュージックといえば、Outkast の Andre 3000 によるイカれたポップ・ファンクも非常に印象的でした。「The Love Below」('03) に収録された "Hey Ya!" や、Andre 3000 が Kelis に提供した "Millionaire"('03) のぶっ飛んだサウンドは、00年代最高のバカに認定して良いのではないでしょうか(笑)。それにしてもアンドレの声はホント最高ですね!!

   

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by bigflag | 2010-06-11 00:53 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.15

ヒップホップ・ソウルとニュー・クラシック・ソウルという理想的な音楽表現を見つけたこともあり、2000年代前半の久保田利伸の動きは非常に精力的でした。「Nothing But Your Love」 に続く英語盤 「Time To Share」 を2004年にもリリースしています。英語盤も3作目ということもあってか、肩に力の入り過ぎていた前作と比べると、久保田利伸の魅力が自然に伝わってくるサウンドに仕上がっています。

日本語で歌っているときと比較すれば劣りはしますが、英語での表現にも違和感がなくなっています。冒頭の "Beating Of My Heart"、Mos Def を迎えたクールなヒップホップ・トラック "Living For Today"、Curtis Mayfield の "Tripping Out" を大ネタ使いした "Breaking Through"、Angie Stone を迎えた "Hold Me Down" など、ソウル色の濃い頭4曲が特に素晴らしい出来です。また、この作品で聞けるベースの鳴りは紛れもなく世界レベルで、太いボトムが形作るディープなグルーヴに思わず腰が動きます。

   

正直なところ、日本人が流暢な英語で本物のソウル・アルバムを作ったところで、アメリカで売れるとは全く思いませんが、10年も前の1995年に始めたアメリカの音楽シーンへの挑戦を続けた、久保田利伸の向上心は尊敬に値します。「Time To Share」 が "ソウル・トレイン" の司会者であったドン・コーネリアスの耳に止まって、同番組への出演が決まったというエピソードは、久保田にとって何よりのご褒美だったのではないでしょうか。

   

「Time To Share」 に続き、2006年には日本盤 「For Real?」 をリリースしています。この作品も00年代以降の同路線ですが、さすがに同系統のものが5作も続いたせいか、マンネリ化しています。とはいえ、朗らかなソウル・ポップスである "Riding To The Sight"、色気が静かに立ち上ってくる "It's Time To Smile"、リズミカルな言葉使いがグルーヴする "君にあうまでは" など佳曲が揃っており、久保田利伸の魅力は十分に感じ取れる良作です。この辺りになると、流行云々よりも自分らしさを自然に出すことに注力しているように感じます。

   

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by bigflag | 2010-06-10 00:46 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.14

アメリカの音楽シーンからは遅れることにはなりましたが、ヒップホップ・ソウルやニュー・クラシック・ソウルなどの影響を受け、久保田利伸の音楽活動は、2000年代に入ると同時に再び活発化していきます。ヒップホップ・ソウルやニュー・クラシック・ソウルの求道者と化した、2000年以降の6年間は第2の充実期と言えるでしょう。ちなみに、久保田の作品を聞く限り、Vol.11-12で紹介した Timbaland や The Neptunes はあまり趣味ではないようです(笑)

まず、2000年の6月、5年ぶりの米国盤 「Nothing But Your Love」 をリリースします。この作品は、Vol.8 で触れた The Roots や Tony Toni Tone の Raphael Saadiq などをプロデューサーに迎えて、完全なニュー・クラシック・ソウル仕様に仕上げられています。ただ、残念ながら、仏作って魂入らずという感じで、英語表現の壁の高さを依然として強く感じてしまいます。この作品で重要なことは、ヒップホップのビートを本格的に導入したことをきっかけに、歌い上げるような以前のヴォーカル・スタイルは封印して、ビートと一体化するようなヴォーカルへと変化させたことだと思います。

同年の9月、4年ぶりの日本盤 「As One」 をリリースします。これが本当に 「Nothing But Your Love」 と同時期にリリースされた作品かと思うほど非常に充実した内容で、米国を意識しすぎた窮屈さがなく、久保田らしさが存分に出ています。オープニングから5曲目の "His Sugar" までは、モダン・ソウルを日本語で完璧に消化した名盤です。Vol.9 で触れた、Monica の "Before You Walk Out Of My Life" の影響を感じさせる "Bossa Groove" も、明らかにグルーヴが進化しています。そして、6曲目以降、曲のクオリティがバラつくあたりも久保田利伸らしいといえばらしいのです(笑)

   

また、00年代の久保田利伸は、ヴォーカリストとしての進化を追求した時期でもあります。そして、その試みは2002年の 「United Flow」 で結実しています。線の細いヴォーカルに物足りなさを感じる面もありますが、"My Bad" や "Heaven?"、"Because Of U" で聞ける繊細なリズム感と色気にはクラクラさせられます。あと、この作品には、Mos Def と共演した "無常" も収録されています。Mos Def とはマブダチなんだとか。

   

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by bigflag | 2010-06-07 23:52 | ・久保田利伸を語る | Comments(2)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.13

Timbaland や The Neptunes が全米を席巻していた1998年、Misia の "つつみ込むように" のヒットをきっかけに、ここ日本でも遂にR&Bブームが起こります。久保田利伸のコツコツとした種まきが実を結んだというよりは、ブラック・ミュージックがヒット・チャートを覆うようになったアメリカの影響が遅れてやってきた、という認識が正しいでしょう。UA の "情熱" が1996年にスマッシュ・ヒットしていましたし、ブームを受け入れる下地が少しずつ整っていたのです。

   

そして、女性ディーバ・ブームを決定的にしたのが宇多田ヒカルのデビューです。自作のトラックのレベルの高さもさることながら、宇多田ヒカルのヴォーカリスト、作詞家としての卓越したリズム感は衝撃的でした。宇多田ヒカルはR&Bシンガーに限定されるミュージシャンではありませんが、R&Bシンガーとしても十分なリズム感を備えた、日本では稀有なシンガーです。デビュー曲の "Automatic" も名曲ですが、Timbaland も射程に入れた(自分でチキチキ言ってますねw) "Addicted To You" には本当に驚かされました。

   

元旦那の悪趣味なPVはさておき(笑)、テクノっぽい疾走感のある "Travelling"('01) も日本のヒット・チャートではあまり聞いたことがないものでしたし、ラテン・グルーヴを取り入れた "Letters"('02) はライミングもキレキレで、宇多田ヒカルの天才っぷりが存分に発揮された曲だと思います。こうしたディーバ・ブームをきっかけにして、本格的なR&Bが日本に根付くことはありませんでしたが、日本のヒット・チャートで、R&B風味の曲が爆発的に増えていくことになりました。

   

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by bigflag | 2010-06-05 16:35 | ・久保田利伸を語る | Comments(3)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.12

前回紹介した Timbaland の登場から2年後の1998年、Timbaland と同じヴァージニア州出身で、Pharrell Williams と Chad Hugo の二人からなる、The Neptunes が頭角を現します。彼らも Timbaland と同じく、90年代末期から00年代前半にかけて、ブラック・ミュージックの領域拡大に寄与したプロデュース・チームです。

The Neptunes の出世作といえば、Noreaga の "Superthug"('98) ですが、今までに紹介してきたヒップホップと同じものとは思えません。ヒップホップというフォーマットを利用して、好き放題に曲を作っているのです。こうした強い雑食性は、以前ならロックの専売特許でしたが、いまやその特性はヒップホップの方が遥かに強くなっています。Timbaland や The Neptunes がロック・リスナーに好かれたのも、こうしたことに理由があるのです。強く跳ね上がるバウンス・ビートが持つ強い中毒性のインパクトは絶大でした。Mystikal の "Bouncin' Back"('01) も同じ路線の曲ですが、よりファンク色が強く出ていています。

   

一度名前が売れると、大物ミュージシャンから声をかけられるのが世の常です。The Neptunes は、大物との共演でも非常に良い仕事をしています。特に、Jay-Z との相性は良く、"I Just Wanna Love U"('00) や "Frontin'"('03) などの共演を通じて、Pharrell Williams 自身、怪しくもチャーミングな声を披露しながら(笑)スターダムを駆け上がっていきます。Snoop Dog と共演した "Beautiful"('03) も "Frontin'" と同路線の名曲です。

   

Timbaland に Missy Elliott や Ginuwine といったファミリー的な存在がいたように、The Neptunes にも Clipse と Kelis がいました。Afrika Bambaataa の "Planet Rock" が遙か遠くに見える、Clipse の "Grindin'" のスカスカなエレクトロ・ファンクと、突き抜けたポップ感とフューチャリスティックな世界観を備えた Kelis による "Popular Thug" は、彼らのベスト・ワークのひとつだと思います。

   

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by bigflag | 2010-06-04 01:01 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.11

"LA LA LA Love Song" が大ヒットした1996年、ヒップホップ/R&B シーンに新たな潮流が生まれています。これまでに紹介してきた、ヒップホップ・ソウルやギャングスタ・ラップなどは、過去のソウルやファンクをサンプリングしたサウンド・メイキングが特徴でした。ただ、それらがビッグ・ビジネスになるにつれて、サンプリングの許諾料は年々高騰していました。こうした状況を反映して、自作のトラックを提供できるプロデューサーが求められるようになっていたのです。

このような時代背景を元に頭角を表したのが、Timbaland こと Tim Mosely です。強調されたハイハット音とシンコペーションするビート、通称 "チキチキ・ビート" と呼ばれた独自のサウンドで、既存のヒップホップや R&B とは異なる、オルタナティブなビート・ミュージックを提示しました。この異能のプロデューサーがシーンにもたらしたものは、リズムの革新にとどまらず、ブラック・ミュージックの領域を飛躍的に拡張させた、という点において非常に重要だったと言えます。

Timbaland の出世作となったのが、Aaliyah の "If Your Girl Only Knew"('96) です。床を這いずり回る爬虫類を想起させる、ある意味で悪趣味なベースラインを伴ったサウンドは、当時のシーンに衝撃を与えました。Timbaland の相棒的存在である Missy Elliott の "Beep Me 911"('97) も同様のサウンドです。さらに、サウンド以上に衝撃的なのがこちらのPVです。独特のベースラインそのままの悪趣味な未来観で、日本人には想像不可能な世界です(笑)。そして、Ginuwine による "Pony"('96)。この3曲は Timbaland の初期の代表作で、いずれも高い中毒性を持つ、サイバネティックなファンク・ミュージックです。

   

この後、Timbaland は自身のビートと、ロック、クラブ・ミュージック、エスニック・ミュージックなどを折衷し、さらなる進化を遂げます。三味線とタブラをループさせたエスニックなサウンドと、"これからみんなでメチャクチャ歌って騒ごう騒ごう" という日本語のセリフが話題になった、Missy Elliott の "Get Ur Freak On"('01) が、そうしたサウンドの代表曲です。Timbaland & Magoo 名義でリリースされた "Naughty Eye"('03) も、インド風味のティンバ・サウンドがクセになる一曲です。

   

Timbaland が全面的にプロデュースしたわけではありませんが、Aaliyah の遺作である 「Aaliyah」('01)は、Timbaland プロデュースの到達点と言える傑作でした。Timbaland の変態ビートと Aaliyah の持つエレガンスが見事なケミストリーを生んだ "Try Again" は、Timbaland の最高傑作のひとつでしょう。また、Timbaland のプロデュース曲ではありませんが、洗練を極めに極めた "Rock The Boat" は、00年代における R&B 最高の一曲だと思います。

   

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by bigflag | 2010-05-31 01:27 | ・久保田利伸を語る | Comments(2)