カテゴリ:・マンガ( 16 )

 

2006年の漫画ベスト10

作者の名前順に思いつくまま10作品。ベストというか一番の衝撃作は富沢ひとしのユミハリ。

1. 石川雅之 「もやしもん」 (講談社 / イブニング / 4巻)

菌が見える主人公による農大コメディ。紹介してくれた mats さんに感謝。

2. オノナツメ 「not simple」 (小学館 / IKKI / 全1巻)

ぺんぎん書房が倒産したため未完だったが、書き下ろしを加えて完全版で再発売されてホッ。すぐ近くてどこまでも遠い人を追い続ける青年イアンとイアンを見守る作家ジムの話。イアンのどうしようもない不幸な生い立ちと人生。水平線のように真っ直ぐで空ろなイアンの視線が唯一の救い。不幸すぎる設定の割に読後感が良いのは、作者の構成の妙。

3. 黒田硫黄 「あたらしい朝」 (講談社 / アフタヌーン / 未発売)

第二次世界大戦中のドイツが舞台で、不良青年2人と女の子が主人公。まだ何とも言い難いけど、大王好きなので期待も込めて。

4. 志村貴子 「青い花」 (太田出版 / マンガエロティクスF / 2巻)

鎌倉にある2つのお嬢様学校が舞台。表紙の淡い水彩画が作品そのもの。揺れ動きまくってる"ふみちゃん" はずっとあんな感じなんだろうけど、あーちゃんが今後どうなってくのかがとても楽しみ。

5. 富沢ひとし 「特務咆哮艦ユミハリ」 (WEBコミック GENZO / 3巻)

複数の時代がある同じ空間に同居している世界が舞台。相変わらずの生臭くてグロい絵と無常な世界観、突き抜けた想像力で読者の大半は置いてけぼりw。でも、読まずにいられない。

6. 日本橋ヨヲコ 「少女ファイト」 (講談社 / イブニング / 1巻)

中学生の少女、大石練を中心としたバレーボール群像劇。主人公が台風の目となって、ウワーっと大きなウネリとなって盛り上がってく話を描かせたら、日本橋ヨヲコはほんと面白い。

7. 藤子・F・不二雄 「みきおとミキオ」 (小学館 / 全1巻)

祝・再発!!! で、オバQはいつ???

8. 緑川ゆき 「夏目友人帳」 (白泉社 / LaLaDX / 2巻)

妖怪が見えてしまう高校生・夏目タカシが主人公。同じ能力を持っていた祖母が妖怪たちから奪った名前を、タカシが奪われた妖怪たちに返していくという妖怪マンガ。妖怪とのバトル漫画 ではなくて、妖怪たちとの交流を描く優しいストーリー。相棒はニャンコ先生という招き猫に憑依した妖怪でボケ役。異界の相棒がボケ役ってのを初めにやった人は天才だなあw

9. 三宅乱丈 「イムリ」 (小学館 / コミックビーム / 未発売)

異世界SFストーリー。ペットもそうだったけど、相変わらず超能力描写が印象的。

10. よしながふみ 「大奥」 (白泉社 / 月刊メロディ / 2巻)

江戸城の大奥を描いた時代劇。は時代劇でも男女逆転ものw。話が設定負けしてないのはさすが。吉宗をあれだけ見事に颯爽と登場させた一巻がプロローグなんだもんなあ。

次点は強烈な終わり方をした 「最強伝説 黒沢」 かな。打ち切りだったのかはよく知らないんだけど、あれはインパクトがあったよなあ。ほんと唐突でビックリしたもんw。あとは久し振りにハマったのが、あだち充で 「クロスゲーム」。「ラフ」 以来の傑作になりそうな予感あり。

2005年のベストに入れた伊藤悠 「皇国の守護者」、山口貴由 「シグルイ」、平本アキラ 「俺と悪魔のブルーズ」、山田芳裕 「へうげもの」 は引き続き毎回が楽しみな作品。あと、下書きみたいな絵で雑誌に載せるのは勘弁して欲しい。潔く休ませてあげてよ。ヒストリエとか酷かったもんなあ。まあ、あんな状態のハンター×ハンターを掲載させるジャンプの酷さに勝るもんはないけどさw
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by bigflag | 2007-01-11 01:20 | ・マンガ | Comments(2)  

藤子不ニ雄A 「ブラック商会 変奇郎」 ('76-'77 週刊少年チャンピオン)

都心に佇む奇怪な骨董品店 “変奇堂”。 店主 「変奇左ェ門」 の孫 「変奇郎」 は超能力の持主で、悪人達を懲らしめる “ブラック商会” を営んでいた。底意地の悪い中学生・変奇郎が超能力と不思議な古道具を使って、悪人・小悪人からカツアゲして小遣い(と言うには多い!)を稼ぐ、という少年漫画にあるまじきトンデもない話(笑)。交渉における変奇郎の表情や"したたかさ"、変奇郎が悪人に差し出す手書きの領収書(*1)、オカルティックな魅力に溢れる骨董品 (*2) など、A氏の持つブラックな側面を存分に楽しめる傑作。藤子不ニ雄Aランドで全6巻。


個人的に好きな話は、「ひき逃げ」 「万引き」 「ステッキ仕掛け人」 「ピラニアの歯」 「ウィリアム・テルの刑」 「マグネチックメタル」 あたりかな。下の請求書を見たら、何となく分かってもらえると思いますが、やっぱり請求書のある回が断然笑える。下にはないけど、どこから出てきたのか分かんない交通費やら雑費など、手数料が不条理に高い(笑)
*1
たとえば 「マグネチックメタル」 の回の領収書だと・・・
・サングラス様 / 請求 100万円
<内容>不法シンニュウ代 (5万円)、おじいちゃんケガ代 (15万円)、
      部屋チラカシ代 (10万円)、白い粉あずかり代 (70万円)
*2
骨董屋に並べられている商品のほとんどがA氏所有の 「変コレクション」 に実際あるんだとか!
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by bigflag | 2006-02-12 21:21 | ・マンガ | Comments(0)  

2005年の漫画ベスト10

やろうやろうと思って忘れていた昨年の漫画ベスト10。

1. 浅野いにお 「ソラニン」 (小学館 / ヤングサンデー / 1巻)

文系メガネ・ロック漫画の王道を突っ走るのかと思いきや。。。チャコちゃん好きなら必読の方向に?
2. 吾妻ひでお 「失踪日記」 (イーストプレス / 書き下ろし / 全1巻)

ホームレス生活。アル中。など悲惨なことが書かれているが、読者 (作者含め) に向こう側を全く想像させない/感情移入させない、何とも不思議なノンフィクション漫画。
3. 伊藤悠 「皇国の守護者」 (集英社 / ウルトラ・ジャンプ / 2巻)

佐藤大輔の小説が原作。日本風の皇国とロシア風の帝国の戦争ドラマ。
4. 朔ユキ蔵 「ハクバノ王子サマ」 (小学館 / スピリッツ / 2巻)

前作 「つゆだく」 との落差が、と思う暇なくタカコサマに萌える毎週月曜日。
5. 仲能健児 「猿王」 (モーニング)・・・全1巻

今年、青林工芸舎が復刻。連載は94年。簡単に言うと、日本人旅行者が訳の分からん猿に追いかけ回されるという話。と紹介すると、内容と全然違ってしまう気も。傑作オカルト漫画。妙にユーモラス (絵も含め) なのが余計に怖い。
6. 平本アキラ 「俺と悪魔のブルーズ」 (講談社 / アフタヌーン / 2巻)

1920年代末のアメリカ南部・ミシシッピ州デルタ地帯から物語は始まる。十字路での悪魔との取引後に一変する世界観が大変なことに!!!
7. 古谷実 「シガテラ」 (講談社 / ヤングマガジン 全6巻)

前作 「ヒミズ」 が影なら、これは光。合わせて読むべき傑作。
8. 細野不二彦 「ヤミの乱波」 (講談社 / イブニング / 2巻)

戦後間もないアメリカ統治下の日本が舞台。ヤミに埋もれた歴史の中でのハードボイルド・アクション。やり過ぎ感のある赤軍兵士はご愛嬌か(笑)
9. 山口貴由 「シグルイ」 (秋田書店 / チャンピオンRED / 5巻)

南條範夫の残酷歴史小説 「駿河城御前試合」 を原作に、作者が輪をかけて残酷に美しく描いた剣豪物語の大傑作。読みながら震えが来る唯一の漫画。死に狂う武士道。
10. 山田芳裕 「へうげもの」 (講談社 / モーニング / 1巻)

安土桃山時代。茶道に魂を奪われた男、古田佐介(織部) の話。突き抜けた物欲描写が楽し過ぎる。過剰にデフォルメされた絵も今作ではイキイキ。
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by bigflag | 2006-01-31 00:01 | ・マンガ | Comments(4)  

今週のヤングジャンプ

「ギャルコン!ネクサス 萌え萌え★じゃぱん 北日本・東日本編」 (ものすごいタイトルだなw) というグラビア企画をパラパラ流し見していると、佐々木希というスゴく可愛い女の子が載っていて、ちょっと緩めに開いた口が魅力的でした。佐々木希ちゃんに携帯を向けて思わずパシャリ。画像を保存してしまった。。。厨房か、俺はw

あと、漫☆画太郎の「聖☆おじさん」も必見。ところで、本宮ひろしのパロディー漫画はどうなったんだろう? 画太郎は何度か物語を仕切りなおす為に、これまでのストーリーを無かったことにしているが、今度は作品自体が無かったことになったんでしょうかね?笑
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by bigflag | 2005-07-01 19:13 | ・マンガ | Comments(0)  

『MASTERキートン』,他人の横槍で絶版中

「YAWARA」 とか 「パイナップル・アーミー」 が絶版になってないのに、キートンだけが絶版状態になってんのは変だなあ、と思っていたら、こういうつまんねえ事情があったんですね。出版元の小学館には、もっとしっかりとしてもらいたいもんです。

っつうか、勝鹿北星お亡くなり? えっ? 「イリヤッド ~入矢堂見聞録~」 の原作書いてる東周斎雅楽って、勝鹿北星と同一人物じゃなかったのかよ・・・調べたら、2004年12月7日に癌のためお亡くなりになっていたようだ。ご冥福をお祈りします。あと、東周斎雅楽は 「プルートゥ」 の原作者で知られる長崎尚志のペンネームらしいですね。長崎尚志はキートンにも関わっていたようなので、納得しました。"山の老人" なるオカルトの扱い方が絶妙!  
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by bigflag | 2005-05-22 14:05 | ・マンガ | Comments(2)  

藤子・F・不ニ雄 「流血鬼」 ('78 少年サンデー)

主人公の少年が、吸血鬼を先の尖った木の杭で、突き刺すシーンから物語は始まる。世界は吸血鬼の脅威にさらされている。すでに多くの土地が吸血鬼の支配下に置かれてしまっている。それは少年の住む街も例外ではない。ひとり吸血鬼に抵抗を続ける少年の前に、ある日、吸血鬼と化したガールフレンドが現れ、そして語りかける。「人間の世界は終わった」と。さらに「血を吸わせてほしい」と。

しかし、その少女の目的は少年を絶望させることではない。少年を救いに来たんだ。血を吸われた人間は、吸血鬼ウィルスに伝染し、吸血鬼と化す。が、それは死を意味しない。生まれ変わりを意味する。旧人から新人への生まれ変わる儀式だ。少年と少女の出会いが、旧人(人間)と新人(吸血鬼)の対比を加速させる。新人に対抗するために、旧人は尖った杭で胸を突き、容赦なく殺そうとする。排除しようとする。そんな残虐な旧人を新人は「流血鬼」と呼ぶ。一方で、新人は旧人を取り込もうとする。つまり仲間にしようとする。“血を吸う”という行為は、旧人には残酷に映るが、それは決して旧人を排除しようとする行為ではない。

結局、少年は少女に首筋を噛まれてしまい、「吸血鬼」となってしまう。一時的な仮死状態から目を覚ました少年の世界は変わる。旧人であった頃の少年ならば、少なからず不気味に感じたであろう「赤い目」や「青白い肌」や「夜」に、新人へと生まれ変わった少年は、それらに「美しい」という新たな価値観を見出して、この物語は終わる。わずか40ページの物語で、これほど見事にパラダイムシフトの瞬間を描き切った作品はそうはないと思う。吸血鬼をモチーフにした数多くの作品の中でも逸品である。
*参照(藤子不二雄GALLERY
  
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by bigflag | 2004-12-01 21:59 | ・マンガ | Comments(3)