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髪結いの亭主 / Le Mari De La Coiffeuse ('90 フランス)

監督 : パトリス・ルコント
出演 : ジャン・ロシュフォール (アントワーヌ)、 アンナ・ガリエナ (マチルド)

少年の頃から女美容師と結婚することに憧れていたアントワーヌ。憧れ続けて、ついには中年まで独身でい続けることに。だが、ある日ついに理想の女美容師マチルドと出会う。

男と女の関係を極端にデフォルメした映画。男の肥大化したフェティッシュを全て受け入れてくれる女。美しくあり続けたい、愛され続けたい、恋し続けたい、という女の肥大化した自我を全て受け入れてくれる男。完璧な愛なようでいて、完全に壊れた愛。が、監督はそのことに自覚的であるのかどうか、何だか微妙な気も。これが究極の愛だーなんて言ってそうなのも。ちょっと。。。ルコント作品はこれしか見たことがないので断言はしかねるが、この監督さんはどこかヌケてる気がするなあ。なんか物足りない。オシャレ度は高いです。
 シェーファー夫人はともかくw、とてもとても綺麗なマチルダ。
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by bigflag | 2006-01-31 23:56 | ・映画 - ヨーロッパ | Comments(6)  

2005年の漫画ベスト10

やろうやろうと思って忘れていた昨年の漫画ベスト10。

1. 浅野いにお 「ソラニン」 (小学館 / ヤングサンデー / 1巻)

文系メガネ・ロック漫画の王道を突っ走るのかと思いきや。。。チャコちゃん好きなら必読の方向に?
2. 吾妻ひでお 「失踪日記」 (イーストプレス / 書き下ろし / 全1巻)

ホームレス生活。アル中。など悲惨なことが書かれているが、読者 (作者含め) に向こう側を全く想像させない/感情移入させない、何とも不思議なノンフィクション漫画。
3. 伊藤悠 「皇国の守護者」 (集英社 / ウルトラ・ジャンプ / 2巻)

佐藤大輔の小説が原作。日本風の皇国とロシア風の帝国の戦争ドラマ。
4. 朔ユキ蔵 「ハクバノ王子サマ」 (小学館 / スピリッツ / 2巻)

前作 「つゆだく」 との落差が、と思う暇なくタカコサマに萌える毎週月曜日。
5. 仲能健児 「猿王」 (モーニング)・・・全1巻

今年、青林工芸舎が復刻。連載は94年。簡単に言うと、日本人旅行者が訳の分からん猿に追いかけ回されるという話。と紹介すると、内容と全然違ってしまう気も。傑作オカルト漫画。妙にユーモラス (絵も含め) なのが余計に怖い。
6. 平本アキラ 「俺と悪魔のブルーズ」 (講談社 / アフタヌーン / 2巻)

1920年代末のアメリカ南部・ミシシッピ州デルタ地帯から物語は始まる。十字路での悪魔との取引後に一変する世界観が大変なことに!!!
7. 古谷実 「シガテラ」 (講談社 / ヤングマガジン 全6巻)

前作 「ヒミズ」 が影なら、これは光。合わせて読むべき傑作。
8. 細野不二彦 「ヤミの乱波」 (講談社 / イブニング / 2巻)

戦後間もないアメリカ統治下の日本が舞台。ヤミに埋もれた歴史の中でのハードボイルド・アクション。やり過ぎ感のある赤軍兵士はご愛嬌か(笑)
9. 山口貴由 「シグルイ」 (秋田書店 / チャンピオンRED / 5巻)

南條範夫の残酷歴史小説 「駿河城御前試合」 を原作に、作者が輪をかけて残酷に美しく描いた剣豪物語の大傑作。読みながら震えが来る唯一の漫画。死に狂う武士道。
10. 山田芳裕 「へうげもの」 (講談社 / モーニング / 1巻)

安土桃山時代。茶道に魂を奪われた男、古田佐介(織部) の話。突き抜けた物欲描写が楽し過ぎる。過剰にデフォルメされた絵も今作ではイキイキ。
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by bigflag | 2006-01-31 00:01 | ・マンガ | Comments(4)  

薄化粧 ('85 日本)

監督 : 五社英雄
出演 : 緒形拳 (坂根藤吉)、 浅利香津代 (坂根ふくみ@妻)、 藤真利子 (内藤ちえ@恋人)、
     浅野温子 (地所テル子@愛人1)、 宮下順子 (仙波すゑ@愛人2)、
     松本伊代 (仙波弘子@すゑの娘)、 竹中直人 (氏家正肋)、 川谷拓三 (真壁一郎)、

坂根藤吉は愛人家族 (仙波家) をダイナマイトで爆殺した罪などで投獄される。が、、、昭和27年、刑務所を脱走した坂根は、素性を隠し各地の飯場を転々と渡り歩きながら、逃亡生活を送ることに。原作は、実際にあった事件を元に、西村望が書いた同名小説。

金を手にしたことで、欲望 (ほとんど性欲) への歯止めが効かなくなり、と同時に理性さえも失ってしまう、という物語。男の狂気を描いた映画として見ると、緒形拳の好演はあるものの、さほど秀でたものではないように思う。が、男の女への歪んだ情欲が一人の女との出会いによって、人格が純化されていく純愛ものとして見ると、藤真利子という女優の存在ひとつで、何だか妙に説得力のある映画だった。藤真利子さんの無駄のない顔もステキ。

 そもそも若い頃の浅野温子を見たくて、この映画を見たんですよね。テレビ欄で 「浅野温子」 と 「85年」 を見ただけで、条件反射的に予約してましたからw。「ママハハブギ (89年)」 で見た (再放送) めちゃキレイな浅野温子に衝撃を受けた人間の悲しい性。。。この映画でも当然のごとくキレイ。松本伊代の太モモも拾いモノw。ここで、松本伊代が当時のことに少しだけ触れてます。
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by bigflag | 2006-01-29 23:55 | ・映画 - 日本 | Comments(6)  

Mute Beat 「Still Echo」 ('87)

ミュート・ビートは日本のレゲエ/ダブ・バンド。結成は82年。これは86年から87年にかけてリリースされた3枚の12インチを1枚に編んだもの。また、同じ年に発売された1st アルバム 「Flower」 のひと月前に出されたものでもあるため、1st のプレ・アルバム的存在。

ミュート・ビートを聞いて印象に残るのは、やはり小玉和文の空気を切り裂くような、というよりは、空気に溶け込むようなメロディを奏でるトランペット。ひとつの楽器の印象の残り方が(*)、一般的なスカやレゲエ (ルーツ・レゲエ) と比較すると、かなり突出しているという意味で、レゲエ・バンドとしては特異な存在である。(*アルバムが進むにつれ、よりトランペットの残す印象は強くなる)

後期のような洗練されたダブ・サウンドこそ聞けないけれど、「Lover's Rock」 をリリースする頃には退歩した静かなる躍動感が脳に響く。聞いていて、ちょっと気疲れするくらいにヘビーな後期の音よりも、このアルバムが個人的には一番好きだ。1曲1曲の個性が圧倒的である。「Coffia」 なんかスカとしては、そうとう変てこりんだ。エコーが効いててカッコいい。M2 や M4 は音にいちいちキレがあってスリリングだし、後期に通ずる M3 や M5 の日本でしかありえないメロディも最高である。Augustus Pabloのメロディカが聞ける 「Still Echo (Melodica Mix)」 もスゴい。ジャマイカ人の吹くメロディカが、ミュート・ビートを聞くと脳を過ぎる日本的原風景を邪魔するどころか、全く自然に馴染んでいる。(試聴

リリース時のメンバーは、小玉和文(Tp)、 増井朗人(Tb)、 朝本浩文(Key)、 松永孝義(B)、屋敷豪太(Dr/Per)<*>、 今井秀行(Dr/Per)、 宮崎泉(Dub Mix)の7人。こう並べて見ると、なかなか豪華なメンツですねえ。<* 「Flower」 発売時には脱退。その後、Soul ⅡSoul や Simply Red で活動。>
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by bigflag | 2006-01-28 18:08 | ・Reggae / Dub | Comments(4)  

ブロウ / Blow ('01 アメリカ)

監督 : テッド・デミ
出演 : ジョニー・デップ (ジョージ・ユング)、 ペネロペ・クルス (マーサ・ユング)

1960年代後半、カリフォルニアでドラッグの密売を始め、大物になっていくジョージ・ユングの
半生を描いたノンフィクション映画。70年代後半のアメリカで出回っていたコカインの
70~80%がジョージ・ユングの提供するものだったんだとか。あらすじ以上のものは特になし。
 ペネロペ・クルス!!! 金髪は全然似合ってなかったけどw
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by bigflag | 2006-01-23 21:53 | ・映画 - アメリカ | Comments(0)  

アカルイミライ ('03 日本)

監督 : 黒沢清
出演 : オダギリ・ジョー (仁村雄二)、 浅野忠信 (有田守)、 藤達也 (有田真一郎@父)、
     笹野高史 (社長)、 小山田サユリ (仁村美穂@妹)、 はなわ (高木ケン)

おしぼり再生工場のバイトで日銭を稼ぐ日々を送る雄二と守。人とコミュニケーションを取るのが苦手で、カッとなったら訳が分からなくなる雄二に、守はある合図を教える。

水槽の中で過保護に飼われて過ごしながら、飼い主からの過干渉を嫌うクラゲのような若者たち。また、クラゲたちの唐突で内面なき攻撃に戸惑う大人たち。両者に通底するのは、極端なナイーブさと無神経さ (それらが現れる時は違えど)。ここで描かれる世代間のあまりに深い断絶は、大人と若者とが相互理解する不可能性をいまさら提示する、ということではなく、例え大人と年長者とが理解しあえなくても、大人が若者に生き抜く術を教えることくらいは出来るんじゃないのか。「理解」 はなくとも 「共存」 や 「継承」 は出来る。お前ら、それくらいは出来るだろうって、監督の問い掛けが聞こえてきたような気がした。それが今できるアカルイミライ?
 クラゲはオシャレ・アイテムなのか?
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by bigflag | 2006-01-22 00:59 | ・映画 - 日本 | Comments(6)  

Karl Drewo 「Clap Hands Here Comes Charlie」 ('61)

ジャケ買いしたCDなので、このカール・ドレヴォというテナー奏者についてはウィーン出身という以外には、ほとんど分からないんだけど、コレかなり良いです。それもそのはずで、このアルバムを復刻させたのは、Rearward Schema で、Nicola Conte なんかで有名なあの Schema のサブレーベルにあたるところ。そして、復刻させようって言い始めたのは Gerardo Frisina。まあ、これで悪いわけがない。

テナー、ピアノ、ベース、ドラム+3人のトロンボーンという何とも魅力的なメンバー構成。セプテット(7人編成)ってやつですよ。ヨーロピアン・ジャズ的スムースなスウィング感がとんでもなく 心地良い。カール・ドレヴォの性格がそのまま出ていそうな、真っ直ぐで一本気なテナーが全てを導いている。特に3本のトロンボーンのアンサンブルが、こちらの聞きたいタイミングで出てくるのも嬉しい。

どれもノリが良く楽しい曲。Sahib Shihab (サヒブ・シハブ)や Francy Boland (フランシー・ボーラン/このアルバムにも参加。もちろんピアノで!) が好きな人、あるいは最近の nu jazz ブームで、ヨーロッピアン・ジャズが気になっている人であれば是非。ちなみにタイトルの 「Charlie」 は、アメリカ人の友達がカール・クレヴォのことをそう呼んでいたアダ名らしい。ジャケも素敵でしょう?
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by bigflag | 2006-01-21 17:41 | ・Jazz / Latin | Comments(2)  

府内某所、ホテル地下一階のカフェにて

カワイイ女の子とお茶してる漫画家の江川達也を見かけました。テレビ通りの汚いヒゲづらと江川達也がいかにも好きそう、という弱冠ロリの入った女性 (20代後半くらい?) だったので、思わず吹き出しそうになったw。わざわざ大阪まで来ないと不倫もできないのなら (不倫かどうか知らないけど)、有名人も大変やなあ、とは別に思わなかったけど、トシ食ってから若くてカワイイ女の子(恋人であろうとなかろうと) と2人っきりでお茶できるのは良いなあ、と未来を想像してみたり、「府内某所」 というのはどうも語感が悪くて嫌だなあ、と思ったり。やっぱり 「都内某所」 の方が断然、響きが良い。
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by bigflag | 2006-01-19 01:33 | ・徒然記 | Comments(6)  

Prince 「1999」 ('82)

ひとつ前のエントリーで紹介した「Controversy」に続く、殿下の5枚目のアルバム。前作に引き続きワンコードのミニマル・ファンクも健在。が、音を削ぎ落としていた前作とは真逆の派手な音使い。アホみたいにシンセが多用されてますw。それこそ 「躁状態」 とでも表現できそうなハジけっぷり。ハジけ具合で言えば、これか次作の 「Purple Rain」 かってとこでしょう。

タイトルから何となく想像はつくだろうけど、このアルバムは殿下流1999年の過ごし方を歌っている (っつっても、それが歌われているはタイトル曲くらいだが)。なんつうか、自分を "躁状態 (過剰にポップであること)" へと駆り立てるために(*)、わざわざ "1999年 (滅びの前年)" という舞台(=マッチポンプ) を作ってんですよね。これは殿下の完璧主義がもたらした確信犯的コンセプト (躁をもたらす完璧な装置) なのか、あるいは、エンターテイナーとしての生真面目さゆえに考えついてしまった天然のなせるコンセプト (無自覚なうちに躁状態) なのかが、もう完全に判別不能w。(*マイケル・ジャクソンの 「Thriller」 の大ヒットという背景があった。同じ82年発表。)

殿下の素晴らしさが最も発揮されるのは、確信犯/天然、黒人音楽/白人音楽、大衆的/実験的など、どっちつかずで、峻別がつかない時。つまり、存在がグレーである時。また、それが強く自覚的であったため、他者に自分への理解を強く欲したんでしょうね(アルバムの意図を唯一理解したというライターを食事に誘ったり、なんてエピソードも)。

今の時代に聞くと(当時聞いても、そうだったかもしれないが)、このアルバムで聞けるウワモノは "キッチュ" という表現がピッタリなんだけど、殿下の桁外れなメロディ・メイカーっぷりとストイックなリズム・マスターっぷりのおかげで、キッチュ的な感覚に依存しない/依存していると思わせない強さがある。そして、このアルバムもまた当然のように捨て曲なし。(試聴
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by bigflag | 2006-01-17 23:33 | ・Funk / Soul / R&B | Comments(2)  

Prince 「Controversy」 ('81)

本名、プリンス・ロジャー・ネルソン。1958年のミネアポリス生まれ。殿下は生まれた時から殿下だった。音楽一家だったことが影響して、7歳からピアノを弾き始め、ギター・ベース・ドラムと楽器をマスターしたんだとか。(しかも独学で!) このアルバムでもまた、デビュー作から引き続き、プロデュース・編曲・作曲・演奏のすべてを自作自演している。そういえば、以前に取り上げたリック・ジェイムスの 「Street Songs」 も同じ81年だな。ファンクの当たり年か。

これは4枚目のアルバムで、音作りに関してはデビュー作からの流れを汲みつつも、多くの曲で、声以外のありとあらゆる音をソリッド化/ミニマル化している。音の削ぎ落とされ方、という点においては、数ある諸作の中でも3本の指に入る。延々とワンコードで引っ張るミニマル・ファンクの傑作 M1 "Contoroversy" やまるで怪鳥がいなないているかのような殿下流バラードの大傑作 "Do Me, Baby" を始めとして、収録曲のほとんどが名曲揃い。

M6 "Let's Work" で聞けるキーボードは、ファンク・バンドで聞けるようなホーンセクションをキーボードひとつで完全に代替できている。こういった超ファンキーなキーボード使いは、この時代のプリンスならでは。M7 "Annie Christian" ではコズミックな音を出してるし、俺一人いりゃ十分なんだぜ、という強烈な自負。M2 "Sexuality" はスカスカな音使いがクール。また、プリンスのギターといえば、サンタナの影響を受けたというだけあって、ド演歌なギターで有名だけど、M4 "Private Joy" では珍しくニューウェイヴ系のフリーキーなギターを聞ける。(試聴
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by bigflag | 2006-01-15 21:51 | ・Funk / Soul / R&B | Comments(10)