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Ijahman 「Haile I Hymn」 ('78)

アイジャーマン こと トレヴァー・サザーランドは、傷害事件を起こした罪で、1972年に約3年間の服役を経験したことのある人だそう。ただ、この服役期間中に読んだ聖書をきっかけに、サザーランドはラスタファリズムに没頭し、また自らをアイジャーマンと称するようになったんだとか。そして、釈放後に作った曲が、アイランド・レーベルの設立者であるクリス・ブラックウェルの耳に止まって、この1st アルバムのリリースに至ったというのだから、世の中分からない。

アイジャーマンはレゲエ・シンガーとして知られた人なんだけど、このアルバムではレゲエ独特のリズム感があまり強調されていない。裏打ちが使われていない曲もあるし、ギターはリズムをカッティングすることよりも、メロディを奏でることに比重が置かれている。身体にというよりは、精神に訴えかけてくる音である。ナイヤビンギとも全然違うし、レゲエとしてはかなり特異。聖書からの引用が多いらしい歌詞は読んでも意味がよく分からないんだけど、全曲がジャー(神)のことについて歌っていることから、おそらくジャーと出会うために作られたメディテーション・ミュージックなんだと思う。であるからか、レゲエとしては異例なほど曲は長く、全4曲中2曲は10分を越えている。

アイジャーマンのボーカルを始め、全ての楽器がたおやかで荘厳なメロディとスピリチュアルな空間の創出に寄与している。スピリチュアル・レゲエの大傑作。購入するなら、2nd 「Are We a Warrior」 とカップリングされた日本盤がお勧め。2nd はルーツ・レゲエのマナーに忠実な良作で、スピリチュアル度は低め。(試聴
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by bigflag | 2006-04-30 15:29 | ・Reggae / Dub | Comments(0)  

くりいむレモン ('04 日本)

監督 : 山下敦弘
出演 : 村石千春 (野々村亜美)、 水橋研二 (野々村ヒロシ)、 根岸季衣 (母親)、
     大鷹明良 (父親)、 勝俣幸子 (由美@亜美の友達)、 山本浩司 (サラリーマン)

血の繋がらない兄と妹の恋愛を、瑞々しくもエロティックに描いた青春ドラマ。
80年代に美少女アダルト・アニメのブームをつくった同名作の実写化。

アニメ版は見たことないんだけど、エロいアニメだということは知っていたので、めちゃくちゃエロいシーンのある映画なのかと思って見たら、そうでもなかった。山下敦弘独特の噛み合わない、あの微妙な間を恋愛映画に援用すると、伝えたい気持ちを伝えられないもどかしさを切なく表現するのにバシっとハマっていて、告白する直前の堰を切る寸前のような緊張感がすんごい再現できていたと思う。ラストで、妹を探しに走っていく兄貴の空回りっぷりも良い。兄貴が逃げたり、2人で心中なんかするよりも、よっぽど悲しいものがある。妹の亜美にとって、この恋はハシカみたいなもんだろうから・・・。

 妹萌えは全くない人間なので、村石千春の 「お兄ちゃん♡」 は、正直に言うと邪魔でしかなかった。むしろ萎える。いや、村石千春はめちゃ可愛いかったですけどねw。普通の恋愛ものも撮って欲しいなあ。(出演者インタビュー
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by bigflag | 2006-04-26 23:58 | ・映画 - 日本 | Comments(0)  

Gang Of Four 「Entertainment!」 ('79)

ギャング・オブ・フォーは、中国の文化大革命で権力を握った4人組(江青、張春橋、姚文元、王洪文)の通称をグループ名にしたイギリスのリーズ出身のロック・バンド。バンド名からも分かるように、マルクス主義の影響色濃い歌詞など様々な方法で政治的・社会的なメッセージを発していたバンドなんだけど、その中でも、血を連想させる真っ赤なジャケットをバックに描かれているインディアンを搾取する白人描いた漫画は一際印象深い。

彼らの音楽を特徴付けるのは、やはり Andy Gill のギター。ザックザクと金属質で乾いたギターを武器にして、空間をあたりかまわず切り裂いていくのが痛快。メロディをほとんど奏でないギターは、パーカッションに近い役割を果たす。そして、メロディを生むのは Dave Allen のファンク色の強いベースで、特にテンポが早くて前のめりな演奏になっている時の走るベースラインは、分かり易いくらいポップでカッコいい。Jon King (ジョン・キング) のボーカルと Hugo Burnham のドラムは、ニューウェーヴっぽい軽さで味がある。このアルバムと 「Brief History of 20th Century」 収録の"To Hell With Poverty" は必聴。パンク・ファンクの傑作!!!(試聴
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by bigflag | 2006-04-24 00:02 | ・Rock / Folk | Comments(0)  

NANA -ナナ- ('05 日本)

監督 : 大谷健太郎
原作 : 矢沢あい
出演 : 中島美嘉 (大崎ナナ)、 宮崎あおい (小松奈々@ハチ)、 松田龍平 (本城蓮)、
     成宮寛貴 (ノブ@ギター)、 丸山智己 (ヤス@ドラム)、 松山ケンイチ (シン@ベース)、
     平岡祐太 (章司)、 玉山鉄二 (タクミ@TRAPNESTのリーダー)

小松奈々は、彼氏を追いかけて東京へ、一方、大崎ナナは、歌で成功したい夢を抱えて東京へ
やってきた。新幹線の隣同士に座った2人の「ナナ」は、偶然、引越し先の部屋で鉢合わせし、
一緒に暮らすことになる。趣味も性格も正反対の2人の共同生活が始まった。ナナは新しい
バンドメンバーを加え、昔の仲間とバンド活動を再開する。同じ名前、同じ歳のふたりの女の子の
友情と恋を描いた、矢沢あいの超人気漫画が原作。

 続編込みで作られた映画なんでしょうね。物語が転がる手前で終わっちゃうので、原作を読んでない人はあまり楽しめないんじゃないかなー。まあ、原作買えってことかw。パート3までは確実にありそう。
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by bigflag | 2006-04-22 23:48 | ・映画 - 日本 | Comments(0)  

亀田大毅 vs サマート・ツインズジム

長男・興毅の劣化版という感じに見えた。コンパクトなパンチがほとんど使えないようなので、この先はかなり厳しそう。ずっと弱いタイ人とばっかり試合するわけにはいかないやろうし。そーいや興毅もパンチに強弱というか緩急があんまりない気がする。つーか、亀田家のボクサーはジャブを全然使わないよなあ。でも、黄色い声援は、兄貴よりずっと多かったかもしれんw。あと、一番才能があるらしい三男坊・和毅の試合も早く観たい。
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by bigflag | 2006-04-18 22:54 | ・格闘技 - 打撃系 | Comments(0)  

D'Angelo 「Brown Sugar」 ('95)

アメリカはヴァージニア州生まれのソウル・シンガー、マイケル・ディアンジェロ・アーチャーのデビュー・アルバムで、全曲の作詞・作曲・演奏・プロデュース、つまり全部を自作自演している。マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーなどニュー・ソウル期の音楽を現代的な感覚で見事に蘇らせたことから、賞賛の意味を込めて、ニュー・クラシック・ソウルと呼ばれた。

95年当時の現代的な感覚とは、ずばりヒップホップのことを指し、ディアンジェロはわずか21歳という年齢で、忘れられかけていたソウル・ミュージックの存在を、ヒップホップ的なる音をソウルへと換骨奪胎することで、ソウル・ミュージックの持つ甘美な響きを人々に思い出させた。

雨に濡れた女性を想像させるフェンダーローズの艶。脈を打つような太いベース・ライン。爪弾かれるギターの郷愁的な調べ。最小限にまで音数を絞り込まれたドラム。全ての音が反復するリズムと呼応し、スモーキーで妖艶な雰囲気を創り出す。そこに抑揚を抑えつつファルセットを多用するディアンジェロのエロティックなヴォーカルが加わる。部屋の湿度を上昇させるほど密度の濃い音と声。滴り落ちる体液の量も別格の存在。(試聴
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by bigflag | 2006-04-18 00:38 | ・Funk / Soul / R&B | Comments(2)  

V.A. 「Funk Black Rio」 ('04)


映画 「シティ・オブ・ゴッド」 を観た後、思わず手に取ってしまったのが本作。60年代後半~70年代にかけて、リオではブラック・ムーヴメントが起こっており、こちらは、その中でもブラジリアン・ファンクに的を絞って取り上げたコンピ。原産地のアメリカ勢のような独特の緩さやキチガイ染みた表現こそあまりないけれど、汗臭さや切れ味、疾走感では劣るどころか勝るものもある。ファンクやソウルにサンバやブラジリアン・パーカッションがミックスされていて、めちゃくちゃカッコいい。ラストを飾るBEBETO(ベベート)のサンバ・ソウル 「Manda Vê Menino」 は泣ける。
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by bigflag | 2006-04-17 00:20 | ・Brasil / Africa | Comments(0)  

シティ・オブ・ゴッド / Cidade De Deus ('02 ブラジル)

監督 : フェルナンド・メイレレス
原作 : パウロ・リンス
出演 : アレシャンドレ・ロドリゲス (ブスカペ)、 アリーセ・ブラーガ (アンジェリカ)、
     ドグラス・シルヴァ (リトル・ダイス)、 レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ (リトル・ゼ)、
     フィリピ・ハーゲンセン (ベネ)、 ジョナタン・ハーゲンセン (カベレイラ)、
     マテウス・ナッチェルガリ (セヌーラ)、 セウ・ジョルジ ("ニ枚目"マネ)、
     ダニエル・ゼッテル (ティアゴ)

1960年代後半から1980年代初頭までのブラジルはリオ・デ・ジャネイロ近郊の 「神の街」 と
呼ばれるファベーラ (スラム街) が舞台。リトル・ゼを中心としたストリート・チルドレンの抗争を
写真家志望の少年ブスカペの目を通して描く。

原作は自らが 「神の街」 出身の作家パウロ・リンスによる、300ページ、登場人物600人という
一大ノンフィクション年代記。映画化したのはブラジルCM業界の寵児フェルナンド・メイレレス。
第二のスコセッシと呼び声も高い彼は、このカルチャーを体現できる唯一の役者として、2000人
に及ぶスラム在住の子供たちをオーディションしキャスティング、6ヶ月の即興演技指導と4ヶ月に
渡るリハーサルの末、9週間ほぼオール・ロケーションでこの作品を撮り上げた。

<神の街>
1962~1965年にかけてリオデジャネイロ市西部ジャカレパグア地区で公営住宅団地として
建設された。1966年に住民の受け入れを開始するが、当時、リオ市内を襲った洪水の被災者が
同地区に移住し、その後、政府は市内に点在する約60ものファベーラから住民を移住させた。
6階建ての住宅団地を中心に木材の小屋が無秩序に囲み、現在は12万人の住人がいる。


こんなにスピード感のある映画を見たのは久しぶり。撮影スタイルを巧みに変えながら、
進行の緩急をつけるクールなカメラワークはかなりスタイリッシュ。タランティーノとか
ダニー・ボイルとかガイ・リッチー、ウォン・カーウァイあたりの影響を受けてそう。
しかし、たった130分で、よくこれだけの内容を収めたよなあ。場面や時代がコロコロと
変わるのに、見ていて混乱がなかったし、構成と編集がすごい。サンバにファンクにディスコにと
音楽もノリを重視した最高のセレクト。そして、連続するもの凄いバイオレンス描写。

オシャレ映画的要素で暴力シーンが和らいで見えるけど、この映画はファべーラの凄惨な日常を
受け手に対して、軽い調子で放り投げてくる。というか、本当にそんな調子で凄惨な出来事が
ファべーラでは日常的に起こるのだ。つまり、これは必然の表現である、ということ。まるで殺人が、
生の営みの一環なんだと言わんばかりの死の連続。なんだけど、死の連鎖というものは感じない。
ブツ切りの死が数え切れないほどに存在する街なのだ。安易なヒューマニズムを寄せつけない
物語に圧倒されてしまう。これは幼児的全能感を肥大させ続けた結果、破滅したリトル・ゼの
因果応報の物語では決してない。しかしながら、そんな渇いた死とは対照的なくらいにユーモアに
溢れたファべーラに住む人々の会話や生活。これもまたファべーラの日常なのだ。

硬派で社会性の強い本作のテーマを、ポップな演出技法を用いて娯楽性の高い作品に
仕上げていることに対して、「不謹慎ではないか?」 という問いに監督はこう答えたそうだ。
「ファベーラ自体が、ポップでユーモア溢れるところなのだから、仕方がないんだ」

“終焉の始まり”と銘打った最終章である80年代は、まさに始まりでしかなかったのだという。
2001年の撮影当時、シティ・オブ・ゴッドは3派に分かれて対立、戦争勃発間近の様相を
呈しており、ますます過激に手の付けようのない凶暴な街と化しているそうだ。
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by bigflag | 2006-04-16 23:45 | ・映画 - アジア / ブラジル | Comments(4)  

純情きらり?なエピソード

「純情きらり」 の撮影現場で、マフラーを編んでいた宮崎あおいとそれを見た室井滋の会話。

室井 「(柄を見て) 男物じゃないよね、それ。誰に編んでんの?」
宮崎 「妹にあげるんです」
室井 「へー。仲良いんだ?」
宮崎 「妹のことが大好きなんです」

妹にしたい芸能人ランキングの上位にいそうな宮崎あおいちゃんは、妹をこよなく愛するお姉ちゃんだったw。さすがに毎日は見てないけど、土曜にBSでまとめてやっているのを見てます。しかし、朝ドラ見るなんて何年ぶりやろか。
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by bigflag | 2006-04-15 21:59 | ・徒然記 | Comments(2)  

Ian O'Brien 「Gigantic Days」 ('99)

奇病 「マッド・マイク病」 を超克したイアン・オブライアンの記念すべきセカンド・アルバム。デトロイト・テクノのフォロワーらしい浮遊感のあるシンセ音は健在で、そこへ大胆にファンクやジャズを取り入れて作り上げた傑作。

宇宙空間を音で表現したというよりは、宇宙飛行士が持っていそうなロマンティックな感性や力強い冒険心をイメージさせる音で、ポジティブな宇宙観が特徴である。コズミックな音楽というと、トリップ・ミュージック的な要素の強いものが多いんだけど、このアルバムはそういった要素はあんまりなくて、聴後にスカッとするような気持ち良さがある。そして、この気持ち良さは、作るのに一体どれだけの時間をかけたんだ!?、というキレの良いブレイクビーツ群が導いてくれるもので、至高の職人芸。

サウンド・ビジョンは、As One の 「Planetary Folklore」 と Weather Report 、ファンク・ビートは Stevie Wonder の 「Black Man」 あたりからの影響を感じさせる。シンセ音はデトロイト・テクノ。本作はこれらの要素を軸にして、独自の宇宙観で再構築した一大宇宙抒情詩である。M4 「Natural Knowledge」 がお気に入り。(試聴
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by bigflag | 2006-04-13 00:35 | ・Club Music | Comments(2)