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Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.3

80年代のファンクといえば、真っ先に名前の上がるのが Prince ですが、久保田利伸もまた同時代のミュージシャンたちと同じく、ミネアポリス・ファンクに挑戦しています。87年の 「Groovin'」 に収録された "ダイヤモンドの犬たち" と、88年の 「Such A Funky Thang!」 に収録された "Boxer" の2曲がそうで、Prince の “Head” あたりを想起させる仕上がりです。ライブ映像である"ダイヤモンドの犬たち" は、特に必見のパフォーマンスを発揮しています。

   

バラード・シンガーとしても定評のある久保田利伸ですが、バラードの最高傑作はファンに一番人気の "Missing" ではありません。"Indigo Waltz '93" が最高傑作でしょう。この曲は当初、「Such A Funky Thang!」 に収録されていたのですが、「The Baddest II」 にも再録されています。「The Baddest II」 版の方が歌も演奏もよりソウルフルで、最高に色気のあるソウル・バラードに仕上がっています。ソウル色こそ出ていませんが、"Missing" も色褪せない名曲のひとつです。

   

"Indigo Waltz" を探していると、2007年に久保田利伸と Exile の Atushi が共演している動画がありました。Exile もいちおう R&B 系のビートを取り入れているグループですが、久保田の登場から20年が経った現在も、R&B 系シンガーのほとんどがポップスやロックの領域から依然として出ていないことが、Atsushi の歌を聞けばよく分かると思います(久保田に対するリスペクトの気持ちは伝わってきますけれど)。あと、歌番組で後ろの席に座っていた、松田聖子を泣かせたという "Missing" もありましたので、興味のあるひとはこちらの動画をご覧下さい。

今回は、「Such A Funky Thang!」('88) の収録曲を中心に紹介したわけですが、同作収録の "Dance If You Want It" は、先に紹介した "You Were Mine" と同系統の曲ながら、ブラックな音使いが格段に増しています。このアルバムは初めて海外レコーディングを行った作品で、自分のやりたいことを次々と実現させていた一番の充実期と言えるでしょう。

続いて、最も久保田らしい曲を紹介しておきます。ブラック・ミュージックのエッセンスのひとつである、ファンキーという感覚を日本に持ち込みたいと考えていた久保田利伸にとって、この "TAWAWAヒットパレード"('87/「The Baddest」 収録) という曲は、会心の出来だったのではないかと思います。トシちゃんがダンスで乱入するなど最高に楽しい雰囲気で、なんというか良い時代だったことを感じさせる映像です(笑)

   

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by bigflag | 2010-04-30 00:02 | ・久保田利伸を語る | Comments(3)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.2

久保田利伸にはデビュー前、田原俊彦などへ曲を提供していた時期がありました。そこでですね、久保田は "It's BAD"('85) という曲で、アイドルのトシちゃんにラップさせるという荒業をやってのけております(笑)。左下がトシちゃんバージョンで、右下が久保田によるセルフカバー・バージョンになりますが、同じ曲とは思えないほどノリが違います。この黒いノリを完璧に出すことができたのが、日本の音楽シーンにおける久保田利伸の革新性だったわけです。僕は世代的にリアルタイムではないので、久保田特集をやろうと思ってから、この映像を初めて見たんですけど、久保田利伸のパフォーマーとしての革新性がこれほど分り易く出ている映像は他にないと思います。

   

トシちゃんを実験台にして(笑)、自身の楽曲へにラップを取り入れた久保田利伸は、1986年のセカンド・シングル "TIMEシャワーに射たれて"(「The Baddest」 収録) という、"It's BAD" の後継といえる曲をリリースしています。これがまた、ゴスペルから始まって、ファンクへと急転し、すぐさまラップをかますという非常に挑戦的な曲。しかも、サビのメロディはシティ・ポップ調というデタラメな組み合わせ(笑)。パフォーマンス含め、表現衝動が止まらないという感じです。あまりファンクしてませんが、右下に貼った "You Were Mine"('88/「The Baddest」 収録) もダンサブルな名曲です。

   

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by bigflag | 2010-04-28 00:01 | ・久保田利伸を語る | Comments(2)  

Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.1

僕の音楽ライフに大きな影響を与えてくれた、久保田利伸について今日から紹介していこうと思います (しかし、このブログを読んでくれているひとの中に、そんなひとはいるんだろうか・・・)。ただ、いつもとは趣向を変えて、アルバム毎にではなく、曲毎に紹介していきます。これには理由が2つあって、ひとつは、久保田利伸の作品は曲毎のクオリティに落差がけっこうあって、これが好きというアルバムがあまりないこと。もうひとつは、映像を交えて紹介するのが良いと思っているためです。

久保田利伸を紹介する上でまず押さえておきたいのは、久保田は現在進行形で流行っているブラック・ミュージックが好き、という非常にミーハーというか無邪気な性格の持ち主だということです。世間的に久保田利伸といえば、未だに "流星のサドル"、"Missing"、"LA・LA・LA LOVE SONG" の3曲のようですが、やはりソウルやファンクの影響をダイレクトにアウトプットした曲の方が断然面白いと思います。

少し話は逸れますが、日本のポップ・フィールドでファンクをやるミュージシャンは昔も今も非常に希少な人種です。僕も全部を知るわけではありませんが、有名どころだと、山下達郎、江戸アケミ(JAGATARA)、米米クラブ(カールスモーキー石井)、岡村靖幸、Flying Kids(浜崎貴司)、スガシカオ、平井堅といったところでしょうか。こうやって並べて見るとですね、これでもかというくらいのヒネクレ者が揃っております(笑)

そんな中で、久保田利伸の無邪気さは明らかに異質です。そして、その無邪気さとは、すなわち、ブラック・ミュージックに屈託なくかぶれることが出来るということです。音楽的にみても、下地にロックやフォークが染み付いている上記のミュージシャンらと比べ、圧倒的にロックやフォークの要素が薄いことが特徴です。突然、"大きな古時計" を歌うこともありません(笑)

左下に貼った L.T.D の "Kickin' Back" をカバーした映像('88)を見ると、完全になりきっているのが分かると思います。久保田のファンキーな動きと顔芸に注目して見て下さい(笑)。では、続いてヒネクレ者の曲を聞いてみましょう。右下の動画は、スガシカオの "Thank You"('03) という曲。えーとですね、歌の冒頭から 「ねえ、あした死んでしまおうかしら」 とか言ってます(笑)

   

さらに紹介しますと、左下がみんな大好き岡村ちゃんこと岡村靖幸の "どぉなっちゃってんだよ"('90) で、右下が米米クラブの "Sure Dance"('87) です。カールスモーキー石井の方は演技がかっていますが、岡村ちゃんは本当に目がどぉかなっちゃってます(笑)。これらの映像を見れば分かるように、ロックの洗礼を強烈に受けたミュージシャン (特にヴォーカリスト) は、シャーマニックな存在になることが多く、岡村ちゃんや、ここでは紹介しませんでしたが、JAGATARAの江戸アケミはその典型的な存在でしょう。

反対に、ロックの洗礼をさほど受けていない(だろう)久保田利伸の場合は、シャーマニックな要素は皆無で、あくまでもエンターティナーだということが、上の映像を見ただけでも分かると思います。あと、スガシカオはカリスマ願望があるものの、テレがあって成りきれない感じでしょうか。久保田利伸はといえば、カリスマ願望も全く持っていないと思います。

   

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by bigflag | 2010-04-26 00:34 | ・久保田利伸を語る | Comments(0)  

Burial 「Untrue」 ('07)

JAGATARA の曲に "都市生活者の夜"(「ニセ預言者ども」 収録) という、孤独な都市生活者に向けて作られた曲があるけれど、Burial の作る曲はそのどれもが都市で孤独に暮らす人々に向けて作られているかのようだ。デビュー作である 「Burial」 と同様、この 2nd アルバムでもそうした世界観は変わらずにある。

ただ、前作に顕著だった硬質なサウンドは、鋭利で金属的なビートやザラついた音響などに留められている。一方、前作の底流にあったUKソウル的なサウンドやヴォーカルが表出してきており、ある種、マターナルな包容力さえ感じる作品となっている。とはいえ、その母性的なものが深いメランコリーを備えているため、本作を聞いたリスナーが、凍てついた Burial のソウルと対面することに変わりはないのだが。10年後であってさえ、10代の根暗な青少年に聞かれるべき傑作。(試聴

   

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by bigflag | 2010-04-14 23:44 | ・Club Music | Comments(0)  

Burial 「Burial」 ('06)

ダブステップというジャンル・イメージを決定づけた、Burial のデビュー作。ダブステップは、ドラムンベースやトリップホップ、2ステップなどから派生したものと言われているのだが、これらのジャンル名を見れば、ダブステップがUKのクラブミュージックの伝統的なラインのひとつに乗った音楽であることが分かる。

それではなぜ、本作がジャンル・イメージを決定づけるほどの力を持っていたのか。それは、他ジャンルとのクロスオーバー化が進みつつある現在のダブステップとは違い、本作のリリース当時、ダブステップとはUKのローカル・ミュージックだったことにある。すなわち、UKミュージックが一般的に持たれているイメージ(の一側面)と、Burial の音楽性の親和性が非常に高かったということ。その一側面とは、UKロックを聞く人にはイメージしやすいと思うが、イギリスには憂鬱で湿気のある音を鳴らすロックバンドが定期的に出てくる。UKロックの持つ大きな側面、つまりは、イギリスらしい憂鬱が Burial のデビュー作には凝縮されていたのだ。リリース当時、本作を絶賛していたのは誰か。Radiohead の Thom York である。

イギリスのクラブミュージックの伝統的なラインに乗りながら、UKロックとUKソウルを交差させた優れた音楽性もさることながら、本作 (次作 「Untrue」 も!!) が00年代の最重要アルバムの一枚たらしめているのは、聞き手を否応なしに引きずり込む Burial の暗い世界観にある。ひとつひとつの音やビートに深く刻まれた、思春期のような鬱屈とした記憶や感情はとても痛みを伴うものだが、暗い現実と向き合った凍てつく音のひとつひとつは誠実そのものだ。(試聴

   

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by bigflag | 2010-04-11 01:10 | ・Club Music | Comments(0)  

日本 vs セルビア (0-3)

国内組中心のセルビアに完敗。んー、W杯初出場以降、本大会に近づくにつれて、これだけ試合毎に期待感が薄れていくチームというのは初めてですねえ。古くからのW杯出場常連国はこうした経験を何度もしてるんでしょうなあ、と思ったところで何の慰めにもならないですね(笑)。とりあえず、スタメンは下記の通り。

     興梠
岡崎 遠藤 中村俊
    阿部 稲本
長友 栗原 中澤 徳永   GKは楢崎


チームに守備のディシプリンを植えつけることができない監督にも腹が立つけど、ポジションを確約された選手たち、すなわち中村や遠藤、中澤らのモチベーションの低さが、嫌というほど画面から伝わってきたのが非常に不快だった。相手と戦っていたのは、長友、石川、阿部(珍しく!)くらいしか思い浮かばない。そもそも、怪我をしている玉田やコンディション不良が伝えられる中村俊輔や遠藤を使う必要があったのかどうか・・・

中村に関しては、W杯のメンバーに加えることをためらう程の酷いコンディションで、代表歴の浅い選手に上から目線で苦言を呈している場合じゃないよと。オフェンスで貢献度が高いなら、後ろに負担をかけるポジションフリーのプレーも許されるけど、今日のようなプレーが続くのであれば、「外れるのは俊輔。中村俊輔」って言われても何ら不思議ではない。

しかし、ここにきて主要メンバー以外を呼んだり呼ばなかったりしてきたツケが一気に吹き出している。そのことは何度か呼んでいる選手たちが、一向にチームに馴染まないことに如実に表れている。結局のところ、主要メンバー以外は、何をすべきか分かっていないんですよね。これは岡田監督に23人で一つのチームを作るという視点が欠けていることが原因で、チーム作りに失敗しているということ。とりあえず、W杯までに守備コーチを強制的に加えるくらいのことをしないと、本番でも今日のように選手が右往左往するだけで、3試合すべてが終わってしまう可能性が非常に高いんじゃないでしょうか。
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by bigflag | 2010-04-08 00:16 | ・サッカー / 日本代表 | Comments(0)  

K-1 WORLD GP 2010 in 横浜

<アリスター・オーフレイム vs ジャバット・ポトラック>
序盤の打ち合いを見た感じ、ポトラックは決して弱い選手ではない。十分にベスト16クラスの実力はある。ただ、相手が悪かった。もうこれに尽きますね。ごつい両腕で顔をしっかりとガードを固めて、あとは自分のタイミングで強引にパンチ、膝を繰り出すと、あら不思議。相手は倒れちゃってますという状態(笑)。シュルトとの対戦は非常に興味深いが、アリスターはボディがガラ空きなので、シュルトはボディへの前蹴りを多用するんだろうなーとか妄想も楽しい。

<京太郎 vs ピーター・アーツ>
どれほどの価値か未だにハッキリしない、ヘビー級のタイトルマッチ。アーツの激ヤセには驚いたが、体重が軽くなったのに、いつもより動きが悪い。これは減量に無理がありすぎたなと、観戦したひと皆が思っただろうってくらいにアーツは動きにキレがなかった。とはいえ、京太郎は出入りのタイミングやパンチの精度も良く、見事な完勝劇だった。GPでどこまでやってくれるか、今から非常に楽しみ。

<セーム・シュルト vs エロール・ジマーマン>
ジマーマンも善戦していたけれど、身長がそれほど高くないので相当に戦いづらそうだった。まあ、200cmあっても戦いづらいことには変わりないんだけど(笑)、やはり背が高く、リーチが長いにこしたことはない。現状、シュルトと試合になるのは、バダ・ハリとアリスターの二人だけだろう。

<バダ・ハリ vs アレクセイ・イグナショフ>
約4年か5年ぶりにK-1に復帰を果たしたイグナショフだったが、やはり長いブランクが響いている様子で、動きが固く攻撃の手が出ない。バダ・ハリのスパーリングを見せられたような感じだった。イグナショフにはもう一回はチャンスを与えられると思うけど、そこで以前のイグナショフを彷彿させるものを見せることが出来ないようだと、3回目のチャンスはないだろうなあ。
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by bigflag | 2010-04-07 00:36 | ・格闘技 - 打撃系 | Comments(0)