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2025年の音楽ベスト Vol.2

2025年のベスト10枚から漏れた作品と、漫画10作品をご紹介。

◆Best 10~15◆

11. Ca7riel & Paco Amoroso / Papota
アルゼンチンのデュオ、カトリエル&パコ・アモロソによるEP。チャラい見た目とは裏腹にヒップホップやエレクトロニックミュージックをヒップに消化したラテンポップ。元気が出る。

12. Ariel Kalma & Asa Tone / O
昨年に亡くなった仏のアンビエント/ニューエイジのレジェンドであるアリエル・カルマと、トライバルなチルアウトをプロデュースするアサ・トーンによるコラボ作。ガムランなどのパーカッションを使っている曲が特に良い。眠れる。

13. Kassa Overall/ C.R.E.A.M.
ジャズドラマーであるカッサ・オーヴァーオールによる、一発録りでレコーディングされたヒップホップクラシックのカバー集。ブレイクビーツ的なリズムを回避して(ジャズとして)、ヒップホップを再構築すると、元ネタに近づくものもあれば、そうでないものあったりで面白い。

14. Venna / Malik
サウスロンドン出身のサックス奏者、ヴェンナの1stフル。ドラムは Yussef Dayes が起用されており、ジャズというよりはネオソウルの系譜。レイドバックした雰囲気ながらもリズムはけっこうタイト。

15. Blood Orange / Essex Honey
イギリスのSSWによる7年の5th。前作から本作をリリースする間に起こった、母の死、エセックスへの帰郷などの体験が反映されているとのことで、Prefab Sprout を想起させるような喪失感と再生の萌芽を伴った美しい音楽となっている。

◆漫画ベスト10 (忘備録)◆
・荒川弘 / 黄金のツガイ
・小野寺こころ / スクールバック
・クワハリ、出内テツオ / ふつうの軽音部
・こざき亜衣 / セシルの女王
・迫稔雄 / げにかすり
・清野とおる / 壇蜜
・波切敦 / レッドブルー
・平井大橋 / ダイヤモンドの功罪
・泰三子 / だんドーン
・山口つばさ / ブルーピリオド

# by bigflag | 2026-02-02 10:40 | ・音楽 - 年間ベスト

 

2025年の音楽ベスト Vol.1

2025年のベスト合計10枚をご紹介。2022年以降、新作は静かな音楽かメロウな音楽を中心に聞く生活が続いています。旧作は00年代のポストロックなどを久しぶりに聞いていました。

◆Best 10◆

1. 星野源 / Gen
6年半ぶりの6th。自分が作りたいものだけをただただ作ろうというふうになれたというインタビューを読んだけど、それが腑に落ちるサウンド。古いものから新しいものまでが自然に消化され、試行錯誤の上で気負わずにアウトプットされている。

2. Makaya McCraven / Off the Record
ジャズドラマー、マカヤ・マクレイヴンによる4枚のEPをコンパイルした作品。Justefan (vibe), Jeff Parker (g) など参加の "PopUp Shop" の収録曲は Yesterdays New Quintet を想起させ、Benjamin J. Shepherd の極太いベースが良い。

3. Sullivan Fortner / Southern Nights
ジャズピアニスのサリヴァン・フォートナーによるトリオ作。マーカス・ギルモア(Dr) と ピーター・ワシントン(b) とライヴ収録。タイトルのとおり Allen Toussaint など、古い曲のカバーがメインのためか、心地よい高揚感に包まれていて、夜にずっと流して聞いていられる。

4. Duval Timothy / Wishful Thinking
ロンドンとシエラレオネを拠点とするコンポーザーによる7th。フィールドレコーディング、ジャズ、アンビエント、室内楽、ダブなどを横断し、イマジナリーな音世界を構築している。

5. 5lack / 花里舞
Myspace や Whalabout? から16年が経過したという事実に打ちのめされそうになる。自分にも 5lack にも青さはもう残っていないけれど、この硬派でスロウなビートとフローには鼓舞されるものがある。

6. Petros Klampanis / Latent Info
ギリシャのベーシスト、ペトロス・クランパニスの新作は、エストニアのクリスチャン・ランダル(p)と、イスラエルのジヴ・ラヴィッツ(Dr)によるトリオ作。ベースに導かれるようにピアノやエレクトロニクスが叙情的なメロディを紡ぐ。2025年で最も美しい作品のひとつだろう。

7. Sam Wilkes / Public Records Performance
LAのジャズベーシストが2022年8月、NYはブルックリンの Public Records 内で行ったパフォーマンスを収録したライヴ盤。本人が最もグルーヴィーな作品と言うだけあって最高でしかない。

8. EVISBEATS & Nagipan / 萃点
2021年の "PEPE" 以来となる共作。タイトルは南方熊楠の造語で "さまざまな物や事柄が集まり影響し合う場所" を意味するのだそう。和の意匠を散りばめたローファイなブレイクビーツ。癒やされる。

9. 羊文学 / Don't Laugh It Off
日本のロックバンド、羊文学の5th。溜めてたデモから聴きやすい曲をピックアップしたというだけあって、キャッチーな曲が多い。ランナーのような疾走感のあるロックには抗えないものがある。

10. Magic City Hippies / Enemies
フロリダはマイアミを拠点とするポップファンクバンドによる3rd。少し気怠くてトロピカルな空気感が心地よい。音そのままに夏によく聞いた。ジャケットも良い。

# by bigflag | 2026-02-02 01:21 | ・音楽 - 年間ベスト

 

2024年の音楽ベスト

2024年のベスト合計10枚をご紹介(順不同)。今年も10枚を選ぶのがやっと。2022年から引き続き、新作は静かな音楽を。旧作は故スティーブ・アルビニの関連作、70年代のダブ、フェラ・クティなどをよく聞いたかな。

◆Best 10◆
1. Bruno Berle / No Reino Dos Afetos 2
ブラジルのSSW、ブルーノ・ベルリの2nd。チープでローファイなサウンドながら、MPBの伝統にも則っている。実験的なのにポップ、懐かしいけど新しい。タイトル通り、デビュー作の続編という感じなので、これが好きなら1stも。

2. Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka / Magnificent Little Dudes Vol. 1
アンビエント/ドローンの音楽家である畠山地平と、ジャズドラマーの石若駿によるコラボ作。アンビエントジャズという感じではなく、アンビエントミュージックの中に生ドラムがナチュラルに溶け込んでいる。

3. Fennesz / Mosaic
あのEndless Summerから23年の時を経て再び。あのような煌めきはないが、とても美しい音楽がここにある。


4. HYUKOH, 落日飛車 / AAA
韓国のHYUKOHと、台湾の落日飛車 (Sunset Rollercoaster) によるコラボ作。総勢10人 (4+6) を活かした厚みのあるサウンドから小品まで。両ロックバンドに共通する趣味がソウルやジャズにあることもよく分かる。

5. Jeff Parker ETA IVtet / The Way Out Of Easy
ジャズ・ギタリスト、ジェフ・パーカーによるバンドが2023年1月2日にLAのライブハウスETAで行ったライブレコーディング集。アンビエントジャズの要素もあるが、催眠的でタフなグルーヴが他とは一線を画す。

6. Kiefer Trio / Something For Real
カリフォルニア在住のキーボーディストがバンド編成で、2023年にLAで行ったライヴを収録したもの。Stones Throw周辺のプロデューサーで、Mndsgnのライブメンバーでもあるそう。エレピ好きにはたまらんやつ。

7. Mk.gee / Two Star & The Dream Police
ニュージャージー出身で現在はLAを拠点に活動するMike Gordonによるプロジェクト、Mk.geeによる初フル。Princeを想起させるメロディだけど、ファンクはどこかに置き忘れ去られたベッドルームミュージック。

8. Sam Wilkes / iiyo iiyo iiyo
LAのジャズベーシストが2022年の来日公演を編集したもの。このライブを観た方々が心底羨ましいと感じる至福の時間。いいよ、いいよ、いいよ~

9. Vijay Iyer / Compassion
NYのジャズピアニストによるトリオ作。ヴィジェイ・アイヤーのポップスカバーはいつも秀逸で、本作ではStevie Wonderの「Overjoyed」が取り上げられており当然のように最高のカバーを披露している。

10. VIRGINIA / Black Yacht Rock, Vol. 1 : City Of Limitless Access
ファレル・ウィリアムスが自身の51歳の誕生日に発表したフリーで配布した作品。ファレル流ヨットロックとのこと。日本ではあまり馴染みのないジャンル名だけど、ソフトロックみたいなもんらしい。

◆旧譜◆

・Shellac / The Futurist (1997)
R.I.P. スティーヴ・アルビニ。バンドの友人にのみ配布された作品。最高に鋭利なロック。YouTubeで聴いて衝撃。


◆漫画ベスト10 (忘備録)◆
・雨瀬シオリ / 松かげに憩う
・遠藤浩輝 / 無敗のふたり
・クワハリ、出内テツオ / ふつうの軽音部
・たらちねジョン / 海が走るエンドロール
・塚田ゆうた / RIOT
・トマトスープ / 天幕のジャードゥーガル
・泥ノ田犬彦 / 君と宇宙を歩くために
・泰三子 / だんドーン
・松本陽介 / モノクロのふたり
・山口貴由 / 劇光仮面

# by bigflag | 2025-02-16 22:22 | ・音楽 - 年間ベスト

 

2023年の音楽ベスト

2023年のベスト合計10枚をご紹介(順不同)。ゆっくりと音楽を聴くことのできる時間はますます減るばかりで、10枚を選ぶのがやっと。2022年から引き続き、静かな音楽を好んで聞いていました。ギターの音色が美しい作品に多く出会えた年でした。

◆Best 10◆
1. Blue Lake / Sun Arcs
デンマークのマルチ奏者、Jason Dunganによるプロジェクト。煌めくギターの音色を連ねて、緩やかなグルーヴを構築し、クラリネットなどで彩りを加え、美しいアンビエント作品に仕上がっている。

2. Cornelius / 夢中夢 – Dream in Dream -
6年ぶりの新作。作中にギターを掻き鳴らす曲がいくつかあるのが常だったけれど今作ではなし。空想的でまどろみのある、メランコリックながらもポップなメロディが全曲に通底している。

3. EVISBEATS / That’s Life
2020年頃から2022年の2年間で制作したインスト集。穏やかに、緩やかに、延々と続いていくビートが祈りのように響く。ビートや上物ともに少ない音数で、静謐な日常を表現したような作品。

4. Fabiano do Nascimento / Das Nuvens
ブラジル出身でLAを拠点に活動するギタリストによる作品。アルバムタイトルは 「雲のうえ」 を意味するそうで、天上から降りてくるようなメロディが溢れていて、タイトル通りに幻想的だ。

5. Fabiano do Nascimento / Mundo Solo
コンセプチュアルな上記作品とは異なり、自身のルーツであるブラジル音楽と、ギタリストとして音楽を追求している。音作りは簡素だが滋味がある。

6. John Raymond & Sean Carey / Shadowlands
Bon IverのSean Careyとトランペット奏者のコラボ作。ささやかなボーカル、遠くから聞こえてくるようなトランペットなど幽玄な音世界で、レコーディングも約20年前に2人が出会ったウィスコンシン州オークレアの森で録音されたようだ。

7. Matthew Halsall / An Ever Changing View
Gondwana Records創設者のマシュー・ハルソールによる作品。トランペット、カリンバ、ハープ、フルートなどによる柔らかな音色で瞑想的で夢見心地な空間を紡ぎ出している。アンビエントなスピリチュアルジャズ。

8. Resavoir / Resavoir
シカゴのプロデューサー、ウィル・ミラーによるプロジェクト。チルいエレクトロニックなジャズで、The Cinematic Orchestraあたりを想起させるサウンド。愛らしいシンセサイザーの音色が耳に残る。

9. Sam Wilkes / Driving
LAのジャズベーシストによる作品。もともとポスト・シューゲイザー的なサウンドメイクをしていたけれど、ボーカルも入り、ドリームポップのような空気感をまといながらも、サム・ウィルクスらしい、白昼夢のようなまどろみに包まれた音世界を構築している。

10. Terrace Martin / Fine Tune
LAのプロディーサーによるプロジェクト「Sound Of Crenshow Jazz」の第1作目。今後リリースされる作品のショーケース的な作品とのことで、アフロビート、ソウル、ジャズファンクからボサノヴァまでバラエティー豊かだが、そのどれもがグルーヴィー。

◆旧譜◆

・Bruno Berle / No Reino Dos Afetos (2022)
ブラジルのSSW、ブルーノ・ベルリのデビュー作。チープでローファイなサウンドながら、しっかりとMPBの伝統にも則っている。実験的なのにポップ、懐かしいけど新しい、これはもう好き過ぎるやつ。

# by bigflag | 2024-01-28 11:53 | ・音楽 - 年間ベスト

 

2022年の音楽ベスト

2022年のベスト合計15枚+αをご紹介。ゆっくりと音楽を聴くことのできる時間は減るばかりで、枚数も多く聴けなくなり、15枚を選ぶのがやっとという状況。生活環境も変わり、より静かな音楽を好んで聞いた一年でした。音楽は生活とともにあるのだなとしみじみ思った次第です。

◆Best 15◆
1. The 1975 / Being Funny In A Foreign Language
マンチェスター出身のロックバンドによる5th。ソウルや80sポップを消化したバンドサウンドには、心地良い多幸感と、リスナーをくすぐる郷愁がある。通年でもっとも聴いた作品。

2. 東京女子流 / ノクターナル
4人組ダンス&ボーカルグループの7年ぶりの6th。松井寛ワークスの手を離れてからはほとんど聴くことがなくなっていたんだけど、年齢とともに成熟を携えて帰ってきたのが何とも嬉しい。しかし、おじさん好みのソウルやディスコを消化したポップスで良いのかという思いもある。

3. Soyuz / Force of The Wind
ベラルーシ首都ミンスクで活動するAlex Chumakを中心にしたバンドによる3rd。ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェスを想起させるミナス・サウンドで、ポルトガル語だけでなく、ロシア語でも歌われており、心地良い異界に誘ってくれる。

4. 岡田拓郎 / Betsu No Jikan
森は生きているのギタリストだった岡田拓郎によるソロ作。石若駿(ds)との即興演奏をベースに、ジム・オルーク、カルロス・ニーニョ、細野晴臣らの即興演奏を加えて、エディット&コラージュしたそう。本作にも参加したサム・ゲンデルの諸作と同じ地平で鳴っている作品。

5. Sam Wilkes & Jacob Mann / Perform The Compositions Of Sam Wilkes & Jacob Mann
LAのジャズ・ベーシストとキーボーディストによるコラボ作。2~3年かけて録音した即興演奏を元に作曲。サム・ウィルクスが生み出すまどろみに、ジェイコブ・マンによる遊び心あるキーボードが彩りを添える。

6. Steve Lacy / Gemini Rights
The Internetのギタリストによる2nd。Andre 3000の 「The Love Below」 からの影響も公言しているように、ソウル・ファンク・ヒップホップを核にしながらも、チルいポップミュージックを展開している。

7. Jasmine Myra / Horizons
UKリーズ出身のフルート/サックス奏者、ジャスミン・マイラによる1st。ストリングスを含む10人のバンド編成。たおやかなアンサンブルに流麗なサックスが乗って非常に多幸感のあるサウンド。大編成のジャズはあまり好んで聞かないんだけど本作はとても良い。

8. Bobby Oroza / Get On The Otherside
フィンランドはヘルシンキのシンガーによる2nd。コロナ禍で音楽収入が途絶えたことにより、ブルーカラーワークに従事している期間があり、その時の心象風景や思いを綴った作品とのこと。ドリーミーなサウンドにリバーブのかかったボーカルが溶け合うソウルミュージック。

9. Moons / Best Kept Secret
ブラジルはミナスのバンドによる3rd。USインディロックを通過したフォークロックを核に、ジャズやソウルを織り交ぜたサウンド。いわゆるミナス・サウンドではないけれど、同じような繊細でノスタルジックなフィーリングがある。

10. Ohma / Between All Things
木管楽器奏者のHailey Niswanger と ギタリストのMia GarciaによるLAのデュオ。ジャズとアンビエント、ニューエイジが融合した極上のチルアウト・ミュージック。就寝時のお供に最適。

11. Duval Timothy / Meeting with a Judas Tree
サウス・ロンドンを拠点に活動するコンポーザーによる6th。自然環境をモチーフに、フィールドレコーディングをサンプリング・コラージュ。ジャズ、アンビエント、室内楽などを横断し、穏やかでイマジナリーな音世界を構築している。

12. Ezra Collective / Where I'm Meant To Be
サウス・ロンドンの5人組ジャズバンドによる2nd。アフリカ系のコレオソ兄弟によるアフロビートに始まり、ラテンを展開し、ネオソウルで締める、UK的と言えるミクスチャーサウンドを展開している。

13. Sam Gendel / Superstore
2021年の 「Fresh Bread」 に続く未発表曲集。断片的な音の集まりのようなんだけど、一聴してサム・ゲンデルと分かる特異なレトロ・フューチャー・サウンド。音が沸いて出てきて仕方がない状態なんだろうな。

14. 藤井風 / Love All Serve All
藤井風の2nd。YouTubeにアップされている弾き語りなどを聞くと、アルバムはどうもオーバープロデュースだと感じてしまうんだけど、声の力や表現力がズバ抜けているので、作品を手に取らせる力があるんだよな。

15. SZA / SOS
セントルイス出身のシンガーによる2nd。故Ol' Dirty Bastardを召喚したとの情報を知って聴いたんだけど、”Kill Bill” や “Gone Girl” など突き抜けた曲が要所にあり、アルバム全体を通して楽しめる。

◆Re Issue◆

・Charles Stepney / Step On Step
E,W&Fへの曲提供、A Tribe Called Questなどのサンプリングソースとして知られているプロデューサーの発掘音源。リズムボックスとキーボードを中心に演奏されるローファイ・ファンクが何とも愛らしく心地良い。スライ好きの方にはオススメ。


# by bigflag | 2023-01-29 22:56 | ・音楽 - 年間ベスト