Susumu Yokota 「Symbol」 ('04)
クラシックには疎いので非常に浅はかな印象だが、クラシックは非常に調和を重視した音楽というイメージがある。一方、本作で聞けるサウンドは、調和の取れた音楽とはほど遠いもので、むしろ混沌に近い。指揮者のような中心を担っているものが不在なのだ。それでいて、柔和なエレガンスが損なわれていないところに、いつもと変わらないヨコタらしさがある。ヨコタの手によって、独創的に再構築されたクラシックの断片の数々が、リスナーに幽玄なるワンダーランドを幻視させる。ススム・ヨコタの数多い作品の中でも、頭ひとつ抜けた傑作だ。(試聴)
by bigflag | 2009-04-12 22:55 | ・Experimental