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Fleet Foxes 「Fleet Foxes」 ('08)

シアトル出身の5人組ロック/フォーク・バンド、Fleet Foxes による 1st アルバム。"バロック・ハーモニック・ポップ" と彼らが自称する通り、美しいコーラス・ワークと Bob Dylan や The Beach Boys をはじめとした1960-70年代のロック/フォークに影響を受けたサウンドに、近世ヨーロッパ的な雰囲気を憑依させた、コンセプチュアルな音楽を聞くことができる。16世紀のオランダ人画家、ピーテル・ブリューゲルの作品 「ネーデルラントの諺」 を採用したアルバム・ジャケットはとても印象的で、この絵が本作のイメージを決定づけている。

このバンドの強みは、健やかで美しいメロディを作れることもそうなんだけど、バンドのリーダー格でヴォーカルの Robin Pecknold が自身の声の魅力に自覚的なことにあると思う。声の持つ強さを知っているのだ。透明感を感じさせると同時に、一本の太い芯が通っている彼の歌声にはとても存在感がある。てらいのないストレートな歌い方も、彼の声質に適ったものだ。また、彼らのサウンドを特徴づける端正なコーラス・ワークと、箱庭のように再現された近世ヨーロッパ的な雰囲気との相乗効果も素晴らしい。作品のところどころに陽が射しこむような瞬間があって、その折々がとても感動的だ。

   

by bigflag | 2009-05-22 00:52 | ・Rock / Folk  

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