Such A Funky Thang! -久保田利伸を語る- Vol.9

Wikipedia によると、"久保田利伸のプラネット・フレーヴァ" という全国ネットのラジオ番組が1995年10月に始まっています。この番組で久保田が流していた、昔のソウルやファンク、そして、当時のR&Bやヒップホップが、僕の音楽リスナーとしてのバックグラウンドのひとつとなっています。そんなわけで、今回は久保田がラジオ番組で流していた(多分です。なんせ10年以上も前の話なので記憶が曖昧w)、名曲を振り返りたいと思います。

以前に少し触れましたが、久保田利伸は大の Zapp 好きで、アルバム一枚に一曲は必ずと言っていいほど、トーキング・モジュレーターを使用しています。僕も同じく Zapp が大好きなんですけど、ヴォーカリストである Roger のソロ作は特に最高です。左下は "I Wanna Be Your Man" というラブ・ソングですが、ライブで見えると絵的にも凄いです。トーキング・モジュレーターの管を口に咥えて変声を出しながら、愛について歌っているこの姿。良い意味で完全に狂ってます(笑)。で、右下は何曲かメドレーで歌ってるんですが、トーキング・モジュレーターを自在に使いこなす Roger を見ているだけでも楽しい絵面です。このライブには、久保田利伸が追い求めるファンキーという感覚が詰まっていると思います。

   

この番組で、久保田利伸は R&B だけでなく、ヒップホップもかけていて、特にメロウなヒップホップを選曲していたと思います。ちょうどこの時期は、ギャングスタ・ラップの全盛期だったこともあり、2Pac などの楽曲が取り上げられていました。

左下が Joe Sample の "In All My Wildest Dreams" をサンプリングした 2Pac の "Dear Mama"('95) という曲で、右下は Mtume の "Juicy Fruits" をサンプリングした The Notorious B.I.G. の "Juicy"('94) という曲です。この時期らしい大ネタ使いで、オリジナルまんまのメロウなトラックです。ある意味で安易な、こうした大ネタ使いによるトラックの分かりやすさが、ヒップホップをメジャーのど真ん中へと押し上げたのです。また、これらの曲を聞けば、ヒップホップ側からも R&B に近づいていたことが分かります。

   

ただですねえ、ギャングスタ・ラップに関わっていた人たちって、全然メロウじゃないんですよね(笑)。だって、The Notorious B.I.G. を初めて見たとき、ちょっと引いちゃいましたもん。こんな悪そうな奴、見たことねえよと。ワルそうな奴はだいたい友達、じゃなくて、本当にワルい奴と友達だという(笑)。事実、このムーヴメントの2大スターであった、2Pac と The Notorious B.I.G. はともに銃殺されてしまいます。とにかく、自分の日常とかけ離れた彼らの音楽やルックス(笑)は、トラックの良さを含め、僕にとっては大きな衝撃でした。そういえば、吉田秋生の 「Banana Fish」 を読んでいるとき、ギャングスタ・ラップを BGM にしていたんだよなあ。急にフラッシュバックしてしまった(笑)

そして、忘れてはいけないのが、90年代におけるソウル・バラードの最高峰、Monica の "Before You Walk Out Of My Life"('95)です。15歳の少女とは思えないディープな歌声と、メロウなグルーヴに心身を委ねたひとも多いはず。タイムレスな名曲だと思います。この曲の音使いは、久保田利伸にも大きな影響を与えています。



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by bigflag | 2010-05-19 00:34 | ・久保田利伸を語る | Comments(2)  

Commented by highsos at 2010-05-20 00:40 x
はじめまして。
最近こちらのブログを発見し楽しく読ませていただいてます。

時代のブラックミュージックと共に久保田を語る、ってありそうでなかったような。少なくとも深く掘り下げた記事は見たことありません。

たしかに久保田のその時代の音を屈託なく取り入れる無邪気さは異質ですよね。それでいて安っぽくならないのがたまりません。

これからも楽しみにしています。
頑張ってください。
Commented by bigflag at 2010-05-21 00:29
highsos さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

>時代のブラックミュージックと共に久保田を語る、>ってありそうで
>なかったような。少なくとも深く掘り下げた記事は見たことありません。

と言って頂いたのに申し訳ないんですが、「Timeless Fly」がリリースされた時期に、bounceで久保田利伸の特集が組まれてるんですよ。それがhighsonsさんの言う「時代のブラック・ミュージックと共に久保田を語る」企画になってまして、それを参考にしている部分もあります(笑)

ただ、自分なりの視点や思い出(笑)を交えて語るようにはしてますので、今後も懲りずに楽しんで貰えれば嬉しいです。リアルタイムでない部分も当然あるので、ここは違うぞって感じるところがあるようでしたら、遠慮なくツッコミを入れて頂ければと思います。

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