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Prism 「Prism」 ('77)

プリズムは早弾きで有名なギタリスト・和田アキラを中心に結成されたフュージョン・バンドで、これは 1st アルバム。LPのA面4曲を「ソフト・サイド」、B面3曲を「ハード・サイド」という風に曲調で分けられており、前半はメロウなフュージョンを、後半はハードなジャズロックを聞ける。

まず地中海を想起させるジャケットが涼しげで良い。前半の「ソフト・サイド」は、まさにこのジャケット通りの内容。アルバムは、ギターとエレピの優しい調べで幕を開ける。聞き手をリラックスさせたところで、ツボを心得たマッサージ師のようなベースが追いかけてくる。その後は、もう音に身を任せるだけだ。2曲目は小気味良いパーカッションとベースから始まって、次にギターが入ってくるんだけど、抑え気味ながらもリズム隊に乗せられて、気持ちよく弾いている様子が伝わってくる。夏の風を音が切っているような印象で、爽快な仕上がり。3曲目はアルバム中、唯一サックスが使われており、そのサックスとカルロス・サンタナを彷彿させるギターが交互に「泣き」あってる状態w 4曲目は誘うような女性ボーカルの声で始まる夜更けの歌。燃え上がるような展開があったのか、静かに始まった曲は、途中からラテン・モードが入り、急速にそのピッチを上げ、そして果てる。

「ソフト・サイド」 は、スタイルこそ30年前ながらも、しかし今でも存分にリゾート気分を味わえる。リゾート感覚というものは、時代が変わっても、それほど大差ないのかもしれません。もう一人のギタリスト・森園勝敏がプリズムの前に在籍していたバンド・四人囃子の大傑作 『Golden Picnics』 に収録の 「レディ・バイオレッタ」と地続きの一枚。両盤とも暑い季節に合う。

by bigflag | 2005-06-06 01:58 | ・Cross Over / Fusion  

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