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2020年の音楽ベスト Vol.1

2020年のベスト合計20枚+αをご紹介。まずはベストのアルバム10枚(順不同/アルファベット順)から。

◆Best 10◆
1. The Avalanches / We Will Always Love You
2nd「Wildflower」から4年ぶりの3rd。宇宙を舞台に〈絶え間ない波動で表される永遠の愛〉をテーマに制作されたとのことだが、アヴァランチーズ流のドリームポップといった趣き。変わらないノスタルジックなサンプリング絵巻。日本からはコーネリアスも参加。

2. Brasstracks / Golden Tickets
ChanceThe Rapper人脈のプロデューサーで、「Coloring Book」 の “No Problem” を手掛けていたユニット。華のあるファンキーなブラスがこれでもかと盛られていて多幸感に溢れた、期待通りのポップ・ファンクとなっている。

3. Derrick Hodge / Color Of Noize
ロバート・グラスパーとの共演でもお馴染みのジャズ・ベーシストの3rd。懐古的なソウルミュージックではまったくないんだけど、ソウルミュージックとしか言いようのない作品となっている。決して激しくはないがウネウネと蠢くホッジのベースが作るグルーヴも素晴らしいの一言。

4. Moodymann / Taken Away
デトロイトのハウスプロデューサーによる6年ぶりのアルバム。もともと形式的な4つ打ちのハウスに囚われていたひとではないのだが、ますます自由にソウルやゴスペルに捧げた音楽を届けてくれる。そしてムーディーマンの肉感があって官能的なベースラインはいつだって最高だ。

5. Oneohtrix Point Never / Magic Oneohtrix Point Never
ダニエル・ロパティンの最新作は、架空のラジオをコンセプトにしているそうだ。ニューエイジなどをサンプリングしてラジオ風に再構築というのはルーツバックする行為でもあるため、当然ながら非常にノスタルジックな風合いで、コロナ禍の中で聞く音楽として、とても耳に馴染んだ。

6. Per Oddvar Johansen / The Quiet Cormorant
ノルウェーのドラム/ヴィブラフォン奏者、ペール・オッドヴァル・ヨハンセンによる4作目で、リリースはECMから。ジャケットに映る、わずかな光に照らされた夜の美しい水面を作品にしたような音。ミキシングは、2019年11月に亡くなったヤン・エーリク・コングスハウグとのこと。

7. Sam Gendel / Satin Doll
LA出身のサックス奏者/プロデューサーによる、ジャズ・スタンダードのカヴァー集。古くはシカゴ音響派的な脱構築されたサウンド。荒廃した未来を描くレトロなSF映画のサウンドトラックのような趣きで、一聴分かりづらさはあるものの、映像喚起力のある創造性に長けた作品。

8. SAULT / Untitled (Rise)
ロンドン出身の3人組バンドによる3rd。ソウル、ファンク、アフロ、ディスコ、ロックなどのミクスチャー。ESGなどのニューウェイヴが引き合いに出されるのも分かる、チャカポコとしたパーカッションがダンス衝動を掻き立てる。同時期リリースの(Black Is)はよりロック色が強くヘビー。

9. Theo Parrish / Wuddaji
デトロイトのハウスプロデューサーによる6th。こちらも6年ぶり。”ThisIs For You”のように分かりやすく官能的な曲が素晴らしいのはもちろんなんだけど、何か平坦なのに立体的というセオ・パリッシュ独特の音像の完成度がすさまじく、どの曲もずっと流していられる。

10. Wool & The Pants / Wool In The Pool
東京出身の3人組バンド。ローファイすぎるチープ・ファンクで、独り言のように紡ぎ出すようなボーカルが相まって、中毒性が非常にある。闇落ちするような、じゃがたらのカバーまであって、音楽を聴いて久しぶりに唸った。


Vol.2 へ続く・・・

by bigflag | 2021-01-30 17:34 | ・音楽 - 年間ベスト  

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