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PRIDE ミドル級GP 2005 決勝戦 ②

<エメリヤーエンコ・ヒョードル vs ミルコ・クロコップ>
3年もの長い期間を置いての邂逅。ミルコに勝って欲しいなあ、という期待は木っ端微塵に
砕かれた。「絶対王者」 とは、ヒョードルのことじゃないか。

さて、試合はというと、ミルコは左に動きながら、右のジャブと左のストレートを中心に攻めていた。
テイクダウンに対する警戒からか、キックはいつもより少ない。一方、ヒョードルはミルコの
正面に位置を取り、早い踏み込みから左右のフックの連打。打撃の応酬からクリンチへ、
そしてテイクダウンを狙っていた。

この試合で驚いたこと。それは前述したヒョードルが、オランダでの打撃修行 (キックの防御対策)
で自信を得たのか、ミルコの真正面に立ち位置を取ったことである。ミルコの蹴りを貰わない
自信があったのだ。事実、ヒョードルはミルコが蹴る動作を取った瞬間には、ハイ対策として
頭を下げるなり、右手のガードを上げるなりし、それと同時に右足を上げて、ミドルキックの
カットをする動作もしていた。恐るべしヒョードル。さらに、パンチの打ち合いでも、スピードで
完全にミルコを上回り、スタンドでもプレッシャーを大きく与えていた。それらにより、ヒョードルは
スタンドにおける間を完全に制していた。恐るべしヒョードル。ミルコはいつものようなプレッシャー
をヒョードルにはかけられなかった。ああなると辛い。ジリジリと相手を下がらせているからこそ、
打撃は当たり易くなるものだから。そして、ヒョードルはスタンドでのパンチの応酬から、
何度かクリンチ状態に持って行き、そこからかなり高い確率で、掛け技を使っての
テイクダウンにも成功していた。恐るべしヒョードル。右拳を怪我していて、これかよ・・・

ミルコのパウンド対策は万全だった。テイクダウン対策も可能な限りは出来ている。
しかし、それでも勝てなかった。ミルコが試合後に 「相手が自分の打撃のパターンを
研究し尽くしていて、スタンドで打ち負けた。」 と語っている通り、スタンド対策が万全では
無かったのだ。ミルコの元師匠、ブランコ・シカティックが 「ミルコは右足でのキックをもっと
磨くべき。」 と言うように、蹴りのバリエーションを増やすべきなのかもしれない。パンチならば、
もっとフックやアッパーを出せるようになったら良いのかもしれない。ショーグンのような相手を
振り回せる首相撲を覚えるべきなのかもしれない。今は頑張れ、ミルコ!としか言いようがねえ。

そういや、ミルコは苦しい時や負けそうな時って、いつも顔をシワくちゃにするよなあ。2回目の
インターバルの時、あの顔を5秒に1回くらいしていたよなあ・笑。表情に出ないようにしないと!

<ヒョードルとショーグンの共通項を列挙してみる>
身体能力が高いこと。特にスピードが早いこと。そしてスタミナが豊富であること。
スタミナの多さは、試合終盤になっても思考能力の低下が防げるから、かなり重要だ。
あと、体に柔軟性があること。それに技の引き出しが多く、同時に攻守に発想が豊富であること。

by bigflag | 2005-08-31 01:10 | ・格闘技 - 総合  

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