人気ブログランキング | 話題のタグを見る

害虫 ('02 日本)

監督 : 塩田明彦
出演 : 宮崎あおい (サチ子)、蒼井優 (夏子)、 田辺誠司 (先生)、 りょう (母親)、
     沢木哲 (タカオ)、 石川浩司 (キュウゾウ)

母親が自殺未遂するなど、過酷な環境に生きる不登校の中学生・サチ子を描いた青春ドラマ。

これでもかというくらいに、宮崎あおいの細くキレイな足が執拗に映し出される映画ですw。宮崎あおい演じるサチ子は男にとって、とても性的に惹きつけられる存在として描かれている。と同時に、強い性的な存在であるサチ子に対して、理性を働かせる先生(その結果、教師を辞めて原発で働くことに)、視線を背けながら付き合うタカオ、性に興味を示さないキュウゾウらとの中学生らしい笑顔の見える自然な付き合いも描かれている。この自然さは 「害虫」 同士だからこそ、というものではあるけれど。。。

そんな魔性的な魅力を持つサチ子は、物語が進むにつれて、サチ子の周りにいる女 (母親や夏子) にとって、自分の男を奪う 「害虫」 として側面が浮かび上がる。それと同時に夏子の善意を加速させるあたり上手い演出。学校や家庭といった中学1年生には、当たり前の居場所を完全に失ってしまった時、サチ子は悪意を制御できなくなる。夏子の家がロングで映された時、なんでわざわざ映すのかなーと思っていたら、夏子の家に火炎瓶を投下する暴走っぷりw。

 先生と会うまで待ち続けることなく、「性的な存在」 としての自分を乗り越えるという行動を選択したのが、なんとなくサチ子らしいと思わせるオチ。孤独への耐性を無意識に強めているというか。少女の深い孤独を描いた傑作! 男の子を主人公にした 「どこまでもいこう」は監督のノスタルジーもあるだろうけど、少年が主人公だと、ここまで出来ないよなあとも。

by bigflag | 2005-12-18 19:13 | ・映画 - 日本  

<< サンパウロ vs リバプール ... リバプール vs デポルティボ... >>