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D'Angelo 「Brown Sugar」 ('95)

アメリカはヴァージニア州生まれのソウル・シンガー、マイケル・ディアンジェロ・アーチャーのデビュー・アルバムで、全曲の作詞・作曲・演奏・プロデュース、つまり全部を自作自演している。マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーなどニュー・ソウル期の音楽を現代的な感覚で見事に蘇らせたことから、賞賛の意味を込めて、ニュー・クラシック・ソウルと呼ばれた。

95年当時の現代的な感覚とは、ずばりヒップホップのことを指し、ディアンジェロはわずか21歳という年齢で、忘れられかけていたソウル・ミュージックの存在を、ヒップホップ的なる音をソウルへと換骨奪胎することで、ソウル・ミュージックの持つ甘美な響きを人々に思い出させた。

雨に濡れた女性を想像させるフェンダーローズの艶。脈を打つような太いベース・ライン。爪弾かれるギターの郷愁的な調べ。最小限にまで音数を絞り込まれたドラム。全ての音が反復するリズムと呼応し、スモーキーで妖艶な雰囲気を創り出す。そこに抑揚を抑えつつファルセットを多用するディアンジェロのエロティックなヴォーカルが加わる。部屋の湿度を上昇させるほど密度の濃い音と声。滴り落ちる体液の量も別格の存在。(試聴

by bigflag | 2006-04-18 00:38 | ・Funk / Soul / R&B  

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