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Calexico 「The Black Light」 ('98)

"California" と "Mexico" を掛け合わせて "Calexico"。その名前通り、キャレキシコはメキシコ国境近くのアリゾナ州トゥーソンを拠点に活動しており、アメリカとメキシコのルーツ・ミュージックをポストロック的な解釈で表現する、少し風変わりなユニット。メンバーは Joey Burns (ジョーイ・バーンズ) と John Convertino (ジョン・コンヴェルティーノ) の二人で、彼らは Giant Sand と Friends Of Dean Martinez の元メンバーとしても知られている。これは彼らの 2nd アルバム。

「キャレキシコを始めるにあたり、それまでの音楽活動とは違うスタイル、表現方法、例えば色々な楽器を盛り込んだ映画のサウンド・トラックのようなアプローチで映像的な音楽をやろうと思ったんだ。"The Black Light" は昔の西部劇ではない現代の西部を舞台にして、バー、モーテル、ロー・ライダー、翳りのある人物が登場するような映像をイメージした」(by ジョーイ・バーンズ)

ジョーイの言葉通り、キャレキシコの音楽はイメージ喚起力がとても強い。聞けば誰でもすぐにアメリカの西部や南部、あるいはメキシコへひとっ飛び出来る。渇いた空気、舞う砂埃、強い日差し、日干しレンガで作られた家、このような感覚や情景が頭の中で立体的に再生されるのだ。ほとんどの曲を手掛けるジョーイ・バーンズは、おそらく映像記憶がとんでもなく高い人なんだと思う。映像を具現化するための演奏・プロデュース能力もまた素晴らしい。中でも、ホーン・アレンジはシビれるほど格好良い。全編を通して哀愁たっぷりの傑作。(試聴

by bigflag | 2006-09-16 22:24 | ・Exotic / Ethnic  

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