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Gerardo Frisina 「The Latin Kick」 ('05)

ジェラルド・フリシナの 3rd アルバム。2nd 「Hi Note」 と同じく、サンプリングをせずに作曲している。本作でも、サンプリング風味のジャズ、軽く腰に来る分かり易いビート感覚、という基本は変わっていないが、ラテン色を前面に押し出しているので、前作よりもドラムやパーカッションは生々しさを強調させる録音になっている。また、"クラブ・シーンへと捧げる" というコンセプトのため、音はよりミニマル化している。

M1 "The God Of The Yoruba" は Horace Shilver のカバーで、前作の路線に近いエレガントなユーロ・ジャズの名曲。M3 "Cortante" はかなりラテン色の強い曲で、アッパーなラテン的ピアノとトランペットが熱い。M4 "Gosto De Que e Bom" は Shirley Sandala (シリー・サンダーラ) のカバーで、いかにも MPB という風通しの良いメロディが最高のジャズ・サンバ。M8 "The 7th Day" は Freddie Hubbard のカバーで、ピアノと管楽器をミニマルに仕立て直した格好よいラテン・ジャズ。M11 "Batucafro" はギターのカッティングとフルートが爽やか過ぎる高速ボッサノヴァ。軽めのパーカッション使いも良い。

上に挙げた曲も良いんだけど、本作で目立つのは、やはり Sabu Martinez (サブー・マルチネス) と Sahib Shihab (サヒブ・シハブ) の曲をミックスした M7 "African Seeds" と M10 "Latin Seeds" の2曲。アフロ・キューバン臭が強烈なハードバップ・チューンで、その格好良さはアルバムの中でも特異。(試聴

by bigflag | 2007-05-10 23:17 | ・Jazz / Latin  

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