Bonobos 「Electlyric」 ('05)
レゲエのカッティング・ギターとノイジーにうねるギターの絡みが、まさに 「春の嵐」 という感じでアルバムは幕を開ける。M2 「グレープフルーツムーン」 は足取りの軽さを感じさせるスカスカな打ち込みがカワイイ曲。M3 「Lovers Rock」 は曲名通りのラヴァーズロック・チューンで、浮遊感のある SE が施されていて気持ちいい。M7 「あの言葉、あの光」 はフォーキーなギターの裏打ちと緩いキーボードの絡みが胸に染み入る名曲。ボノボはそれほど器用ではないバンドだと思うけど、彼らの場合、それは素直すぎるということの裏返しでもある。そんな彼らだからこそ出来た超名曲が M4 「Thank You For The Music」。こんなにもストレートな歌詞とメロディで、人を感動させることが出来るバンドはなかなかいないよ。
フィッシュマンズ・フォロワーとして語られることが多いバンドだけど、1st に比べるとメロディは随分とポップで瑞々しくなっている。また、それに伴いバンドの演奏が醸し出す空気感もよりピースフルになって、ボノボの色がハッキリと分かる作品になっている。それから、打ち込みを導入するなど、新しいことにも挑んでいる。ただ、コーネリアスの 「Drop」 まんまの M8 「Floating」 を聞くと、彼らの不器用さも伝わってきたりもする (朝本浩文のオーバー・プロデュースなのかもしれないが)。まだ成長過程のバンドなので、今後がとても楽しみなことに変わりはない。(試聴/インタビュー1&2)
by bigflag | 2007-05-16 20:54 | ・歌謡曲 / J-POP