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U-20 日本 vs チェコ (2-2 / PK 3-4)

次の相手がネドベドのような選手がいないチェコという話だったので、これはベスト8までは確実だなと期待していたんだけど、残念ながらPK戦の末に日本は負けてしまった。国際大会のトーナメントにおける勝利というものはなかなか得難い経験なだけに、勝てた試合を落としたのは勿体なかった。しかし、この敗戦を残念と思う気持ちの中には、彼らの経験がどうこうというよりも、もっとこのチームでの試合を見たかったという個人的な思いによるところが大きい。客席を大いに埋めてくれたカナダの人たちもそんな思いなんじゃないかと思う。

試合を振り返ると、前半は日本が主体的なボールポゼッションで試合を有利に進める展開。その中でCKから槙野がヘディングでゴールを決めて元気玉!(笑)。ただ、チェコもサイドでは数的有利を作る守備をしてくるなど、日本の攻撃に関してよく研究してきているという印象。特に梅崎がボールを持つと素早く人数をかけてプレッシャーをかけて来ていた。日本で目立っていたのは柏木。中央からサイド寄りの位置、あるいはサイドでボールを受けて、そこから逆サイドへのパスは効果的だった。トーナメントになってようやく調子を上げてきたのを見ると、優勝を狙っていたのはかなり本気だったんだなと(笑)。

後半開始直後に日本はPKで追加点を上げたものの、後半からロングボールを放り込む作戦に切り替えたチェコにラインを下げさせられる展開に。ロングボールのこぼれ玉もチェコが拾う方が多く、時間が経つにつれて日本には精神的な余裕がなくなってしまう。二点もリードしているんだから、そこまで焦らなくても良いのにと思いつつ、まあこれはA代表でも片付いていない問題だからなあ。そして、その余裕のなさは攻撃面にも表れて、稚拙なミスでボールを繋げなくなり、チェコに合わせるように日本もロングボールが多くなってしまった。その結果、不運もあったとはいえ、PKを日本献上して延長戦へ。

チェコに退場者が出てから、ようやく日本も落ち着きを取り戻し、日本らしいパスサッカーが甦る。延長戦の終了間際、香川のハンドを見逃され、そのまま試合はPKに。香川が判定に泣いたのは、ナイジェリア戦に続き二度目。運がない (次のU-20ワールドカップにはその不運を持ち越さないように!)。GKの林はこの日、二度PKを決められていただけでなく、ファンブルも多かったので、この時点で負けは覚悟してしまった。日本でPKを外したのは安田とデカモリシ。偶然か必然なのか、ともに日本のムードメーカーである二人だった。

このチームに限らず、日本はなかなかリードを守りきることが出来ない。自分たちの力でペースを取り戻すことがなかなか出来ない。この試合でも、ペースを取り戻せたのは相手の退場があって初めて叶ったこと。この問題はけっこう根が深いだけに、今後も悩まされそうだ。あとは、グループリーグの時よりも、前からプレスに来る相手だったので、そのプレッシャーからデカモリシや河原に良いタイミングでクサビのボールを入れることが出来ず、中央からの崩しを上手くできなかったことも反省材料かな。要するにプレッシャーの厳しい中で、いかに正確なプレーが出来るかということ。あと、FW二人が決定機を逃したこともそう。最後の試合で、日本サッカーの課題全てが出ていたとも言えるんじゃないでしょうかね。

最後にボランチ青山隼のコメントを紹介して終わります。

「このチームには、団体スポーツの一番の原点である、結束力がある。みんなで笑って泣いて、友情の塊のようなチームだった。一緒に笑って泣いて、いろいろなことを分かち合うことができた。本当に貴重な大会でした。悔しいけれど、帰ってからが本当の勝負。世界で通用した部分や、通用しない部分も分かったし、経験を積めたと思います。良い意味でこれをバネにしたいと思っています」

by bigflag | 2007-07-14 23:26 | ・サッカー / 日本代表ユース  

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