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日本 vs オーストリア (0-0 / PK 3-4)

オシム・ジャパン初のヨーロッパ遠征。第一戦は、オシムの第二の故郷であるオーストリア。

    田中 矢野
 遠藤       中村
    稲本 鈴木
駒野 闘莉王 中澤 加地    GKは川口

スタメンを見ると、現時点でのチームのベースは 「アジアカップのメンバー」 というオシムの考えが分かる。おそらく阿部が怪我で離脱していなかったら、稲本は松井と同じくスタメンで使われなかったのではないかと思う。阿部には悪いけど、これこそ怪我の功名というやつで、ボランチの位置で起用された稲本の能力を改めて確認できたのは良かった。ボールホルダーを複数で囲まずともボールを奪える能力。この能力に関しては、日本の中盤の中では稲本が一番ある。最近やたら言われている 「個の力」 を示していた。ボールスピードの速いサイドチェンジも正確で良かった。ただ、バランスを気にしてか、攻撃参加に関しては控えめ。憲剛と交代させられたのも、稲本のオフェンスへの貢献度について、オシムが物足りなさを感じていたからだろう。

前半の立ち上がり、オーストリアはホームということもあって、前から果敢にプレスをかけてくる。その激しいプレスを前に日本はボールを前に運べず、何度も川口のところまで戻させられる苦しい展開。オーストリアは中盤でボールを奪うと、ボールをサイドに運んでカウンター。これがオーストリアのスタイルのようだった。こうした激しいプレス、ボール運びと縦へ飛び出す早さは、日本ではなかなか経験のできないもの。

しかし、15~20分が過ぎてオーストリアのプレスが落ち着くと、ミスはあるものの、田中と矢野のツートップがボールを触れるようになり、日本も前へボールを繋げるようになる。そこからは、アジアカップで見られた光景が再現される。華麗なパスワーク(と言うには語弊もあるが)を軸に、アタキングゾーン近くまでボールを運ぶ。が、そこで勝負をすることが出来ず、再度ボール回しが始まる。これはスタメンがアジアカップと同じ、というか俊輔と遠藤を起用している以上、こういうサッカーになるのは自明。遠藤の位置に松井を起用して欲しい。これがサポーターの総意、とまでは言わないが、多くの希望だろうけど、予想通りオシムはそれを無視したスタメンを組んだ(笑)。

ほぼ毎度言ってることだけど、俊輔と遠藤をオフェンシブハーフで起用してのパスサッカーを志向しているなら、巻や矢野のようなパスゲームに参加できないFWでは、そうしたサッカーを実現するのは難しくなってしまう。クサビに入るタイミングやテクニックがあまりにも欠けている。高原の不在を一番感じる部分でもある。カメルーン戦で、前田がポストワーカーとしての可能性を感じさせるプレーしていただけに、今回の未招集は納得がいかない。大久保が召集されなかったことよりも、だ。

日本人選手の決定力不足。国際レベルのFW不足。サイドバック不足。ワールドカップまであと三年という中で、とても解決しそうもない問題を抱えたチームをいかに勝たせるか。トルシエはその問題に対して、かなり合理的な解決方法を選んでいた。前線からの激しいプレッシングとショートカウンターの合わせ技。中盤選手をフリーにする状況を作って得点させること。そして、セットプレー。今のオシム・ジャパンに足りないのは、カウンターと中盤の選手の飛び出し。ボールのポゼッション能力はトルシエ時代よりも高いので、この不足部分も上手く補っていければ、ワールドカップでベスト16を狙えるチームの一つにはなれると思う。

しかし、俊輔が入ると、遅攻一辺倒になるのが気になる。山瀬が入ると(俊輔ほどチームへの影響力はないが)、速攻が多くなる。さて、この二人が組むと、どうなるのかを見てみたいところ。遠藤→松井だと、遅攻一辺倒というのは変わらない気はするが、アタッキングエリアで仕掛けないことへのフラストレーションからはある程度、解放されると思う。要は、速攻と遅攻を使い分けられるチームになって欲しいんだよな。

by bigflag | 2007-09-08 23:59 | ・サッカー / 日本代表  

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