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Derrick May  「Innovator」 ('96)

デリック・メイが '87~'91年までに発表した曲を編んだベスト盤。デトロイト・テクノには創始者と言われる人物が3人おり、その中で最も美しいメロディを作るのがこの人、デリック・メイ。他2人は、Juan Atkins (ホアン・アトキンス) と Kevin Saunderson (ケビン・サンダーソン)

デトロイトのゲットーで生まれ育つとは、どういうことなのか。そこには、貧困と犯罪に囲まれた非常に過酷な状況が待っており、それは生まれながらにして絶望を背負う、ということを意味するのだそう (デリック・メイは出身こそ中産階級らしいのだが)。こうした状況に対して音楽で意志を表明する。そうした土壌がデトロイトにはあるのだ。

デリック・メイは、その絶望を現実への怒りとして激しい音で表現するのではなく、現実を一瞬でも忘れることのできるような音、つまり、地上(=現実)を離れ宇宙に思いを馳せることができるような音を選んだ。だから、そのメロディは刹那的であり、甘く美しい。それと同時に深い哀愁を感じさせるものでもある。(試聴

by bigflag | 2004-11-03 08:20 | ・Club Music  

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