熊本出身の日本人2人によるエレクトロ・ノイズ・ユニット、シンリシュプリームのデビュー・アルバム。本作の発売当初、Andrew Weatherall (アンドリュー・ウェザオール)より 「ベストバンド」 と絶賛されたそうで、本作のライナーノーツもアンドリューが担当。リリースはイギリスのレーベル Fat Cat で、Jesus & Mary Chain、
My Bloody Valentine、
Sucide、Merzbow などを引き合いにして世に紹介された。(
MySpace)
バリバリとしたノイズで空間にヒビを入れながら暴走する、これぞシンリシュプリームという曲で幕を開ける。M1 「
Kyoro」、M6 「I Drew a Picture of Myself」、M11 「Fatal Sisters Opened Umbrella」 のような Jesus & Mary Chain 直系、かつ彼らの 1st 「Psycho Candy」 の強い影響下にある曲こそ (生々しい音響も含め)、シンリシュプリームの真骨頂。ポップなメロディとフィードバック・ノイズを組み合わせるだけならば、そこそこの才能の音楽家にでも出来る。が、J&MC のようなパンキッシュな佇まいを纏うことは出来ない。Xinlisupreme にはそれがある。

また、3rd 「Automatic」 で聞けるインダストリアルなビート感は、より殺伐にアップデートされている。J&MC の系譜を継ぐミュージシャンとしては、最も突き抜けたグループの一つ。M4 「All You Need Is Love Was Not True」、M10 「Untitled」 のような Suicide を想起させる曲も尋常じゃない。なお、彼らの最新音源は、
オフィシャル・サイトからフリーダウンロードが可能。(
試聴)