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講師とコソ泥 ~その11~

友人がM君の家に着いたその時、身支度を済ませたM君がちょうど扉を開けて出てきた。

M 「こんな朝早くにどうしたん、先生?」
S 「ちょっとお母さんに用があってん。電話通じんから来たんよ。お母さん、まだおるか?」
M 「おるで」
S 「お母さんはいつも何時頃に家を出はんの?」
M 「9時くらいやったと思う」

時間に余裕があったので、友人は授業料の催促は後回しにして、M君がJ君らと待ち合わせ
している場所まで一緒に行くことにした。歩き始めて3分後くらいだろうか。背後から奇声が
聞こえてくるのだ。何事かと振り向くと、M君の母親が物凄い形相で走ってくるではないか。

母 「あんた、息子に何するつもりや?」
S 「えっ? 試験に出そうな問題の復習をしてただけですよ」
母 「こんな朝早くに一体どういうつもりなんよ。常識ないんちゃうの?」
S 「電話しようにも電話は通じないですし、お母さんは夕方まで働きに出てるし、こっちかて
  夕方からは授業があるんですよ。好き好んでこんな時間に来てるわけじゃないんです。
  僕のこと常識ないて言いますけど、塾に通っていて、その授業料を払わない方が、
  もっと常識がないんとちゃいますか? 授業料は一体いつ払って頂けるんでしょう?」
母 「ちょっと待ってって何回も言うたでしょ?」
S 「それ何回も言うべきことやないんちゃいますの?」
母 「ほんまに息子に何もしてないんやろうね?」
S 「質問はしましたよ」
母 「どんな?」
S 「始めに言うたでしょ。試験に出そうな問題を復習したって。話をすり替えんといてもらえますか?」
母 「ここでは何やから、警察行って話しましょか?」
S 「別に良いですよ」
母 「あんた(M君)はさっさと学校行き!」

「ここでは何やから」 の後は 「ウチで話しましょう」 と続くかと思っていたら、いきなり警察に
行くことになる急展開だった。第3者がいた方が冷静に話は出来るか、と思った友人は、
M君の母親に連れられて、最寄りの交番に行くハメになってしまったのだった。
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by bigflag | 2006-03-30 00:37 | ・学習塾 | Comments(2)  

PRIDE.31~Dreamers~

感想といっても今更感が強過ぎるので、気になったことを少しだけ。

9ヵ月ぶりにリングに上がったノゲイラの肉体に驚き。6kg上げて109kgになってた。
上腕、大腿、胸の盛り上がりが以前とは明らかに違う。こりゃ本気の肉体改造だわ。
肉体改造という名の脂肪増量する奴とは一味違う。ヒョードルに勝ちたいという気持ちが
伝わってくる体。もともと単純にパンチを打つという技術においては、ヒョードルよりは
優れている。が、あまりにスピードとパワーに差があったので、どうしてもスタンド状態での
不利が否めなかった。スピード勝負はハナから無理なので、パワー差を埋めに行った
ノゲイラの選択は間違っていないと思う。前回の対戦では、終盤スタミナ切れを起こした
ヒョードルに良いパンチを何発か入れていたので、次回対戦時の試合終盤、ヒョードルの
足が鈍り始めたその時、何かが起こるかもしれない。

西島は次回からかなり厳しいと思う。ハントみたいにボクシングに付き合ってくれる
お人よしなんてプライドにはいないもんな。シウバなんかだと速攻でテイクダウンしに
行くはず。まあ、ハントもテイクダウンされる心配がないから、スタンドでの打ち合いを
満喫してる感じだったけど。あと、グラウンドの練習も出来たし、みたいなw。
にしても、ジャンピング・ダブル・ニー!!! これに尽きるな~。
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by bigflag | 2006-03-29 23:50 | ・格闘技 - 総合 | Comments(0)  

講師とコソ泥 ~その10~

M君に対しては同情を感じてはいたが、固定電話を止められているにもかかわらず、
授業の合間に携帯電話で呑気にゲームに興じているM君の姿を見ると、取り立てに
あっているとはいえ、授業料を払おうと思えば払えるだろう、という思いが先に立つ。
滞納といっても、友人の塾の場合、たった1ヶ月分だったので、金額にすればせいぜい
2~3万円程度のことなのだ。どう考えても、息子2人の携帯電話の解約が先だろう、と。
ついでに言えば、兄弟割引もしてるぞ、と。

しかし、授業料を払わないことはもちろんだが、それよりもM君の向こう側に見える、
どうせ取り立てには来れないだろう、という学校や塾に対してナメた態度を取る
M君の両親に友人は怒りを感じていた。タチの悪い輩に引っ掛かったと思って
さっさと諦めることも考えたが、面と向かって授業料を催促に行くのも経験かと思い、
再びM君の家へ行くことにした。どのみち電話は相変わらず不通状態だったので、
家に行くしか友人には選択肢はなかった。

両親ともに働きに出ていると、M君からは聞いていたので、登校前の時間であれば、
母親は家にいるだろうと考え、午前8時前後にM君の家へ着くように友人は自宅を出た。
また、その時は定期テスト中でもあったので、登校前のM君に軽く声をかけるつもりだったのだ。

しかし、友人のこの行動がまたひとつ災難を招いてしまうのだった。。。
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by bigflag | 2006-03-28 23:23 | ・学習塾 | Comments(0)  

講師とコソ泥 ~その9~

取り立てにあっているM家に授業料の支払能力があるとはさすがに思えなかったので、
今月分の授業料を今週中に払えないようなら、辞めてもらうしかないと考えた友人だったが、
取り立てという少しショッキングな事実を目の当たりにしたせいか、その日と翌日はM君の家に
電話することを躊躇してしまっていた。

今日は言おう、何度かその言葉を反芻させてから、M君の家に電話すると、母親が出た。
授業料の催促だと分かると、「もう少し待ってくれと前に言いませんでした?」 と愛想の欠片も
ない声でそう返事をしてきた。この言葉にキレそうになったが、そこは抑えて、いや抑え切れ
なかったために 「ここは学校ではないんですよ」 という言葉がつい出てしまった。
言葉のを理解したのか、一瞬の間が空いた後、 「とにかくあと少し待って下さい」 を
捨てゼリフにして、M君の母親は一方的に電話を切ってしまった。

「あと少し」 という、このたった4文字の言葉の解釈が、M君の母親と自分とでは
全く異なっていることは分かっていたけれど、友人はそれから3日後に再びM君の家へと
電話を入れた。すると、受話器から聞こえてくるのはM君の母親の不機嫌な声ではなくて、
「おかけになった電話は、お客様のご都合により、お繋ぎできません」 というアノ声だった。
次の日も、その次の日もまた、友人はそのアナウンスしか聞けずにいた。

その数日間で、学校と塾2つに続き、電話料金も不払いであることが発覚したのだった。。。
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by bigflag | 2006-03-28 00:50 | ・学習塾 | Comments(2)  

ゴッドファーザー / The Godfather ('72 アメリカ)

監督 : フランシス・フォード・コッポラ
出演 : マーロン・ブランド (ドン・ビトー・コルレオーネ)、 アル・パチーノ (マイケル@三男)
     ジェームズ・カーン (ソニー@長男)、 ジョン・カザーレ (フレドー@次男)、
     ロバート・デュヴァル (トム・ヘイゲン@参謀)、 ダイアン・キートン (ケイ・アダムス)、
     シモネッタ・ステファネッリ (アポロニア)、 アル・レッティエーリ (ソロッツォ)

1947年のある日、麻薬を商売にしているソロッツォが仕事を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくドンのコネに期待したのだが断られてしまう。ドンさえ殺せば取引は成立すると思い、ニューヨークの五大ファミリーと手を組み、ドンの暗殺を計画する。そして、マフィアの抗争は激化の一途をたどっていく。

血で血を洗うなんて言葉があるけれど、まさにそんな映画。しかも、血の生温い温度が画面越しにも感じられるほどに生々しく、フィルムには不穏な空気が終始流れている。そして、制裁シーンの凄み。特に映画プロデューサと義兄へのシーンは強烈。

 しかし、最も印象深かったのは、こうした暴力的な部分ではなく、ひとつの時代の終焉と新たな時代の始まりを感動的に描いた点にある。そして、ひとつの時代の全てをたった一人で背負い体現したマーロン・ブランドの圧倒的な存在感。「任侠」 から 「ビジネス」 へと変貌していくマフィアの世界観。パラダイム・シフトを押し進める5大マフィアとそれに抗うビトー・コルレオーネ。その2つのイデオロギー闘争に翻弄されるコルレオーネ・ファミリー。闘争の結果、ビトーがマイケルにドンの座を譲ることで、コルレオーネ・ファミリーも新たな世界観を獲得するのだが、また同時に失うものもある。その失われてしまうものが 「滅びの美学」 のようなものを強く感じさせ、深い感動を呼ぶ。
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by bigflag | 2006-03-26 15:52 | ・映画 - アメリカ | Comments(0)  

講師とコソ泥 ~その8~

入塾申込書に書かれた住所が嘘でなければ、塾からM君の家まではそれほど
遠い距離ではなかったこと、その日が小春日和の心地良い天気だったこともあり、
友人は散歩気分で歩いて向かうことにした。

M君の家までは20分もかからずに着いた。素性の知れない人間がアカの他人の家を
じっくりと観察していれば、通報されかねないこのご時世なので、友人は立ち止まって
見ることは避けて、歩みを極端に緩めてM君の家を観察することにした。
パッと見た家の外観は学校や塾の授業料を滞納している家にはとても見えなかった。
ごくごく普通の建て売りの一軒家である。

しかし、ほんの3歩か4歩だろうか。距離にしてわずか3メートルほど歩いただけで、
その印象はスッ飛んでしまった。小春日和の心地良さとは真逆の光景が友人の目に
飛び込んできたからだ。これまで見たことがないほどに傷を負った車が車庫にはあったのだ。
オカマを掘ったり掘られたり、コスったりコスられたり、というような事故の傷ではない。
何者かがコインや何かで傷をつけたような明らかに人為的な傷である。
そして、その傷は車のフロント付近に固まっており、平凡な日々を壊すには十分な数だった。

そう、M君の家は金貸しからの取り立てにあっていたのだ。
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by bigflag | 2006-03-25 22:42 | ・学習塾 | Comments(2)  

講師とコソ泥 ~その7~

M君が3ヶ月目の授業料を滞納し始めてから2週間が経った頃、先月と同じように家へと
電話を入れたところ、M君の母親は 「突然の出費が重なっていたんです。申し訳ありません。
週明けには息子に持って行かせますので」 と滞納の理由を説明した。その説明を信じたわけ
ではなかったが、友人は待つしかないなと思い、「分かりました」 とだけ言って電話を切った。

しかし、それから一週間が経っても結局、M君が授業料を持って来ることはなかった。
このことは友人にとって腹こそ立てど、いわば想定の範囲内の出来事だったので、
特に驚きはしなかったのだが、そんなことよりもM君の家族は、いったいどのような生活を
送っているのかが気になり始めた。

トンデモないボロアパートに住んでるんやろか。いや、でもM君はいわゆる郊外の
ニュータウンと言われるような場所に住んでんだから、そんなことは絶対にないはず。
家を買えるくらいの収入はあるってことやし。んー親父が失業してしまったんやろか。
でも、入塾の時に書いてもらった父親の職業欄には会社員って書いてたよなあ、たしか。
それも過去の話となってしまったのか、あるいはハナからそれも嘘なのか。

友人はそんな下世話な想像を一通りした後、とりあえずM君がどんな家に住んでいるのかを
見に行ってみることにした。まさか嘘の住所とちゃうやろな。。。もう一度だけ下世話な想像を
してから、重くなった腰を上げてM君の家へと向かった。
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by bigflag | 2006-03-23 00:04 | ・学習塾 | Comments(2)  

講師とコソ泥 ~その6~

学校の授業は面白くない。これを授業料不払いの理由にしていたM君(家)だが、
M君が入塾して3ヶ月もした頃、授業料を支払わない本当の理由が判明した。
「ウチには金がない」 というM君の口癖は本当だったのだ。携帯電話の件を考えると、
お金の使い方を知らないだけかもしれないが・・・

1ヶ月目の授業料は支払日にお金を持ってきたM君だったのだが、2ヶ月目には早くも
授業料の支払いが滞った。その時は 「オカンが金を下ろし忘れた」 というM君の言葉を信じて
いたのだが、それから一週間経っても授業料を持ってこないので電話で催促をしたところ、
M君は授業料を持って来たのだが、それは支払日から2週間が経ってからのことだった。

学校の授業料を払っていないこと、お金がないという口癖を知っていただけに、少々不安になった
友人はあまり気が進まなかったのだが、「M君にK塾に授業料を払っているのかどうか」 を
それとなく聞いてくれないかと J 君に頼んだ。

翌日、学校が終わってから自習をしに来た J 君は教室に入ってくるなり、こう言った。
「M君、K塾にも授業料を払ってないらしいで」

不安が増したというよりも、友人はこけた。ズコーである。息子を通わせている塾に授業料を
支払わないM家もM家だが、授業料を支払わない生徒に授業を受けさせているK塾もK塾だ。
授業を聞かずに寝ているだけだから許しているのだろうか。あるいは、生徒の人数が
少な過ぎると不安に思う子供や親が出てくるので、頭数を確保するためだけに(*)
M君を置いているのかもしれない。(* K塾の生徒数は多くない)

Xデーは3ヶ月目のことだった。そして、この月の授業料は今も支払われないままである。。。
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by bigflag | 2006-03-22 00:42 | ・学習塾 | Comments(0)  

Mos Def & Talib Kweli are Black Star ('98)

ブラック・スターはモス・デフとタリブ・クウェリのコンビ名のようなもので、その名前の由来は、アフリカ回帰思想を唱えたジャマイカ出身の黒人解放運動家、マーカス・ガーヴェイが設立した船舶会社 「Black Star Line」 から取られている。このことからも分かるように、彼らの書くリリックは社会問題や政治問題に言及するものが多い。ブラック・スターが Rawkus Records と契約した1996年は2PACが、そして翌年にはノトーリアス・B.I.G.が射殺されるという悲惨な状況で、皮肉にも 「コンシャス・ヒップホップ」 と呼ばれる、社会・政治問題に関して高い意識を持つヒップホップが、非常に注目を集め易い状況にあったこともあり、メジャーでもアンダーグラウンドのシーンでも、この2人のデビュー作は大きな賛辞をもって受け入れられた。

諭すような口調のラップは、どこまでも他者への愛情や包容力を感じさせる温もりがあり、Hi-Tek が手掛けるジャジーなトラックもまた温もりに満ちたもので、非常に心地が良く、音の一粒一粒がスッと耳に入ってくる。コンシャスなヒップホップを代表する傑作。(試聴
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by bigflag | 2006-03-19 23:11 | ・Hip Hop | Comments(2)  

8人の女たち / 8 Femmes ('02 フランス)

監督 : フランソワ・オゾン
出演 : カトリーヌ・ドヌーヴ (ギャビー)、 ダニエル・ダリュー (マミー@ギャビーの母親)
     ヴィルジニー・ルドワイヤン (シュゾン@ギャビーの長女)、
     リュディヴィーヌ・サニエ (カトリーヌ@ギャビーの次女)、
     イザベル・ユペール (オーギュスティーヌ@ギャビーの妹)、
     ファニー・アルダン (ピエレット@ギャビーの義妹)、
     エマニュエル・ベアール (ルイーズ@メイド)、 フィルミーヌ・リシャール (シャネル@メイド)

雪に閉ざされた大邸宅に、クリスマスを祝うため家族が集まったのだが、一家の主人が刺殺されているのをメイドが発見する。容疑者は邸宅に集まった8人の女たち。1950年代のフランスが舞台。少々ミュージカルの入った愛憎ミステリー。

ミステリーを装った女たちの暴露夜話。徹頭徹尾、不条理な恋愛観がなかなか痛快。若い3人の女優、ヴィルジニー・ルドワイヤン、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール、それぞれ魅力は違えど、みんな超キュート。豪華な色彩も作風に合っていて良い。ミステリーやミュージカルとして、どうこう言うのは野暮ってもの。
 シュゾンとルイーズ
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by bigflag | 2006-03-19 21:45 | ・映画 - ヨーロッパ | Comments(2)