◆Best 15◆

マンチェスター出身のロックバンドによる5th。ソウルや80sポップを消化したバンドサウンドには、心地良い多幸感と、リスナーをくすぐる郷愁がある。通年でもっとも聴いた作品。

4人組ダンス&ボーカルグループの7年ぶりの6th。松井寛ワークスの手を離れてからはほとんど聴くことがなくなっていたんだけど、年齢とともに成熟を携えて帰ってきたのが何とも嬉しい。しかし、おじさん好みのソウルやディスコを消化したポップスで良いのかという思いもある。

ベラルーシ首都ミンスクで活動するAlex Chumakを中心にしたバンドによる3rd。ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェスを想起させるミナス・サウンドで、ポルトガル語だけでなく、ロシア語でも歌われており、心地良い異界に誘ってくれる。

森は生きているのギタリストだった岡田拓郎によるソロ作。石若駿(ds)との即興演奏をベースに、ジム・オルーク、カルロス・ニーニョ、細野晴臣らの即興演奏を加えて、エディット&コラージュしたそう。本作にも参加したサム・ゲンデルの諸作と同じ地平で鳴っている作品。

LAのジャズ・ベーシストとキーボーディストによるコラボ作。2~3年かけて録音した即興演奏を元に作曲。サム・ウィルクスが生み出すまどろみに、ジェイコブ・マンによる遊び心あるキーボードが彩りを添える。

The Internetのギタリストによる2nd。Andre 3000の 「The Love Below」 からの影響も公言しているように、ソウル・ファンク・ヒップホップを核にしながらも、チルいポップミュージックを展開している。

UKリーズ出身のフルート/サックス奏者、ジャスミン・マイラによる1st。ストリングスを含む10人のバンド編成。たおやかなアンサンブルに流麗なサックスが乗って非常に多幸感のあるサウンド。大編成のジャズはあまり好んで聞かないんだけど本作はとても良い。

フィンランドはヘルシンキのシンガーによる2nd。コロナ禍で音楽収入が途絶えたことにより、ブルーカラーワークに従事している期間があり、その時の心象風景や思いを綴った作品とのこと。ドリーミーなサウンドにリバーブのかかったボーカルが溶け合うソウルミュージック。

ブラジルはミナスのバンドによる3rd。USインディロックを通過したフォークロックを核に、ジャズやソウルを織り交ぜたサウンド。いわゆるミナス・サウンドではないけれど、同じような繊細でノスタルジックなフィーリングがある。

木管楽器奏者のHailey Niswanger と ギタリストのMia GarciaによるLAのデュオ。ジャズとアンビエント、ニューエイジが融合した極上のチルアウト・ミュージック。就寝時のお供に最適。

サウス・ロンドンを拠点に活動するコンポーザーによる6th。自然環境をモチーフに、フィールドレコーディングをサンプリング・コラージュ。ジャズ、アンビエント、室内楽などを横断し、穏やかでイマジナリーな音世界を構築している。

サウス・ロンドンの5人組ジャズバンドによる2nd。アフリカ系のコレオソ兄弟によるアフロビートに始まり、ラテンを展開し、ネオソウルで締める、UK的と言えるミクスチャーサウンドを展開している。

2021年の 「Fresh Bread」 に続く未発表曲集。断片的な音の集まりのようなんだけど、一聴してサム・ゲンデルと分かる特異なレトロ・フューチャー・サウンド。音が沸いて出てきて仕方がない状態なんだろうな。

藤井風の2nd。YouTubeにアップされている弾き語りなどを聞くと、アルバムはどうもオーバープロデュースだと感じてしまうんだけど、声の力や表現力がズバ抜けているので、作品を手に取らせる力があるんだよな。

セントルイス出身のシンガーによる2nd。故Ol' Dirty Bastardを召喚したとの情報を知って聴いたんだけど、”Kill Bill” や “Gone Girl” など突き抜けた曲が要所にあり、アルバム全体を通して楽しめる。
◆Re Issue◆

E,W&Fへの曲提供、A Tribe Called Questなどのサンプリングソースとして知られているプロデューサーの発掘音源。リズムボックスとキーボードを中心に演奏されるローファイ・ファンクが何とも愛らしく心地良い。スライ好きの方にはオススメ。
# by bigflag | 2023-01-29 22:56 | ・音楽 - 年間ベスト